四十島(ターナー島)(しじゅうしま(たーなーとう))
四十島は松山市の中心市街地から約8q西北方の瀬戸内海上に位置し、四国本島と興居島との間の狭隘な海峡に浮かぶ、大小3つの岩礁からなる花崗閃緑岩の島嶼群。中央及び北側の島には計24本のクロマツが叢生しています。四十島は、夏目漱石が明治39年(1906年)に発表した小説『坊っちゃん』の中で、イギリスの風景画家ターナーの作風にこと寄せて四十島に叢生するクロマツの形姿を話題にし、四十島を「ターナー島」と命名する件が描写されており、こうして「ターナー島」として知られるようになりました。また、明治42年(1909)に発行された『松山案内』において、高浜虚子が「四十島の落潮」を「高濱十勝」の一つに選じたほか、正岡子規も四十島のクロマツを「初汐や松に浪こす四十島」、「薫風や裸の上に松の影」などの俳句に詠んでいます。
四十島のクロマツは昭和52年(1977年)にマツクイムシにより枯死したが、その後、市民による植栽・育成の努力の結果、今日見る姿に再生されました。