学校紹介
~気づき、考え、行動する川内中の生徒たち~



 
【校章】  
東温市立川内中学校 教諭 奥村佐知夫

1 はじめに

 平成14年に川内町と重信町が合併して「東温市」となり、今年で10年目になります。本校は、東温市の東部に位置して、石鎚山系に接する全校生徒289名の中規模校です。生徒は、素直で明るく落ち着いた生活態度で、学習や部活動、学校行事に熱心に取り組んでいます。

 

2 具体的な取組
 
(1)授業実践-授業研究部会-

 平成24年度より愛教研東温支部「第10期サイクル」の研究がスタートし、研究主題を「気づき、考え、行動する生徒の育成」として研究を進めています。平成25年度は、県の指定により「英語コミュニケーション能力育成事業」を受け、「話す」「書く」「ICTの活用」を中心に言語活動をどのように充実させるとコミュニケーション能力を伸ばせるのかに取り組みました。 
 本年度は、昨年度までの研究を継続・発展させて、「学習課題の明確化」⇒「言語活動」⇒「確かな見取り」という【授業のモデル化】を各教科で取り組み、【自己表出】できる生徒を育成したいと考え、さまざまな取組を行っています。

 
 ア 学習課題の明確化⇒「定着した生徒の活動」 
 全国学力・学習状況調査や学校評価などから、生徒の実態を考えると、「自分の考えや気持ちをもっと出してほしい」などの【自己表出】と【家庭学習の充実】に関する課題があげられました。そこで、授業では「ワークシートの活用」や「電子黒板」を利用した提示、さらに「単元終了時の学習ゴールの設定」に努めたことにより、生徒は学習の見通しを持ち、意欲的な学習態度が定着してきました。
 
 イ 言語活動(班活動)⇒「小集団の中で自己表出」
 「音読」や「チャット(話す活動)」などで行う「ペア学習」、自分が考えたことをまとめる「ワークシート」、教師のマネジメントによる「思考の焦点化」などにより、活発な話合い活動を行い、自分の考えを深める生徒の割合が増えてきました。
  ウ 確かな見取り⇒「理解度に応じた支援」 
 単元全体が分かる「ワークシート」や定期的な教師の見守りを行い、生徒の活動を保証し、「自己評価」などにより、生徒一人ひとりが授業で分かったことを振り返る活動を行っています。また、朝の自主学習や授業中の「確認テスト」などで「基礎学力の向上」を目指した取組も行っています。
 
これらの取組は、1113日東温市教育研究大会において、発表を行いました。「家庭学習に対する小中学校の連携の大切さ」や「小集団学習での生徒一人ひとりを大切にする方法」などについて、参加された先生方からご意見をいただきました。今後の活動に生かしていきたいと思います。
 
(2)生徒の自主的な活動-生徒活動部会- 

 生徒会活動を中心に、生徒が自主的・自治的な活動ができることを考え、「学校行事」の充実や「ボランティア活動」の推進を行いました。

 ア アルミ缶回収運動
 平成14年度から続いている生徒の自主的な活動に「アルミ缶回収運動」があります。平成15年度には、自分たちで制作したドラム缶2個を「川内郵便局」の前に設置し、早朝と放課後の一日2回、地域の人の協力により集まったアルミ缶を回収しています。また、自分の家で出たアルミ缶を持ってきて、活動に参加する生徒もいます。少ない収益金ながらも3月には「車椅子」を近隣の病院や老人介護施設に贈呈してます。生徒は楽しくこの活動に参加し、昨年度から回収用のリヤカーが2台になり、参加する生徒の割合も徐々に100%に近づいています。

 

 

 

 イ ゲンキジャー~あいさつ運動~
 自分たちの力で、活気あふれる学校生活を作っていくために、生徒会が主催する「あいさつ運動」を行っています。この活動の名前が【ゲンキジャー】です。月ごとに生徒の中から有志を募り、校門や生徒玄関の前に立ってあいさつします。さわやかなあいさつは、学校の雰囲気を明るくしてくれます。
 
 ウ 生徒総会-体育祭・文化祭の見直し- 

 5月23日に開かれた「第1回生徒総会」の議題は【体育祭・文化祭の見直し】でした。本校は、生徒会と体育部が協力して体育祭の企画・運営を主に行っています。まず、生徒会と学級との有機的な関連を図るために、議題について学級で話し合います。その意見を受けて、生徒総会では、「ストレッチ体操をラジオ体操にしてはどうか」「イベント係もイベントを回れるようにしたい」「合唱コンクールと総合学習の発表を入れ替えたい」などについて活発に意見交換が行われ、学校行事に対する意欲や情熱が感じられました。

 
 
(3)2年生で行く修学旅行-京都班別自主研修-
 
 本校は2年生で京阪神方面「奈良・京都・大阪」の修学旅行を行います。10月6日()出発の日、今年度は「台風19号」の名残もあり、飛行機による出発を、川内ICから奈良までの「バスの旅」に切り替えました。2日目の「京都」では、【班別自主研修】を行いました。2学期から「京都のよさ」を学習し、班ごとに行きたい場所を選択して、本やインターネットを利用して、1日研修(朝8時30分から夕方6時まで)の行程を考えました。「洛南バス101番」「市営バス252番」など、具体的に乗車する交通機関を決めて当日を迎えました。 帰校後、各自が実際に体験したことや感想をまとめた【修学旅行記】を作成し、文化祭で保護者や地域の方に見ていただきました。  
3 おわりに
 「気づき、考え、行動する生徒の育成」を目指し、取り組んできました。研究の成果として、「指導と評価の一体化」「授業のデザイン化」を図ることにより、生徒が意欲的な態度で学習に取り組むようになりました。また、小集団活動を通して「自己表出」を行い、生徒同士で課題を解決しようという姿勢が生まれています。
 
今後、生徒の実態に寄り添いながら、自分の目標に向かって精一杯努力する生徒が育つよういろいろな活動に取り組んでいきたいと思います。