学校紹介
「夢をもち、心豊かにたくましく育て、むれなっ子」

伊方町立伊方小学校 教諭 坂本美恵子


1 はじめに
 本校は、四国最西端の佐田岬半島にあり、校区は瀬戸内海と宇和海に面しており、豊かな自然や文化に恵まれています。地域や保護者の方々は、温かく、学校にとても協力的です。
 児童は、明るく活発で生き生きとしています。全教職員が、教育目標「夢をもって、心豊かにたくましく生きるむれなっ子を育てる」のもと、一人一人を尊重し交流を大切にしながら、児童の夢を育み、思いやりや共生の心を育てようと日々の教育活動に取り組んでいます。では、今年度の取組のいくつかを紹介します。  
2 本校の教育活動
(1)創立140周年
 今年度は、学校創立140年目の記念の年にあたります。明治7年、法通寺の境内に群魚(むれな)小学校という名前で設立されました。校歌にも「遠く群魚のむかしから~」と歌われており、伝統と歴史の重みを感じます。その伝統に恥じないように、すばらしい年にしていこうとの校長先生の話で新年度が始まりました。校歌の3番に「世界の友と手をつなぎ~」とあります。校歌が作られたのは昭和39年ですが、その当時から世界に目を向けて作られていることに驚きます。140周年の今年は、改めて校歌の歌詞の意味も理解し、味わいながら歌ってほしいと思います。
 
 
 9月の運動会には、「140周年おめでとう」の横断幕が掲げられました。毎年恒例の5・6年生全員によるトランペット鼓隊のパレードでも、校歌が披露されました。今年はみきゃんも応援にかけつけてくれ、愛媛国体の歌「えがおは君のためにある」のダンスを一緒に踊りました。
 11月の参観日には、運動場にPTAと子どもたちが一緒に人文字を作り、航空写真撮影をしました。「いかた」の文字の下には、魚が群れているアートを作り、「群魚」を表現しました。 
 
   
 運動会の様子  航空写真撮影
 
 1月の学芸会では、6年生が「伊方小学校140年の歩み」という調査発表を行いました。校舎の移り変わりや歴史など、自分たちが調べたことを懐かしい写真とともに、分かりやすく発表しました。
   2月の参観日には、140周年記念の餅つきや各学年ごとに伊方小学校について調べたことの発表などを行います。  
 
(2)思いやりと共生の心を育てる取組
 児童にもっと思いやりや共生の心が育つよう、取り組んでいます。人権広場では、「思いやり言葉スキルアップ集会」や「にこにこ言葉・ちくちく言葉集会」などを行い、気持ちのよい伝え合いができるように取り組みました。集会後には、全校児童が書いた感想カードを学級や玄関に掲示し、学びの共有化を図っています。  
 各学級では、「今日の花丸さん」「思いやりの木」などを通して、一人一人のよいところを認め合う取組を行っています。人権参観日には、親子で「にこにこさんリレー」を行いました。相手への感謝の気持ちや頑張っていることを言葉にして伝えていくリレーです。日常の中で、この取組を生かしていくことが大切だと思います。道徳や社会科などの研究授業では、人権教育上の視点を明確にし、その後の研究協議が深まるようにしてきました。毎年12月には、トランペット鼓隊が人権パレードを行い、地域の皆さんへの人権啓発活動を行っています。  
 
(3)地域から学ぶ取組
 地域に出向いたり、地域の方に教えていただいたりする学習も多く実践しています。今年度の活動例として、伊方実践農業学校を創立された佐々木長治さんや、県内北限自生地としてクロキヅタを伊方の海で発見された野村義弘さんについて調べ、その家族の方や郷土館の学芸員の方に話を聞かせていただきました。また、地域の妙楽寺や八幡神社めぐりをして、調べ学習をしました。読み聞かせボランティアの方に月2回程度来ていただいたり、老人クラブや日赤奉仕団の方と一緒に年4回の緑化運動もしています。地域の方との交流を通して、いろいろなことを地域から学んでいます。  
(4)PTA活動
 数あるPTA活動の中で、会員が一番熱くなる活動を紹介します。それは、6月の参観日に行われる「PTA綱引き大会」です。学年PTAごとにチームとなり、トロフィーを目指しての学年PTA対抗綱引き(予選・決勝)を行います。また、児童も一緒になって、親子対抗、学団別男女児童対抗などを行い、応援も盛り上がります。子ども相手でも、つい本気になり、勝ってしまうPTAチームもありました。このようにパワー溢れる保護者の皆さんと連携しながら、日頃の教育活動を進めています。
 
  
3 おわりに
 ノーベル賞を受賞された中村修二さん(伊方町出身)は、「ふるさとの海や山が大好きで、その自然の中で育ったことが、その後の研究に生きている」と言われています。その偉大な先輩のように、ふるさとを愛し、夢にむかって世界に羽ばたくむれなっ子が育つよう、地域や家庭との連携を図りながら、141年目となる新たな一歩を踏み出していきたいと思います。