福田寺本堂(ふくでんじほんどう)

  天明元(1781)年建築。福田寺は寛文7(1667)年、大洲藩主加藤泰興によって創建された臨済宗妙心寺派の寺院である。本堂は南北に細長い境内に南面して建つ。基本的には六間取(※1)平面の方丈形式(※2)のつくりで、正面に広縁を設ける。柱は檜の角材を用い、組物や彫刻類のない簡素な意匠となっている。多くの材が当初のまま残っており、禅宗寺院における方丈型本堂の好例である。

※1:むまどり。左右に並ぶ3室を2列、計6室取る間取。福田寺では西側2室を合わせ、広間としているため5室となる。 
※2:六間取平面で簡素なつくりの禅宗建築の形式。方丈とは本来、禅寺の住職が居住する部屋を指すが、接客や儀式の場としても使い、福田寺では本堂としている。

 

  

   

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