井谷家住宅給水用隧道(いたにけじゅうたくきゅうすいようずいどう)
大正期建築。この隧道は井谷家の水源として、主屋の裏山側に給水用に作られたものである。隧道入口は、アーチ状の切石組みを高さ2.4メートル・幅2.3メートルで構築している。また、入口部の両側に袖をめぐらせており、その袖部の石組みには中ほどの部分に亀甲形に加工した石組みが認められ、特徴的である。切石はコンクリートを繋ぎとし、整然と組まれたもので、良質な造形が認められる。奥行きは21.8メートルを測り、奥16メートル付近で緩いカーブで90度に折れ、さらに5メートルほど奥に水源となる水場を確保している。奥は素掘りで高さ163から167センチメートル・最大幅90センチメートルで、天井をきれいなアーチ状に加工しており、きわめて丁寧に造られたものであることがわかる。