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複式指導用語集

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  異程度指導
 1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し、同じ単元(題材・教材)を指導していくとき、学年差を明らかにした指導のことをいう。教材は学年段階に応じて、系統性、適時性を踏まえて配列されているものである。したがって、取り扱う教材が学年ごとに異なる場合は、それだけで異程度といえる。しかし、上・下学年が同一の教材を用いる場合でも、それぞれの学年に示されている指導事項を明確にして授業を構成するときは、学年別の指導場面や個別指導の場面が必要となり異程度指導の過程が考えられる。

異内容指導
 1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し、同じ単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う内容が、それぞれの学年で異なっている場合の指導。しかし、同単元指導のもとでの異内容指導の家庭には、上・下学年に共通な指導事項を設定できる教材や、指導の系統性・発展性からみて、繰り返しの指導を必要とするところは上・下学年が同一の時間帯で同じように学習する場面も比較的多く考えられる。

一本案
 同単元指導計画の1つの類型であり、同単元異教材(異内容)指導による指導計画である。同単元であるが、上・下学年それぞれの目標を達成できるよう、内容や程度をかえて編成した指導計画で、学年差を強く考慮し、系統性をもった内容を学年別に2年繰り返す計画であるため、「繰り返し案」とも呼んでいる。

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  学年別指導
 学級を構成している上・下学年の子どもに対して、学年ごとの教科書、あるいは指導事項に沿った教材を指導する指導方式で、次の場合に用いる。
 @ 同教材指導が困難な系統性の強い教科(算数科、国  語科の言語教材、説明文教材など)
 A 子どもの発達段階を重視した教材
 B 子どもの転出入が予想されており、教材の重なりや落   ちが心配される場合など。
 次の2つの類型がある。
 @ 異教科の組合せ
 A 同教科、異単元の組合せ

学年差と能力差
 複式学級において、同一の学級集団を構成する上位学年と下位学年との間に見られる、心理的・身体的発達段階と学習経験の多少、学習期間の長短に起因する差異をいう。学年差を「学習経験差」ともいう。
 複式学級では学年差と共に能力差(個人差)ということが問題になるが、能力差は学年の枠と関係なく、学級集団構成員の個々の児童間に見られる学習結果の定着度、技能の習熟度などの差をいう。


  学習の手引き
 子どもが自ら進んで学習に取り組めるようにするためには、子どもが学習の手順を理解し、学習に見通しをもてるようにすることが大切である。
 「学習の手引き」を活用することで、間接指導の充実を図ることができる。
 「学習の手引き」には、次のようなものがある。
 ○ 単元の学習の進め方を示したもの。
 ○ 単元の学習場面における学習内容を具体的に示した  もの。
 ○ 実際の学習場面での学習方法を例示したもの。
  具体的には、ワークシート、学習プリント、ドリル、辞書な  ど。

間接指導
 学年別指導において、それぞれの学年の児童生徒に異なる内容を指導するので、一方の学年に指導している(直接指導)間は、もう一方の学年は、自主的に自分たちの学習を進めていくこと。

完全一本案
 2個学年の指導計画内容を1年間で指導できるように教材を精選して単元を構成し、これを2年間繰り返し指導する計画である。ただし、これは指導上の問題点が多く、無理な計画である。

ガイド学習
 間接指導の効率化を高めるために考えられた小集団学習の一形態で、子ども集団から選ばれたガイドが、教師の指導のもとに立てた学習進行計画によってリードしながら、共同で学習する学習方法のこと。

協業化
 それぞれの地域には、共通あるいは類似の教育課題がある。それを、「地域課題」と呼び、その解決にふさわしい組織を確立し、共同または協働で諸実践に当たってきている。これを、「教育協業化」と呼んでいる。

―協業化の類型化―
   〔指導計画・様式〕       〔教育実践〕
@ 指導計画         @ 同一校内
 〇 教育課程(基底)編成  〇 協力的な指導組織(TT)
 〇 教科計画の作成     〇 縦割り指導
 〇 地域教材化計画等    〇 合同授業
A 指導様式          〇 全校活動(ノン・グレード)
 〇 指導資料作成     A 複数校で
 〇 学習資料作成      〇 集合指導
                  〇 交流学習
                  〇 全村教育

交流学習
 学校規模や生活環境の異なる学校(へき地の小規模校と都市の大規模校など)が姉妹校的な関係を結び、それぞれの学校で経験できない学習を行うこと。交歓学習や合同学習などを通して生活体験を広め、学習意欲の向上及び社会性の伸長を図るとともに、積極的な活力ある人間性を育成することをねらいとするものである。近年では、インターネットやマルチメディアを導入した交流を積極的に展開している学校が多くなってきている。

合同学習(合同授業)
 極小規模校において、2個学年の子どもが1つの教室で教育活動することはへき地性の解消にはならない。このため、1つの学校内において学級の枠を超えて、3個学年以上を一緒にして授業を行い、集団の中で考えを練り合わせ、思考力・表現力を伸ばす努力がなされる。1つの学校内で3個学年以上の子どもが一緒に学習する形態をいう。

極小規模校
 全校児童生徒が10名程度以下、教員数が3名程度の学校を極小規模校と呼んでいる。学級経営において留意すべき点としては、
 @ 学級内で指導できるものと学級の枠をはずして指導す  べきことを見極める。
 A 「待つ」ことに徹する。
 B 教師も学習者になる。

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  山村留学
 1〜2年間長期にわたってその地域で生活し、地元の学校に正式に編入学する制度である。方法としては、地域の「里親」と子どもの保護者が契約して預かってもらい、地元の学校へ通学させる方式が採られている。

シート学習
 ペーパー・ワークシートによる学習で、間接指導時の補助的な学習資料と考えられていたシートを授業の中核的な学習資料として、直接・間接指導を問わず活用するようになり、広くシンクロシート、OHPシートによる学習も意味するようになっている。

集合学習(集合指導)
 近隣の複式学級の子どもを一か所に集めて各領域の指導計画の一部について学習をする。普段より多い人数で学習できるので、集団の中での練り合いなどが行いやすい。体育科のボールゲームなどでよく取り入れられている。集団で学習する関係学校の教師の協力教授組織(T・T)を充実させる必要がある。事前の綿密な打ち合わせが不可欠である。

指導過程の四段階
 「指導過程」は1時間の授業の流れである。かつては、「導入・展開・整理」といわれていた。しかし、これは授業を外側から形式的に見ている。そこで、複式形態の授業を進める際の流し方から四段階が考えられていった。四段階は2個学年が複式で学習する場合、教師が両学年に平等に指導を加えていくために好都合であったからである。

四段階とは、
  @ 課題設定 
  A 解決努力 
  B 定着 
  C 習熟・応用・評価・発展     である。

指導過程の問題となれば、
  @ 各指導段階と指導内容の密着
  A 発問内容の重み付け
  B 指導上の留意点の明確化
  C 学習活動への連続的自己診断への配慮
 等が望まれる。
小規模校
 「小学校・中学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準とする。ただし、…。」(学校教育法施行規則 第17条 第55条)としている。このことから、11学級以下の小中学校を「小規模校」として扱っている。しかし、普通6学級以下の小中学校をいう場合が多い。

ずらし
 2個学年を交互に渡り歩いて直接指導と間接指導の内容を充実させ、学習活動を無理なく効率的に行うようにするには、どうしても指導段階を学年別に「ずらした組合せ」が必要になる。この組合せを「ずらし」という。

折衷案
 この案は、完全一本案、二本案、あるいはその他の要素を組み合わせて立てられる計画であって、これを「折衷案」または「混合案」と呼んでいる。例えば、教材の中で系統性や学年の差がそれほど大きくないものは、A、Bの2年度にわたって、「同内容・同程度指導(AB年度方式)」を行い、系統性や学年の差の明確な教材は「学年別の指導」を行うという計画案の立て方である。この折衷案は、教科の特性、内容の系統性・重要性、あるいは、児童の実態などから検討して、それぞれの指導計画のもつ特性を生かした組合せを考えて計画を立案し、学習効果を高めることをねらったものである。

全習
 集合学習において、2校以上の児童生徒が共同で行う学習活動のこと。

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  縦割り
 二本案の場合、2個学年の学習内容を2年間にわたって別々に配列して指導計画を立てる方法である。例えば、5、6年複式において、第1年次は両学年とも第5学年の学習内容を、第2年次は第6学年の学習内容を指導するような指導計画を作成する方法である。

同単元指導
 複式学級の教科指導で展開されてきた学年別指導の問題点を補うために実践化されてきたもの。この指導方法の特徴は、同一時間内に複数学年の子どもが同じ単元(題材・主題など)を用いて同じような学習活動を行うこと。

同単元指導一本案
 学級を構成している上学年と下学年が、それぞれの学年の指導目標を達成できるように、教科の同じ領域や分野の教材をできるだけ学年ごとに同じ指導時間に対応させて配列する。2年間を単位とした関連ある教材によって上学年と下学年が同じような学習を展開する指導計画のこと。

同単元指導二本案
 学級を構成している上学年と下学年の教材を併せて、A年度(第1年次)、B年度(第2年次)に平均して分けて、指導内容の順序性や系統性などを考慮し、2つの1年間単位の指導計画にする。年度ごとに教材が入れ替わることになり、いずれの年度においても上学年と下学年が同時に目標あるいは共通目標のもとで同じ教材で学習活動を展開する指導であり、2年間を単位にして学習が完結するように年間指導計画を作成する。(同内容・同程度で教材を構成、年度(AB年度))ごとに教材が変わる。)

ティーム・ティーチング
 子どもを必要に応じて、さまざまな能力別編成に組織して、能力差に応じた教育効果を高めようとするために複数の教師がティームを組んで協力的に指導を進めようとする指導方式。教育内容・方法に応じた大集団的・小集団など子どもの組織に対応したきめ細やかな学習指導をねらったものである。

同程度指導
 1単位時間の指導過程において、上下学年に対して同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が同じで、しかも学年差をあまり考慮しない同一の学習活動を展開する指導をいう。上学年と下学年の能力差がほとんどない状態の場合や系統性・順次性のあまり厳しくない単元によく行われる。

同内容指導
 1単位時間の指導過程において、上下学年に対し同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が上下学年ともに同一である場合の指導をいう。同じ教材を用い、同じ指導の観点を設定して授業を組み立てたとしても上下学年それぞれの指導事項を生かす場面を設定するなどの試みも提唱強調されてきている。従って、教材の展開過程のどこかに学年別の学習活動を位置付けたり、特に個別指導に対する配慮も明らかにすることが大切である。


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  二本案
 上下学年の学習指導内容を第1年次、第2年次(A・B年次)に配分し、第1・第2年次ともに両学年を同時に、同教材(同内容)で指導する指導計画。指導内容を両学年に配分する場合、「縦割り」と「横割り」がある。

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ひとり学習
 児童生徒一人一人が、課題を解決するのに読んだり、調べたり、観察したり、計算したり、操作したりしながら、自らの能力を出しきって結果を生み出す学習や、習得した知識・技能を活用して、新たな課題を解決していく学習を「ひとり学習」という。小規模校にあっては、1学年1名しかいなかったり、2名いても能力差があまりにも大きく、一人で学習するしかない実態も出てきている。個別学習は、グループ学習や一斉学習の形態との関連で考えられているのに対し、一人で学習するしかない場合を「個人学習」と呼ぶ場合がある。この個人学習の場合でも、思考の練り合わせなど集団的な学習方法を生み出す必要があり、今後の課題である。

複式学級
 複式学級とは「児童生徒数が少ないため1学年の児童生徒だけで学級を編制できない場合に、同一学級に2個学年を収容して編制する学級」をいう。(学校教育法施行規則第19条)・(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第3条)

複式学級編制基準
 愛媛県の場合、編制基準は(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律第3条)に準拠しており、「小学校は、引き続く2の学年の児童数の合計が16人以下の場合1学級編制とする。ただし、第1学年の児童を含む学級にあっては8人以下を1学級編制とする」。「中学校では、8人以下は1学級編制とする。」ことになっている。

複線型指導過程
 単式の授業は、同一学年を対象として、同一の指導目標の到達を目指して展開されるのが普通である。その場合の指導過程は、直接指導によって単線的になされていく。
それに比べて、複式の授業は、2個学年以上を対象とし、特に異題材、異程度指導をする場合になると、指導目標が複数の設定になり、学年を交互にわたり歩いて、直接指導を行っていかざるを得ない。この特殊な複式授業の展開は、児童生徒の学習の筋道が、複数になっていることに特徴があり、その過程が複線的に進行することからこの用語が生まれた。
 視点としては、次の5点が挙げられる。

 @ 各学年の指導目標が行動目標としてかみくだかれ、到  達度の評価が具体的・客観的にできるような設定の仕方  を考える。
 A 直接指導と間接指導のねらいを、目標到達のための   ステップとして、目標の実現ができるような位置付けの工  夫をする。
 B 児童・生徒が主体的に学べるだけの意欲や学習技能   の向上を図るよう工夫する。
 C 教育機器や学習資料、教材教具等による学習方法を  機能的に位置付ける。どんな場面でどのように利用す   れば、どんな反応を引き起こせるかを実践的に明らかに  していく。
 D 話し合い学習を、深まりのあるものにしていく指導の在  り方を考える。

ふるさと学習(郷土学習)
 ふるさと(郷土)の自然・歴史・伝統・文化・産業などの教育環境を学校の教育計画に生かし、ふるさと(郷土)に対する理解を深めさせるとともに、ふるさと(郷土)への愛着心を育成することを目指した、学校・家庭・地域社会が一体となって推進する教育活動のこと。

分習
 集合学習において、効果をあげるために各学校で行われる事前事後の学習活動のこと。

ペア学習
 直接指導または間接指導時に話し合いが行き詰まったり、正誤の判断が必要になり、簡単な話し合いをさせることにより、問題解決やストップした授業の打開のために適当だというときに行う2人グループの学習形態である。ねらいは、小集団学習のねらいと同じで、コミュニケーションの重視を前提にした次の3点が挙げられる。

@ 他人と協力して、問題に取り組む態度が育てられる。
A 共同による思考や作業の習慣が身に付く。
B 対人行動の広がり、他人の考えの尊重と自己の確立が  できる。

 ペア学習が効果的に行われるためには、目標を明確につかませること、各人に説明の場を与えること、対話の仕方、ノートのとり方、時間のかけ方などについて、徹底した指導を行うことが大切である。

へき地学校
 へき地学校については、「へき地教育振興法」(昭和29年制定)で、「交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する公立の小学校及び中学校並びに学校給食法第5条の2に規定する施設(共同調理場)」と定義されている。

へき地学校等の指定
 へき地学校の指定は、1級から5級までの級別がある。(へき地教育振興法施行規則第3条)これらの級地の指定は、算定された「基準点数」と「付加点数」の合計点数に応じて定められており、5級地が最もへき地度が高くなっている。また、点数が1級に満たない学校では、これに近学校に対して「準へき地」(へき地教育振興法施行規則第3条2項)「特別地」などの指定がなされている。

へき地教育の三特性
 「へき地教育」は、「へき地の指定を受けた学校における教育」としてとらえられており、「へき地性」「小規模性」「複式形態」の三特性があると言われている。

へき地の六特性
 「へき地性」を規定する条件については、次の6点がその条件として挙げられている。
@ 自然的悪条件  A へき遠性    B 文化的沈滞性
C 教育的低調性  D 社会的封鎖性 E 経済的貧困性

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  見守り型支援
 複式の授業では、これまで多くの場合、教師が学年の間を移動する「わたり」が行われるものとされ、間接指導の中で子どもたちがいかに主体的に学習できるようになるかという方向で研究がなされてきた。この考え方を更に進め、教師が、両学年の児童が自分たちの力で主体的に学習を進めるのを同時に見守りながら支援していく授業形態のこと。

無学年指導(全校○○)
 極小規模校において、各個人の能力を重視し、子ども一人一人の可能性を最大限に伸ばすことができるように、学年の枠を外して学習段階ごとに個人に応じた指導を実施する学習形態。体育・音楽などの指導時に多く活用される。


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  横割り
 二本案の場合、領域・分野の中で系統性を考慮して、2個学年の学習内容を混合、配列して指導計画を立てる方法である。

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  両学年同時間接指導
 複式学級においては、間接指導を充実するために、例えば、児童一人一人に的確な対応をするため両学年を「小わたり」して両学年の学習状況を見取るようにする。また、両学年が解決努力の段階で、両方の学年の児童一人一人の学習状況を見取るようにすること。

類似内容指導
 同じ教科の学習において、上下学年に類似した内容を扱い指導するもの。この指導類型においては、共通の指導場面を設定することにより、複式学級に一体感が生まれ学習意欲が高まるなどの効果がある。


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  わたり
 学習指導では、直接指導と間接指導のバランスを取りながら、学習の成立を図らなければならない。教師は、その場合、直接指導と間接指導の組合せの計画にしたがって、ある学年から他の学年へ、交互に移動して直接的な指導をしていくことになる。この両学年交互に移動して指導していく教師の働きを「わたり」という。また、間接指導の方にも、時々目を配りながら指導を進める場合もあり、これを「小わたり」といっている。

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