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【はじめに】
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平成23年3月に発生した東日本大震災の教訓や、近い将来発生が予想される南海トラフ巨大地震への対策の必要性を踏まえ、学校における防災教育・防災管理の大切さは、改めて言うまでもありません。
このため、本年度、愛媛県教育委員会では、次世代を担う児童生徒等に発達段階に応じた「自助から共助への防災教育」を展開するため、「学校総合防災力強化推進事業」を実施しました。
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1 学校防災教育実践モデル校研究推進事業 |
(1)学校防災教育実践モデル校の指定 |
東予、中予、南予の小、中学校各1校(計6校)及び、県立高等学校と特別支援学校各1校の計8校を実践モデル校に指定し、防災科学技術を活用した避難訓練等の実践や、児童生徒等の発達段階に応じた防災教育を推進するとともに、地域の関係機関との連携を強化し、より実践的な地域ぐるみの防災教育に取り組みました。
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指定学校数 計8校
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東予
中予
南予
県立学校 |
西条市立神戸小学校 今治市立大西中学校
松前町立岡田小学校 東温市立川内中学校
西予市立狩江小学校 伊方町立三崎中学校
八幡浜工業高等学校 松山聾学校 |
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(2)各実践モデル校の取組 |
各実践モデル校はそれぞれの地域性や校種を生かしながら、次の内容について取り組みました。
・学校安全計画の充実
・災害時の危機管理マニュアルの再点検
・緊急地震速報受信システム等の防災科学技術を活用した効果的・実践的避 難訓練の実施
・安全マップの作成、防災教材、防災グッズの効果的活用方法の研究
・家庭及び地域の自主防災組織や防災担当部局と連携した防災教育の推進 |
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【松山聾学校の取組例】 |
県立学校として初めて緊急地震速報受信システムを活用し、地域の方々約200人も参加した防災避難訓練が行われました。 |
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緊急地震速報受信システム
カウントダウン開始です。
「震度5強、10秒前・・・
5・・4・・3・・・・」 |
先生の指示に従って、自分の身を守ります。 |
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揺れが収まったので、避難を開始します。 |
地域の方々も聾学校に集まってきました。 |
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続いて、津波による避難勧告が発令されました。
校舎の3階へ移動します。 |
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消火訓練の様子
(生徒の感想)火が熱く、怖かった |
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起震車による地震体験
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幼稚部の子ども達も体験しました。 |
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煙体験ハウス
煙で視界が悪くなった場合の避難方法を学ぶことができました。 |
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地域の方々による「炊き出し」です。
避難者のために、おにぎりと豚汁を作っていただきました。 |
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大人数の避難訓練は、幼児、児童、生徒にとって緊張感のあるものとなりました。 |
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(3)地区別研究発表会及びボランティア発表会の開催 |
地域ぐるみの防災教育に取り組んできた実践モデル校の研究成果について、発表会を開催し県下の各学校に広め活用しました。
また、自助、公助に加えた共助のあり方について理解を深めるため、被災地でボランティアを経験した大学生によるボランティア活動についての発表会を開催しました。 |
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①期日及び場所 |
平成25年 |
2月13日(水曜日) 愛媛県歴史文化博物館 多目的ホール
2月21日(木曜日) 愛媛県生涯学習センター 大会議室
2月22日(金曜日) 愛媛県総合科学博物館 研修室
※小・中学校は各所属の地区で発表、県立学校2校は東・中・南予3地区で発表しました。 |
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②実践モデル校発表内容 |
ア |
西条市立神戸小学校 |
「地域に学び、地域と学ぶ 防災教育in神戸」 |
イ |
今治市立大西中学校 |
「地域と連携した総合的な防災力の強化」 |
ウ |
松前町立岡田小学校 |
「災害から子どもを守るために」 |
エ |
東温市立川内中学校 |
「学校・家庭・地域で取り組んだ防災教育」 |
オ |
西予市立狩江小学校 |
「狩江大作戦」-家庭や地域と学校をつなぐ大地震・大津波対応- |
カ |
伊方町立三崎中学校 |
「学校防災教育の見直しと改善」 |
キ |
八幡浜工業高等学校 |
「地域と共に命を守る防災教育の実践」 |
ク |
松山聾学校 |
「地域と連携した防災教育の取組」 |
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③ボランティア発表会 |
テーマ |
「東日本大震災児童生徒サポートチーム派遣事業から 私たちが伝えたいこと」 |
発表者 |
愛媛大学 教育学部3回生 |
高橋 里奈 |
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柴田 奈緒 |
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平 洋太 |
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2 学校防災アドバイザー派遣事業 |
愛媛大学防災情報研究センターの全面協力を得て、矢田部 龍一センター長ほか4名の防災の専門家を「学校防災アドバイザー」として委嘱し、県内全20市町において開催された防災教育推進連絡協議会に派遣しました。
協議会では、防災専門家のタイムリーな知見を学校現場や自治体にアドバイスしていただきながら、全ての学校の防災マニュアルの改善を図りました。また、各学校に加え市町の危機管理担当部局、消防、警察等関係機関も参加し、事前の危機管理の備えから学校再開までの事後の対策の在り方等について具体的な議論が展開されました。
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学校防災アドバイザー (敬称略)
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所 属
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委 員
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職 名
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氏 名
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1
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愛媛大学防災情報研究センター
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センター長
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矢田部 龍一
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2
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愛媛大学防災情報研究センター
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副センター長
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高橋 治郎
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3
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愛媛大学防災情報研究センター
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副センター長
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板屋 英治
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4
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愛媛大学防災情報研究センター
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准教授
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二神 透
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5
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愛媛大学防災情報研究センター
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准教授
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伊藤 禎将
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(成果) |
これまで情報交換や連携が必ずしも十分でなかった関係者が一堂に会したことで、互いに抱える課題を共有するとともに連携を促進することができ、今後、地域に根ざした防災教育を推進する基盤づくりにつながりました。 |
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3 防災管理担当者研修会の開催 |
公立の幼稚園、小中学校、高等学校、特別支援学校全てに置いた防災管理担当者を対象に、東・中・南予で研修会を開催し、減災と防災力向上のための体制整備に取り組みました。
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(1)参加対象者 599人
※県下全ての幼、小、中、高、中等教育、特別支援学校から各1名
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(2)期日及び場所 |
平成24年 |
6月20日(水曜日) |
愛媛県総合科学博物館 多目的ホール |
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6月21日(木曜日) |
愛媛県歴史文化博物館 多目的ホール |
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6月22日(金曜日) |
愛媛県生涯学習センター ホール |
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(3)研修内容 |
○講演A |
テーマ |
自然災害の時代を生きる―生徒を災害から守り、地域防災の柱に― |
講 師 |
愛媛大学理事・副学長 矢田部 龍一 |
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○講演B |
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テーマ |
東日本大震災を踏まえた学校安全の在り方について |
講 師 |
文部科学省スポーツ青少年局 学校健康教育課 安全教育調査官 佐藤 浩樹 |
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○講 義 |
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テーマ |
危機管理について |
講 師
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愛媛県県民環境部 防災局 危機管理監 上野 惠
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【終わりに】 |
以上、主な取組をご紹介いたしました。
今後もこれらの取組のより一層の充実を図り、また、各学校と地域との連携を更に強化することにより、学校における防災教育・防災管理の充実に努めます。
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本事業は、高校生が、環境保全や自然保護等についての特色ある研究や、地域との連携を軸とした体験活動を行うことにより、持続可能な社会の実現に向けて主体的に行動しようとする態度を育成するとともに、研究成果の普及や体験活動の発表等により、県内における環境教育の一層の充実を図ることをねらいとしています。
実施に当たっては、「環境教育ハイレベル研究推進校」「循環型社会づくり実践推進校」の2区分を設け、研究実践を希望する学校から、各区分3校ずつ、計6校を、1年間の推進校として指定しています。
「環境教育ハイレベル研究推進校」では、環境保全や自然保護等についてのハイレベルな研究による、課題発見・解決型の環境教育に取り組みます。
「循環型社会づくり実践推進校」では、生徒の「持続可能な社会づくり」に寄与する意欲を増進させるために、地域との連携を軸とした体験活動や啓発活動を重視した、実践的な環境教育に取り組みます。
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<指定校> |
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※高校名をクリックすると、それぞれの取組を見ることができます。
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1 新居浜工業高校 |
(1)研究主題 |
微生物を利用した環境保全教育に関する研究 |
(2)目的 |
生物多様性の基盤を担う「微生物」を利用した、新しい技術開発の研究を行うことで、環境保全やクリーンエネルギー開発に貢献する態度を育成することを目指す。 |
(3)実施内容 |
ア 微生物を利用して染料を含有する着色排水を脱色処理する技術の研究
イ 廃液に含まれるデンプンからバイオエタノールを生産する技術の研究 |
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熱心に研究する生徒の様子です。
実験器具の使い方も、超一級品です。
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日本環境設計㈱専務取締役 高尾正樹氏に
「古着が宝の山になる日~再生可能エネルギー
バイオエタノール~」という演題で
講演をしていただきました。
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熊本市国際交流ホールにおいて、
バイオ甲子園が実施され、「細菌による
染色排水の脱色について」研究発表を行いました。 |
バイオ甲子園にて優秀賞を受賞しました。 |
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(5)生徒の感想 |
ア 私たちは今回の活動に携わり、大変貴重な体験をさせていただきました。微生物という肉眼では見えない生物の働きに対する想像力も身に付けることができました。これらの微生物は、人間が抱える諸問題を必ず解決してくれるとも感じました。私たちの人生を変えたすごい経験だと言っても過言ではありません。
イ 私たちは今回の研究から様々なことを学ぶことができました。それは、継続することの大切さと、目標に向かって努力することの大切さです。研究を続けて行く中でうまくいかないこともありましたが、それを解決するために専門的な事を勉強し、実験を何回もやり直すことにより、研究を成功させることができました。その時には、大きな達成感や充実感を得ることができました。
ウ 非食料からのバイオエタノール生産の有効性を知り、愛媛県が全国生産量一を誇る裸麦の糠(ぬか)に注目しました。アルコールができたときは、達成感と喜びがあふれてきました。この活動を通して、環境とエネルギーについて真剣に考えることができるようになりました。 |
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(6)受賞等 |
バイオ甲子園2012 優秀賞 |
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2 伊予農業高校 |
(1)研究主題 |
伊予農業高校における再生可能エネルギーに向けた取組
― バイオマスペレットの活用 ―
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(2)目的 |
化石燃料に代わる新たなエネルギーとして期待されているバイオマスエネルギーについての研究を行い、循環型農業の確立を目指したプロジェクトを推進する。 |
(3)実施内容 |
ア バイオマスペレットを利用した温室暖房効果と経済性についての研究
イ 未利用バイオマスペレットの開発に関する研究
※バイオマスペレットとは製材工場等から出る木くずや端材、食品加工残さや農業系廃棄物を円筒形に固めたもの。 |
(4)活動の様子 |
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高知県梼原町にあるペレット工場を見学しました。
間伐材や端材などから木質ペレットを生産し、
町の公共施設などで利用されていることが分かりました。
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伊予郡松前町にある新興工機株式会社で
ペレタイザ-を使って竹ペレットを製造しました。
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鳥取大学教授の前川先生に、「エコな資源で
環境を守る」という演題で講演をしていただきました。
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伊予市唐川地区の放置竹林整備を行い、
実験材料の竹の採集を行いました。
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(5)生徒の感想 |
ア 私は、梼原町のペレット工場などの見学を通して、放置されている間伐材が資源として利用されていることを初めて知りました。また、鳥取大学の前川先生の講演では、山の役割や環境保全の大切さを学ぶことができました。これからも、環境保全活動に積極的に参加したいと思います。
イ 木質ペレットは、間伐材などを使用して作られており、環境にやさしいものです。それらを有効利用していけば、エネルギー問題の解決の手段となると思います。学校で出てくる、廃菌床を産業廃棄物ではなく、ペレットにしてどんどん使っていきたいと思いました。
ウ 実際にペレットを製造しての感想は、材料の準備は大変ですが、こんなに簡単にできるものとは思わなかったということです。ペレットやペレットスト-ブの値段はまだまだ高いですが、もっと多くの人が、環境のことを考え利用していけば、値段も下がっていくと思います。 |
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3 長浜高校 |
(1)研究主題 |
「長高水族館」から発信する環境教育 |
(2)目的 |
生物の飼育及び研究活動を通じて、生命の大切さを学ぶとともに、水槽内の環境から地球環境まで、多面的、総合的に考える力を育成することを目指す。 |
(3)実施内容 |
ア サンゴ礁の生物群集とサンゴの育成に関する研究
イ カクレクマノミの繁殖条件に関わる研究 |
(4)活動の様子 |
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高知県大月町柏島にて、
自然のサンゴを調査・観察しました。
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愛媛大学の高田裕美助教に、ウニの発生に関する最先端の研究内容について講演をしていただきました。
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愛媛大学の協力を得て、
カクレクマノミの粘液についての研究を行っています。 |
今年度、長高水族館には、
一般公開日、幼稚園、小学校の訪問等を合わせて、
4000名以上のお客様に来ていただきました。 |
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(5)生徒の感想 |
ア カクレクマノミの研究では、実験を行い、論文を作成し、大会で発表するという、大変貴重な経験ができました。研究活動を通して、答えを探し出す楽しさを感じたり、あきらめない忍耐力を身に付けたりすることができました。
イ 生き物の命の大切さを身近で感じることができました。また、生き物の飼育を通して、環境の大切さや現在の地球の状況を考えることができました。今後も水族館活動や研究活動でこれまで以上の成果が出るよう、頑張りたいです。
ウ 水族館公開での接客を通して、多くの方々に生き物について知っていただけたと思います。また、自分自身、コミュニケーション能力の向上や、命の大切さについて学ぶことができました。 |
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(6)受賞等 |
ア 第56回 日本学生科学賞 読売理工学院賞受賞
研究作品名「続・カクレクマノミの粘液の秘密」
イ 第56回 日本学生科学賞 特別賞 学校賞
ウ 「テレビ愛媛賞33」受賞 |
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4 弓削高校 |
(1)研究主題 |
地域と連携した循環型ライフスタイルを目指して
― 有用な微生物を活用した環境保全活動 ― |
(2)目的 |
地域のごみの堆肥化で、ごみの量を削除すると同時に、その堆肥で植物を育てる活動を通じて、生徒と地域住民が一体となった循環型社会の在り方について学ぶことを目指す。 |
(3)実施内容 |
EM菌を利用した堆肥作成によるごみの量削減に関する研究
※EM菌とは「有用微生物群」のことで、汚水等の浄化や生ゴミの堆肥化などに利用されています。
その他の用途も多いことから、幅広く研究されています。 |
(4)活動の様子 |
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EM菌を利用した堆肥を作成し、
花壇などに埋め込みました。
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1、2年生の総合学習の時間を用い、
堆肥ボックスを作成しました。
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EM団子をまくために海岸のゴミ拾いを行いました。 |
EM活性液とEM団子を作成しました。 |
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(5)生徒の感想 |
ア 1年生はEM団子作りを主としたEM活動を行いました。自分たちの活動の結果、ハクセンシオマネキなどの生物の数が増えたような気がします。これからもこの環境保全活動を弓削高校が一丸となって一生懸命取り組んでいこうと思います。
イ 生徒会では、多くの人にもっとEM活動を知ってもらうために、地域を中心とした普及活動に取り組みました。文化祭では、EM菌の利用法について、そして今年取り組んでいるEM堆肥についての説明用パネルを制作しました。また、親しみをもってもらうためにマスコットキャラクターも作りました。今後も継続して普及活動に取り組んでいきたいです。
ウ この事業を通して、より深くEM菌について学ぶことができました。特に学年末に行った課題研究では、自分たちが作ったEM堆肥の中で生息する生物の種類の豊富さを知ることができました。卒業してからも有用な生物を使った環境改善に努めていきたいと思っています。 |
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5 大洲農業高校 |
(1)研究主題 |
環境教育出前授業による「持続可能な社会づくり」に寄与する意欲増進の研究
― 小学校との交流を通して ― |
(2)目的 |
小学生への環境問題解決に向けた啓発活動の実践を通して、生徒の「持続可能な社会づくり」に寄与する意欲を増進させることを目指す。 |
(3)実施内容 |
ア 小学生への環境問題解決に向けた出前授業及び交流活動
イ ひまわりの栽培とその油を利用したバイオディーゼル燃料の研究 |
(4)活動の様子 |
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小学生に、ひまわりの栽培が環境保全につながることを説明し、約4アールの小学校の畑に、
ひまわりの種をまきました。
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ひまわりや環境のクイズを実施しました。
また、屈折糖度計を使って食品の糖度を測定しました。 |
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田渡小学校の食育の行事として、
小学校の水田でうるち米ともち米の田植えを行いました。 |
小学校で栽培した餅米を使って3種類の餅をつき、
お雑煮を食べて感謝祭を行いました。 |
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(5)生徒の感想 |
ア 出前授業を通して、教わる立場から教える立場になり、その大変さを知ることができました。1年間の活動を振り返ると、小学校の先生、生徒、地域の方々に支えられ、勉強させていただいていたことも分かりました。
イ 人と話すことが苦手だった私たちも、交流を重ねる度に苦手意識もなくなり成長することができたと思います。環境クイズを小学生に行った時に、小学生が答えた内容のすばらしさに感激しました。私たちも教えてもらうことが多く感心しました。
ウ ヒマワリを使った地球温暖化防止に関わる交流活動は、私にとってプラスになることばかりでした。環境問題を一緒に勉強できたことはもちろん、小学生の笑顔を見るととても元気になれました。 |
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6 野村高校 |
(1)研究主題 |
家畜排泄物を利用したバイオガスエネルギーの抽出と活用 |
(2)目的 |
研究成果を地元農家に提供することで、家畜排泄物処理等家畜農家の抱える問題を軽減し、地元産業に貢献していくことを目指す。 |
(3)実施内容 |
ア 簡易バイオガス発生装置の製作
イ 家畜排泄物を利用したバイオガスに関する研究 |
(4)活動の様子 |
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ガス発生実験に使用する家畜糞を、
農場の堆肥舎から家畜の種類に分けて採取しています。
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採取した糞を量り、同じ重さの水を入れ、
混ぜ合わせて容器に入れていきます。
1回目の実験では、容器が膨張し失敗しました。
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改良を加えた容器に家畜糞を水で溶いたものを入れ、
キャップにつけたストローに袋を付け、ガスを集めました。 |
予備実験での問題点を改善しながら、
本実験用の装置を製作しました。 |
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(5)生徒の感想
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ア 今回、この研究テーマとしたのは、家畜の糞が堆肥以外にも使えないのか知りたかったからです。メタンガスを作ってみて、失敗したこともありましたが、新しいことに取り組めたことは、とても良かったと思います。
イ 初めに何をするのかと思っていたら、糞の採取でした。糞を水で溶きペットボトルに入れました。徐々に変化が現れてきていましたが、急に膨張して破裂しそうになったりもしました。ガスの発生が確認できて感動しました。
ウ 使用する糞や水の量を均一にしたり、容器に入れるのがとても大変でした。夏と冬では、ガスの発生する量が違い、寒くなってくると変化があまり見られませんでした。ガスの発生は、気温の高い夏の方が多いということが分かりました。
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愛媛県教育委員会では、平成24年度新規事業として、愛媛県県立特別支援学校キャリア教育推進事業を実施しています。 |
<キャリア教育とは?>
一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達(社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程)を促す教育です。
特別支援学校では、個々の障害の状態に応じたきめ細かい指導・支援の下で、早期から系統性のあるキャリア教育を行うことが重要です。
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本事業では、保護者や地域、労働・福祉等関係機関との連携協力のもと、県立特別支援学校児童生徒の発達の段階に応じた早期からのキャリア教育の充実に取り組みます。 |
平成24年度の主な取組は、次のとおりです。 |
■「キャリア教育推進連絡協議会」の設置による労働・福祉・教育の連携協力体制の充実 |
■「就労支援アドバイザー」の招聘によるキャリア教育の充実 |
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キャリア教育推進連絡協議会 |
全ての特別支援学校に「キャリア教育推進連絡協議会」を設置しました。
構成員は、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター等の労働・福祉等関係機関や企業、福祉サービス事業所、保護者、教職員等です。
協議会では、それぞれの立場から意見を交わし、地域の実情や障害の特性に応じたキャリア教育の推進、就労・生活支援の在り方について検討しました。
各学校のキャリア教育全体計画に基づき、計画的なキャリア教育を推進するための協議では、次のような意見が出されました。
○企業側の視点から、企業が求める知識、技術、マナー等を学んでいく必要がある。
○新たな就労先の開拓や就労の継続性を確保するため、関係機関がより一層連携を強化していく必要がある。
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また、現場実習の受入先や就労先を開拓するために学校が作成した理解啓発リーフレットに対しては、「企業側の雇用意欲を喚起するためには、内容やレイアウトを大幅に見直す必要がある。」と、現場からの厳しい助言もいただきました。
各学校では、それらの助言をもとに、進路・現場実習懇談会や学校公開セミナーの開催による関係機関との連携強化、リーフレットを活用した職場開拓などに取り組みました。 |
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【進路・現場実習懇談会】 |
現場実習受入先の企業や福祉サービス事業所、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター等関係機関の職員、保護者が参加し、授業参観、就労についての講演会や懇談会などを行いました。
進路・現場実習懇談会には、高等部だけでなく、小学部や中学部の保護者も多数参加しており、将来に向けて取り組むべきことを学び、進路に関する様々な情報を得る機会となっています。
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懇談会では次のような意見が出ました。
○学校教育で身に付けてほしいこと
・挨拶や常識的なマナー
・集中・持続力と息抜きの方法
・自分でできることとできないことの理解
○就労に向けて重要なポイント
・働きたいという本人の強い意志
・本人の希望と保護者の考えの一致
現場実習・進路懇談会を通して、企業等が求める能力や就労を実現する上でのポイントを確認することができました。 |
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【企業向け学校公開セミナー】 |
地域の企業、福祉サービス事業所を招き、学校の教育活動の紹介や作業学習の参観、研究協議等を通して、学校の就労支援への取組を紹介するとともに、生徒の実力をアピールし、実習受け入れや雇用促進を働き掛けました。
授業参観後に寄せられた感想です。
○生徒の笑顔がよく、素直である
○丁寧な作業ができている
○手先の器用な生徒がいる
生徒の能力やよい点を理解していただけたと実感できました。 |
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就労支援アドバイザー事業 |
知的障害特別支援学校に障害者の雇用に取り組んでいる事業所の関係者を招聘し、生徒に直接実技指導をしていただいたり、授業改善につながる助言をいただいたりしています。 |
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近年、特別支援学校卒業生の就労先としてサービス業が増えており、作業学習で清掃、喫茶・サービスに取り組んでいる学校があります。
清掃や喫茶サービスのプロを招き、実技指導をしていただきました。学ぶ生徒の目は真剣そのものです。
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また、中学部や高等部では、木工、縫製、農園芸、食品加工などの作業学習を行っています。就労支援アドバイザーからは、生徒への実技指導をしていただくほか、効率的で安全な作業のあり方など、授業改善につながる助言もいただきました。
さらに、就労支援アドバイザーを講師に教職員研修も行いました。専門的な技術を生徒に指導するための実習のほか、労働・福祉関係機関の取り組みや諸手続き等の有益な情報を提供していただき、キャリア教育に対する全校教職員の意識を高める貴重な機会となりました。 |
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県教育委員会としては、引き続き、障害のある児童生徒の自立と社会参加に向けた地域ネットワークを構築し、児童生徒一人一人の希望や適性に応じた進路実現に取り組んでいきたいと考えています。
また、平成25年度は、技能検定実施委員会を立ち上げ、生徒の働く力を企業にアピールし、生徒の働く意欲を高める「愛媛版 特別支援学校技能検定」の実施に向け、検討を行うこととしています。
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