新規事業


進路指導スキルアップ事業
高校教育課

いじめSTOP愛顔の子ども会議
人権教育課

高等学校土曜授業推進事業
高校教育課


進路指導スキルアップ事業

1 目的

 
 高等学校の学習指導要領が改訂・実施されたことにより、各学校においては、新しい入試制度、科目に対応する指導法の研究開発が喫緊の課題となっています。

 本事業は、各教科の研究委員が、新学習指導要領に対応した入試に係る研究に取り組むことで、生徒の実態に即した教科指導・進路指導を推進することを目的に実施しています。


 2 実施計画
 
 平成26年度は、新学習指導要領が先行実施され、現在の高校3年生が、新課程入試を受験する、数学と理科の研究委員が研究に取り組みました。
 
 
平成27年度は、数学と理科に続いて新課程入試となる、国語、地歴・公民、英語の研究委員が研究に取り組みます。

 平成28年度は、各教科で研究した指導方法の検証や改善を行います。

 3 今年度の主な実施内容と取組の様子 

○第1回研究委員会

 えひめ青少年ふれあいセンターを会場として、愛媛大学理事・副学長で教育・学生支援機構長の松本長彦先生から、大学における学びの質の向上を図るために取り組んでおられる「入試制度改革」について、上浮穴高校校長で、その先進的な進路指導の取組が全国的にも注目されている大内洋一郎先生から、「生徒の進路実現のための様々な方策」について御講演をいただきました。

 その後、各教科研究委員が、研究計画等について協議を行いました。

○第2回研究委員会  

 数学が大洲高校、理科が今治西高校を会場に、優れた指導力を持つベテラン教員による模範授業が行われました。

 各教科研究委員は、参観した授業を参考にしながら、新課程入試に関する協議・情報交換等を行いました。

数学の模範授業   模範授業を参観する数学研究委員
 
理科の模範授業  模範授業を参観する理科研究委員
 
○第3回・4回研究委員会

数学が松山北高校、理科が松山西中等教育学校を会場に、会場校や市内各高校から集まった生徒を対象とした研究授業を行い、授業研究や新課程入試に対応した指導についての研究協議を行いました。
   
 松山北高校における数学の研究授業   松山西中等における理科の研究授業
 
○第5回研究委員会

 えひめ青少年ふれあいセンターを会場として、株式会社ベネッセコーポレーションから講師を招き、「新課程初年入試における理科・数学の状況」「新課程対応 先進校の指導事例」について御説明をいただきました。
 
 その後、研究委員による研究協議と、研究成果の報告が行われました。
   
 数学の研究協議  理科の研究協議
   
 数学の研究成果発表  理科の研究成果発表
 
4 成果の普及

 事業の成果は、研究成果報告会で報告するとともに、広く県内の各教科教員に公開することとしています。

 

 
いじめSTOP愛顔の子ども会議

 8月19日に中予地区、20日に南予八幡浜地域、25日に東予西地域、26日に南予宇和島地域、27日に東予東域において、松山市を除く県内小学校から、各校3~4名の児童が集い、愛媛大学教育学部共催のもと「いじめSTOP愛顔の子ども会議」を開催しました。

この会議では、参加した児童一人一人が主役となり、「みんなが愛顔の学校づくり」の実践化に活かそうと、仲間づくりのエクササイズや自校のいじめ防止の取組の紹介を行い、「いじめをなくすために私たちは何をすべきか」について考えを深めました。


1 子ども会議概要 


【開会行事】

開会行事では、中村時広知事の挨拶で、戦後、子どもたちの願いによって、動物園を復活させることにつながった子ども会議のエピソードに触れられ、このような会議を通じて、皆さん自らが行動を起こすことは、大変意義深いことで、一人の力は小さくても、みんなが力を合わせることで、大きな力となり、かけがえのない友達を守ることにつながる。心から期待しているというメッセージをいただきました。

また、知事から、参加校全てに、児童たちが考えた標語を記した懸垂幕の贈呈がありました。



【仲間づくりのためのエクササイズ】

 一班が6~8名の班を構成し、いろいろなエクササイズに取り組みました。小学生たちは、初めて顔を合わせたこともあり、緊張した面持ちでしたが、愛媛大学教育学部 太田佳光 副学部長によるじゃんけんを用いたゲームなどを行うと、すっかり打ち解けた様子でした。

 メインのエクササイズでは、NASAゲームを行いました。砂漠に不時着した場面を想定し、あらかじめ準備された下記のものを各班が話し合い、最も必要なものから、最も必要ないものまでを順位付けしていきました。ほとんどの班が「水が一番大切だ」と結論付けたのに、発表された専門家の答えは、反射させて所在を知らせる化粧用の鏡でした。このときは、会場から大きなどよめきが起こりました。この話し合いの過程において、指導者から多数決ではない方法で決めるという条件が付いていたために、児童は互いの意見に耳を傾け、対話による意識統一を自然に行うという、仲間づくりのポイントを押さえた活動ができました。
 
 

赤と白のパラシュート

懐中電灯(電池入り)

コンパス(磁石)

一人1リットルの水

化粧用の鏡

一人一着の軽い夏用のコート

地図(航空写真入り)

本「食用の砂漠の動物」

 

【いじめ防止のための取組の発表】

全体会での発表は、四国中央市立金生第二小学校、新居浜市立惣開小学校、西条市立壬生川小学校、上島町立岩城小学校、伊予市立郡中小学校、愛媛大学教育学部附属小学校、八幡浜市立白浜小学校、西予市立宇和町小学校、宇和島市立天神小学校、愛南町立城辺小学校が、「私たちの、いじめ防止ための取組」についてプレゼンテーションソフトを使って発表を行い、場内から拍手が沸き起こりました。 グループ別では、全体会の発表校以外の全ての小学校が、児童手作りのチラシを用いて、互いの取組を紹介し合い、質疑応答を受けるなど、交流を図ることができました。


【コーディネーターによる総括】

 参加児童全員に向けて、いじめの周りには、それ冷やかしたり、にやにやして見ている観衆がいて、その周りには、いじめを見ながら知らん顔をしている傍観者がいる。こんないじめを認めてしまう空気があったら、次々にいじめが行われてしまう。そんなとき、みんなが力を合わせて取り組めば、まず、知らん顔をしていた人が、いじめを気にする人に変わり、その中から、支えて勇気づける人や見つけて知らせる人や間に入って止める人が生まれ、いじめをSTOPすることができる。
 私達の取組は、とっても大きいこと。勇気と自身をもって取り組もう!と呼びかけて締めくくりました。

 

 
【参加した児童の感想】

○ 私が自分の学校に取り入れたいと思ったのは、クラスのシンボルマークを作ることと、友達のいいところを書いて伝える「にこにこカード」です。カードについては、同じようなことをしているけれど、回数が少ないので増やしたいと思いました。

○ 他校の取組を聞いていくうちに、これから自分からいじめをなくし、みんながいじめをなくしてほしいという思いが強くなりました。自分の学校の取組と比べてよいところは取り入れていきたいと思いました。特に、「ほめ言葉のシャワー」というのが印象に残っています。人のいいところを見つけて伝えられるようにしたいです。

○ 私は、学校の人権宣言を作っている取組が心に残りました。「人が傷つくことを言わない」「だれにでもあいさつ」「だれとでも遊ぶ」「いじめは許さない」「やさしい学校をつくる」という内容でした。わたしの学校にも取り入れていきたいです。

○ 他校の取組を聞いてぜひやりたいと思ったのは、友達の良いところをボックスに入れるという活動です。私は、学校の代表として来たので、みんなに「いじめはいけない」「みんなが笑顔でいるように心がけよう」と伝えていこうと思いました。

 2 終わりに
  平成25年度には中学校を対象に、今年度は小学校を対象に、2年間にわたって市町に示すモデル事業として「いじめSTOP愛顔の子ども会議」を実施することができました。平成27年度からは、県内全域の各市町において、児童生徒自らいじめ防止に取り組み、学校・地域が総がかりでいじめに対峙する機運が高まることを期待しています。
 また、今年度から、文部科学省が主催する「全国いじめ問題子供サミット」も始まったことから、県からも代表児童生徒を派遣するなど、今後、さらに、県全域のいじめ防止の気運が高まるよう企画・実践して参りたいと考えています。

 最後になりましたが、この会議に、御協力いただきました全ての皆様に感謝申し上げます。 

 
 
高等学校土曜授業推進事業
 
 この事業は、文部科学省の委託を受けて、県教育委員会(高校教育課)が実施するもので、土曜日ならではの質の高い授業を開発するとともに、土曜授業の効果や実施上の課題を明らかにし、今後、土曜授業の実施を検討する学校に対して有益な情報を提供できるよう、県立高校等2校を指定し、今年度から実施しています。

平成26年度土曜授業実践校  内子高等学校、宇和島南中等教育学校
年間スケジュール  

内子高等学校

宇和島南中等教育学校

6月

土曜授業①

教科学習(2時間)、

総合的な学習の時間(2時間)

1年:郷土の伝統文化体験

2年:異文化交流・地域交流

3年:地域交流・地域調査

土曜授業①

水産研究センター見学 →3月に延期

7月

土曜授業②

教科学習(2時間)

総合的な学習の時間(2時間) 

1年:郷土史研究

2年:地域研究(芝浦工大教授講話)

3年:企業見学・地域交流・地域調査

土曜授業②

総合的な学習の時間(4時間)

4・5年:市水産課長講演会

6年:論文書き方講座

 

8月

 

土曜授業③ 

学校行事(時間)体育祭準備

9月

土曜授業③

学校行事(6時間)体育祭

土曜授業④

教科学習(2時間)

総合的な学習の時間(2時間)

1年:卒業生との進路座談会

2年:異文化研究(ドイツ歌曲合唱)

3年:地域交流・地域調査

土曜授業④

教科学習(4時間)

 4・5年理系:九州大学教授模擬授業

 4~6年医療希望:看護師出前授業

土曜授業⑤

教科学習(4時間)

 4・5年:水産研究センター長講話

10

土曜授業⑤

学校行事(6時間)文化祭

土曜授業⑥

教科学習(4時間)

 3・4年:スポーツ栄養士講話

11

土曜授業⑥

教科学習(2時間)

1・2年:言語活動「ことばの力」授業

学校行事(2時間)防火・防災学習

 

12

土曜授業⑦

 総合的な学習の時間(1~3年)

企業経営者によるキャリア教育講話(2時間)

学習成果発表会(2時間)

土曜授業⑦

 総合的な学習の時間(4時間)

 4~6年:長崎大学出張講義

主な活動場面紹介  
内子高等学校  
土曜授業① (6月21日)

 総合的な学習の時間に、1年生が「郷土の伝統文化体験」、2年生が「異文化交流・地域交流」、3年生が「地域交流・地域調査」を実施しました。

1年生は、内子町の町並保存センター職員の案内で現地におもむき、町並保存の現状から考察を行ったほか、内子町まちづくり商店街協同組合の指導者から笹飾りの作り方を学びました。

2年生は、内子町国際交流協会所属のドイツ人講師による講義を聴き、ドイツの歴史・文化・生活様式などについての理解を深めました。

3年生は、似顔絵クッキーづくりを通して、保育園児と交流を行いました。

 

土曜授業② (7月5日)

 総合的な学習の時間に、1年生が内子町誌の編さん者から「高橋竜太郎の歩いた道」と題した講話を聴き、地元の偉人についての理解を深めました。

 2年生は、芝浦工業大学の教授から「内子町の活性化」についての講義を受けました。

 3年生は、グループに分かれ、地域企業の丸三産業㈱やフジグラン大洲の見学をしたり、酒六酒造の経営者から地場産品をいかした商品開発について助言をいただいたりしました。また、3年生の進学類型の生徒が、県外大手予備校の講師による国語と英語の授業を受けました。

 
土曜授業③ (9月6日)  ④ (9月20日)

 9月6日の体育祭では、競技種目を通して保育園児と楽しく交流することにより、思いやりの心を育みました。

9月20日の総合的な学習の時間には、2年生がくらしき作陽大学教授から指導を受け、ベートーベンの交響曲第九番を合唱しました。ドイツ歌曲を歌うことにより、文化や思想などの違いを知るとともに歌うことや表現することの楽しさを学びました。

 
宇和島南中等教育学校

土曜授業④ (9月13日)

4・5年生の理系希望者が九州大学理学部教授による模擬授業を受けました。また、4~6年生の看護・医療系希望者が、看護師出前授業を受講しました。

看護師出前授業では、宇和島市立病院の副看護部長から、看護師になるための心構えや必要な勉強法、病院での看護師の皆さんの仕事内容や職場での様子を、スライドを交えながら分かりやすく説明していただき、医療系への進学希望者、特に看護師を目指す約50名の生徒が、近い将来の自分の姿をイメージすることができました。

 

土曜授業⑤ (9月27日)

 4・5年生全員対象に、愛媛県農林水産研究所水産研究センター長による「宇和島は世界とつながっている ~水産物の輸出を中心に~」と題した講演を実施しました。

講演では、宇和島から海外に水産物の輸出が行われている現状と今後の見通しについて、スライドを用いて分かりやすく説明していただきました。

講演の最後に発せられた、「海と山と空のはざまにあるこの地、しかし、海と空は世界とつながっている。積極的に海外に出て、自分の目で確かめよう。」というメッセージが心に響いたとの感想が数多く見られました。

 

土曜授業⑥ (1018日)

3・4年生対象に、公認スポーツ栄養士を招き、「食の力が広げる可能性~人生を変える食事術~」と題した講演会を実施しました。

様々な現場で働く栄養士の仕事について、はじめて知ることも多く、クイズも交えながら、人間の体のことや食事の基本について、分かりやすく説明していただきました。また、栄養マネジメントの観点で紹介していただいた松山大学女子駅伝部の話からは、勝つためには食事と生活が大切であることを学ぶことができました。