瓢箪島(ひょうたんじま)
瓢箪島は瀬戸内海に浮かぶ瓢箪の形をした無人島で、広島県尾道市の生口島と愛媛県今治市の大三島との中間に位置し、島内には広島県と愛媛県の県境が横切る。
島には昔、生口島の神と大三島の神が島取りを目的として綱引きを行ったため、くびれてしまった島の形を双方の島民が心配して和解することになったという民話が伝えられている。島の周辺海域は良好な漁場であることから、その漁業権をめぐる紛争に端を発して生まれた民話であろうと考えられており、多発した境界争いの証拠として、島内には明治時代の境界石も残されている。また、瓢箪形の小島を誇らしく歌い上げた舟歌も伝えられており、島の風致景観は漁師たちの間でももてはやされたきたことがうかがえる。
また、瓢箪島は昭和39年に放映が開始されたNHKのテレビ人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルとなったとされる島のひとつとしても知られている。