学校紹介
〜地域とともに〜

上島町立岩城中学校
教頭 山本 英二

 

1 はじめに

上島町の風景

 本校区は、愛媛県北東部に位置する上島町にあります。上島町は、平成16年10月1日に、魚島村・生名村・岩城村・弓削町の4町村が合併して誕生しました。笑顔でつながる地域を目ざして『上島4兄弟』をキャッチフレーズにまとまっており、島の一つ一つに独自の文化が受け継がれている魅力あふれる町です。
 本校は、全校生徒44名の小規模校です。昭和24年に加盟した青少年赤十字の「気づき、考え、実行する」の精神を生かした豊かな人間性の育成と、表現力を中心とした学力の向上に取り組んでいます。

2 本校の教育活動

 本校は、教育目標である「確かな学力の定着と豊かな心の育成」をめざして、保護者とともに活動する行事や地域の方々と交流する体験活動を多く取り入れています。生徒の人数が限られている中で、教育活動を少しでも有意義なものにするためです。それらの活動のいくつかを紹介させていただきます。

(1)親子球技大会

 毎年6月に家族参観日があり、授業後に親子球技大会を開いています。種目はミニバレーボールで、地区ごとに保護者と生徒でチームをつくって対抗戦を行います。どの試合も白熱して歓声が上がり、盛り上がります。お互いに応援の声を掛け合ったり、照れながらも親子でハイタッチをしたりと、保護者と生徒の親睦を深める機会となっています。

親子球技大会
(2)ウォークラリー

 地域を大切にするための行事として平成21年度からウォークラリーを始めました。保護者と生徒でチームを作り、決められた島内21か所の史跡を7か所ずつ回って写真撮影を行い、タイムを競います。コースは3コースあり、毎年違うコースを選択して、3年間で21か所全ての史跡巡りができるよう考えています。

ウォークラリー
(3)合同運動会

 平成17年度より、保育所・小学校・中学校・町民の合同運動会を開催しています。準備から片づけまで地域の方々と協力して行事を行うことは、生徒にとって大変有意義なことです。このような機会が、学校、家庭にとどまらず、地域全体で子どもたちを見守る雰囲気づくりの基盤になっています。

合同運動会
(4)思春期教室

 「思春期教室」とは、上島町岩城保健センターが、核家族化・少子化により乳児とふれ合う機会が少なくなった思春期の生徒に、乳幼児とのふれ合いを通して生命の尊さを学ぶことと、父性・母性の育成を図ることを目的として実施している教室のことです。活動内容は、離乳食作り、乳児・幼児とのふれ合い体験、実技体験(妊婦体験、人形での抱っこ・オムツ替え体験)で、この教室に毎年3年生が参加させていただき、家庭科等で学習した内容を生かす場となっています。

思春期教室

(5)友愛訪問

友愛活動:芋苗植え 友愛活動:かいもち作り

 高齢者の方々とふれ合う機会をもつために「友愛訪問」を実施しています。
 上島町の社会福祉協議会と連携し、ひとり暮らしの高齢者の方々に集会所やデイサービスセンターに集まっていただいて交流活動を行います。
 友愛訪問の活動は、まず「かいもち」づくりから始まります。「かいもち」とは、サツマイモをふかして作った餅で、岩城の郷土料理です。「かいもち」の原料となるサツマイモの栽培は1年生が行っています。春にサツマイモの苗を植えた後、草引きや水やりなどを行って成長を見守り、秋に収穫をします。「かいもち」づくりは、地域の方々に協力していただいて、全校生徒で行います。そしてそれを、訪問当日に高齢者の方々にお渡しします。
 生徒はその他に、名札や話題カード、ゲームなどを準備します。訪問当日は、お互いの自己紹介をし、話合いやゲームをします。最初は硬さのみられる生徒も、高齢者の方々と親しくなるにつれて硬さがとれてきます。生徒が一生懸命に取り組んでいるため、毎年の活動を楽しみにしてくださっている高齢者も多く、お互いに大変有意義な活動になっています。


3 おわりに

 わが岩城中学校の子どもたちは、とても素直で、どんな活動にも誠実に取り組むことができます。その様子は、われわれ教職員だけでなく、保護者や地域の方々にとってもすばらしい宝物になっています。地域の宝物である子どもたちがさらに成長し、地域を元気づけることができるような教育活動をめざして取り組んでいきたいと思います