新規事業


えひめ家庭教育応援学習プログラム
生涯学習課

美術館・博物館・小中学校協働による人材育成事業
文化財保護課

~えひめから世界へ!~えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業
保健体育課

ESD環境教育プロジェクト事業
高校教育課

いじめSTOP愛顔の子どもフォーラム
人権教育課


えひめ家庭教育応援学習プログラム

              現代社会の家庭を取り巻く課題

◆少子高齢化が急速に進み、個人主義や価値観の多様化などによって、人と人とのつながりが弱まり、地域の生活や教育の基盤であった地域コミュニティが衰退し、地域の教育力が低下

◆核家族化、ひとり親家庭や共働き家庭の増加、子どもの貧困問題、いじめや不登校の問題等、家庭の形態や家庭を取り巻く環境が大きく変化し、問題が複雑・多様化

◆子育て・家庭教育において孤立しがちな親が悩みや不安を誰にも相談できないこと から、さらに問題が深刻化

↓
 
課題解決のために求められること

☆ 子育てや家庭教育について親が主体的に学ぶ機会の提供

☆ 親が他の親や地域の人とつながるきっかけづくり

☆ 地域の様々な年代や立場の人たちが、つながり合って、地域の親や子どもを応援しようという意識を高めること

 ↓
 そこでえひめ家庭教育応援学習プログラムを作成
 
1 学習プログラムの目的       「学び合い」と「つながり合い」の場づくり
① 子育て中の親やこれから親になる人が、家庭教育や子育てについて、ともに学び合い、新たな知識や手法(気づき)を得ることによって、その後の教育プログラム家庭教育や子育てに主体的に取り組もうとする意欲を高めたり、具体的な実践に生かしたりすることを応援する。

② 親同士や地域の人と人とのつながりづくりを推進し、地域ぐるみで親や子どもの育ちを支援する体制づくりを応援する。
 
2 学習プログラムの内容       自ら考え、共に学び、新たな気付きを実践へ
(1)学習プログラムの特色
ア 学習者主体の学びの過程を重視した「参加・協働型学習」 
イ 幅広い年代を対象に学習プログラムを構成
ウ エピソードをきっかけに学習活動をスタート(問題の共有化)
エ 「えひめ家庭教育応援ファシリテーター」(学習の進行役)がサポート
オ 学び合い、つながり合い、そして、支え合いへ
【えひめ家庭教育応援学習プログラムイメージ図】
 
(2) 学習プログラムの構成
  対象となる学習者にあわせて、全体を大きく5つの時期に分け、それぞれの時期に応じた子育てや家庭教育の課題を設定し、次の26の学習プログラムで構成しています。
 えひめ家庭教育応援学習プログラム一覧
1準備期  中・高校生、まもなく親になる人を対象にしたプログラム
No.   学習プログラム名 ねらい 
親の心、子知らず
(中・高校生)
親に対する言動を振り返り、親の責任の重さ、思いに気付く。
2 家庭の仕事は誰がするの?
(中・高校生以上)
家族としての自分の役割と生活の在り方について考える。
仕事と生活のバランスは
取れていますか?
(就業者)
働き方や生活の仕方を見直し、仕事と生活の両立を考える。
もうすぐ、お母さん
(中・高校生以上)
妊婦体験を通して、自分にできることを考える。
「子どもをもつ」って
(高校生以上)
家庭を築き、子どもを産み、育てることについて考える。
親になったけれど…
(既婚者)
「親になる」ことの意味や役割を考える。
2 乳幼児期  乳幼児をもつ保護者を対象としたプログラム
赤ちゃんとの楽しいくらし  赤ちゃんとの生活や関わり方について考える。
夫をイクメン・カジメンに
変身させよう!! 
夫が子育てや家庭教育等に積極的に関わるようになるポイントを考える。 
イクメン・カジメンに変身
しよう!! 
父親として子育てや家庭教育等への関わり方について考える。 
10  いやいや・だめだめ  子どもの困った行動や変化への関わり方について考える。 
11  トラブル発生!!  親としての子どものトラブルへの関わり方について考える。 
12  いっしょにチャレンジ  子どもの豊かな体験や遊びの大切さについて考える。 
13  子どものよさを伸ばそう  子どものよいところを見つけ、伸ばす親の関わり方を考える。 
14  もうすぐ小学生  小学校生活及び入学に関わる不安や悩みを解消する。 
3 学童期  学童期の子どもをもつ保護者を対象としたプログラム
15 早寝・早起き・朝ごはん  基本的生活習慣の定着について工夫・改善点等を考える。 
16  我が家のルール  子どもとの約束やルールの決め方について考える。 
17  子どものサイン  悩みやストレス等の子どものサインに気付き、対応を考える。 
18  さあ、勉強しなさい!  子どもの学習習慣のしつけ方について考える。 
19  突然、学校へ行きたくない!  子どもを巡る様々なトラブルへの対処法を考える。 
4 思春期  思春期の子どもをもつ保護者を対象としたプログラム  
20 心と体の変化  思春期の心身の変化を理解し、子どもとの関わり方を考える。 
21 「スマホ」、我が家はどうする?  スマホ等の問題点を理解し、親が何をすべきかを考える。 
22  好きな人ができたみたい  子どもの男女の付き合いについて、親の関わり方を考える。 
5 支援期  祖父母をはじめ、子育てを支援する幅広い年代の方を対象としたプログラム 
23 孫育て 祖父母の本音 祖父母の支援の重要性や親と協力した孫育てについて考える。 
24  今どきの子育て  子育ての中の親に対してできる応援について考える。 
25  子どもは地域の宝  子どものために地域の大人ができることを考える。 
26  子育て応援団  子育て中の親を応援する地域の支援体制づくりについて考える。 
 
(3) 基本的な学習の流れ
 学習の基本的な流れは、次のように計画されており、えひめ家庭教育応援ファシリテーターが進行します。

 学習の流れ 時間 主な学習形態  学習活動の内容 
アイスブレイク  5~
10分 
全体
グループ 
・学習者同士の緊張をほぐし、雰囲気づくりをする。
・4~6人の学習活動のグループをつくる。
導入  5~
10分 
全体  ・学習のルールや学習のねらいを確認して、学習への方向付けをする。
・エピソードの内容を全体で確認し、問題点を共通理解する。 
展開  30~60分  個人

グループ

全体 
・ワーク(学習活動)で自分の考えをもち、グループや全体で作業をしたり、意見交換したりする。
・自分の家庭教育や子育てに関わる問題について解決方法を考え、グループや全体で交流する。 
ふりかえり  5~
15分 
グループ
全体 
・学習活動の感想や新たな気付き、これから実践しようと思うことをグループや全体で共有し、実践に向けての意識や意欲を高める。 
※学習の流れにそって、ファシリテーターが学習活動を進行
 
 【えひめ家庭教育応援学習プログラム】冊子
 
Ⅰ えひめ家庭教育応援学習プログラムの概要
 1 学習プログラムの目的
 2 学習プログラムの内容
 3 学習の基本的なルール
 4 ファシリテーターの役割
 5 学習プログラム実施に向けての準備
Ⅱ 各学習プログラム資料(全26プログラム)            
 各プログラムにつき次の3つの資料がセット
 ◇ワークシート(学習活動用)
 ◇参考資料(学習活動用)
 ◇進行用資料(ファシリテーター用)
Ⅲアイスブレイク用資料
Ⅳ子育て・家庭教育支援の関係機関
 
 
(4)学習プログラム資料
ア ワークシート
ワークシートは、学習活動の流れに沿って作成しています。学習者が自分の考えを 記述したり、グループ活動での話合いに活用したりしながら、学習に取り組むことが できるようにしています。
イ 参考資料
学習活動の中で、学習者に提示する資料です。学習者が客観的に考えたり、子育て や家庭教育に関する視野を広げたりすることをねらいとして使用します。
ウ 進行用資料
ファシリテーター(進行役)が、学習プログラムについて学習活動を進行する際に、 参考となる学習活動の展開例や留意点等を掲載しています。
【ワークシートの例】
 
【参考資料の例】 【進行用資料の例】 
   
 
3 えひめ家庭教育応援学習プログラムの活用に向けた普及啓発
(1)学習プログラム冊子の配布
 各市町教育委員会や学校、社会教育関係団体、教育支援活動拠点、企業等に配布するとともに、ホームページに公開することで、学習プログラムの利活用の促進を図ります。
 
(2) 家庭教育支援研修会の開催  
 家庭教育支援に関わる多くの方に「えひめ家庭教育応援学習プログラム」について 普及啓発するとともに、各地域の家庭教育支援に係る取組の活性化及び関係者の資質 向上を図ることを目的に開催しました。
ア 日時  平成28年2月23日(火)10:20~16:20
イ 場所  エスポワール愛媛文教会館
ウ 参加者 109名
エ 内容  
①講演 「地域ぐるみの家庭教育支援~みんなで育てよう!えひめの子ども~」
  講師 九州女子大学人間科学部人間発達学科教授  大島 まな 氏
② 「えひめ家庭教育応援学習プログラム」及び「えひめ家庭教育応援ファシリテーター」について ③ 「えひめ家庭教育応援学習プログラム」を使った学習活動を体験
 ・ 学習プログラム名「子どもは地域の宝」
 
 【えひめ家庭教育応援学習プログラムを使った学習活動の様子】
   
   
オ 参加者の感想
・ 家庭教育支援の悩みにグループの方から助言をもらうことができた。自分の心に芽生えた発想を実践したい。
・ 学習プログラムの手法によって、グループで課題を共有し、多様な意見を聞くことができた。課題を解決するための次のステップを見付けることができた。
・ 家庭教育に関わる人たちと同じテーマで話す機会がなかったので、いろいろな人と話し、たくさんの意見を聞くことができた。自分で考え、意見を出すことで、楽しく学び、身に付くことがたくさんあった。
・ 家庭や地域の教育力が低下していると言われている中、今回の研修は、とても参 考になった。学習プログラムを活用した学習会を我が市でも開催し、各地域に広めたい。
4 今後の取組
 「えひめ家庭教育応援学習プログラム」の活用に向けた普及啓発には、「えひめ家庭教 育応援ファシリテーター」の養成が必要であることから、平成 28年度は、養成講座の開催に取り組み、学習プログラムと人材の活用によって、親等への学習機会の提供に努めることとしています。
 
美術館・博物館・小中学校協働による人材育成事業

愛媛県美術館では、平成 27年度から文化庁の「地域の核となる美術館・博物館支援事業」からの支援を受け、「愛媛県 美術館・博物館・小中学校共働による人材育成事業」を立ち上げました。
 
 この事業では、美術作品をもとにした対話型鑑賞を推進し、学校現場における具体的な学習方法について研究しています。 この学習方法は美術作品、図や表、グラフ、実験や観察の結果などを見ながら児童生徒が自由に意見を述 べ合い、考察を深めることを促すものです。 図工・美術はもとより、理科、社会、算数・数学等の教科学習や、道徳や特別活動における話合い活動の充実への貢献も期待されています。

1 対話型鑑賞とは
 「対話型鑑賞」は、美術作品を見ながらファシリテーターが鑑賞者に対して 「気づいたこと、感じたこと、疑問などなんでも話し合ってみましょう」 「どこからそう思いますか?」「ほかに何かありますか?」の基本的なフレーズをもとに、 ファシリテーターと鑑賞者が対話を重ねていくことによって、作品への理解を深めていく手法です。 さらに、単に作品や作家に関する理解を深めるだけでなく、 対話というコミュニケーションを通じて自己理解や他者理解も深めていくことができるものです。
  鑑賞の基本的な活動として、以下の4つの作業を繰り返しながら鑑賞していきます。
 「みる」:なんとなくみるのではなく、意識をもって隅々までみること
 「考える」:直感を大切にしながらも、作品のどこからそう感じるのか、その根拠を具体的に考えること
 「話す」:考えたことを的確な言葉にして、他の人たちに伝えること
 「聴く」:他の人の意見に、意識をもって耳を傾けること  
2 活動の概要
 今年度は県内外の大学教授、小中学校教員、美術館・博物館職員等による実行委員会を組織し、以下のように会合を開いたり、公開セミナーを開催したりしました。
(1)第一回実行委員会(平成27年6月28日(日))
<主な協議内容>
① 自己紹介
② 文化庁事業の概要の共通理解
③ 対話型鑑賞の教育的効果の確認
④ 今年度と来年度の活動の方向性の確認
 ア トレーニングプログラム開催日程、研修対象者について
 イ 日程について
 
      〈話し合いの様子〉  
(2)第二回実行委員会(平成 27年7月20日(日))
<主な協議内容>

① 事業の概要の共通理解
② 今年度の活動の方向性の確認
③ 学校への浸透方法の検討
④ 対話型鑑賞の内容の理解、体験
 
〈事業の方向性について審議〉 〈対話型鑑賞の体験〉 
(3)第三回実行委員会(平成27年8月29日(日))
<主な協議内容>
① 対話型鑑賞の内容の理解と体験
② 学校への浸透を図る際の課題と解決策の協議・共有
〈対話型鑑賞の体験〉
〈学校への浸透を図る際の課題と解決策の協議・共有〉
(4) 第四回実行委員会(平成27年9月30日(日))
<主な協議内容>
講師:京都造形芸術大学 伊達隆洋准教授
① 対話型鑑賞への理解の深化
② 対話型鑑賞の実践方法の検討
〈対話型鑑賞への理解の深化〉
〈実践方法の検討〉
(5) 第五回実行委員会(平成27年10月18日(日))

<主な協議内容>
① 島根県教職員団体「みるみるの会」の実践報告と質疑応答
② 実践上の課題の洗い出しと解決策の協議

〈実践報告と質疑応答〉 〈課題の洗い出しと解決策の協議〉
(6)第六回実行委員会(平成27年11月15日(日))

<主な協議内容>
① 観察をもとにした課題解決の実践と検証
講師:京都大学総合博物館 大野照文教授
ワークショップ「ハマグリの貝柱の痕」(他教科・他分野への可能性)
② 教員対象ナビゲータープログラム案の検討

〈ワークショップ「ハマグリの貝柱の痕」〉
 
(7) 第七回実行委員会(平成27年12月20日(日) 13:30~17:00)
<主な協議内容>
① 対話型鑑賞の実践
② 公開セミナーについての打合せ
③ 今年度の振り返りと来年度に向けて
   
 〈実行委員による対話型鑑賞の実践〉
 
 〈活動の振り返りと来年度の方針についての協議〉
 
(8)公開セミナー「『ともにみる ともに学ぶ』~アクティブラーニングのススメ~」
○ 日時 平成28年1月23日(日)10:00~16:00
○ 場所 愛媛県美術館 講堂
○ 参加者数 100名
○ 内容  
 ① 基調講演 「みる・考える・話す・聴く」    
    京都造形芸術大学教授 福 のり子  
 ② 実践発表 小学校での試み     
    「やってみませんか?“対話型鑑賞”」     
    伊予市立郡中小学校教諭 吉﨑 文子  
 ③ 実践発表 中学校での試み    
    「みる・考える・話す・聴く ~中学校の現場から~」    
    島根県出雲市立大社中学校主幹教諭 春日 美由紀  
 ④ 教育心理学の立場から    
    「学び発達するとは -他者視点の立場から」    
    白百合女子大学教授 鈴木 忠
   
〈チラシ〉 
 
 このセミナーには、県内外から小中学校、高等学校の教員や美術館・博物館関係者など約100 名の参加者を得て大変好評を得ました。
 各講師からは対話型鑑賞の理念的背景や具体的な実践が報告され、 対話型鑑賞の実践が学校での学習全般に大変有意義であったことが確認されました。
 参加者からは講師の先生方に対し、「対話型鑑賞をすることによって他の授業でのいい影響があったか」 「対話型鑑賞のナビゲーターとしてのスキルをあげていくためにはどうすればよいか」などの意欲的な質問がありました。 また、「大変有意義な一日になりました。 対話型鑑賞を行って自分の意見が言えるようになったという生徒の感想を伺い、このような実践を通して、 自分の思いを伝えられ学び合える子どもを育てることができると思いました。」 「小さな美術館に勤める者として、地元の子どもたちとの関わりをどのように持つかが課題でしたが、 今回のセミナーでは本当に興味深く楽しませてもらうことができ、実践してみたいと思いました。」 などの感想が得られました。
   
 〈基調提案〉  〈学校での実践発表〉
 
 〈質疑応答〉
                               
 
~えひめから世界へ!~
えひめ愛顔のジュニアアスリート発掘事業
 
1 目的
 将来、オリンピックをはじめとする国際大会で活躍する日本代表選手を本県から輩出するとともに、本県スポーツ界の次代を担う指導者となり得る人材を養成するため、科学的な手法を用いてスポーツの潜在的な才能を有する子どもを発掘し、高校進学以降に適性のある競技種目でトップアスリートを目指せるよう、その才能を育成、強化していく事業を今年度からスタートしました。
 
 
えひめから世界へはばたくアスリートを発掘・育成する
未来に向かって挑戦する夢のある事業です。
 
2 事業の概要
【見つける(発掘)】
 県内の小学4年生~中学2年生を対象に募集を行い、今年度は県下全域から合計 3,262名の応募がありました。応募者に対して次の流れで選考し、「愛顔のジュニアアスリート」を認定しました。
 ファーストトライアル

応募者全員を対象として、小・中学校で実施している新体力テストの結果等により、今年度は各学年約100人、合計499 名を選考し、「愛顔のジュニアスポーツアカデミー生」に認定しました。
 また、応募した児童生徒全員に対して、新体力テストの個人別評価表を提供しました。
 なお、28年度以降も、小学4年生は約100人、小学5年生~中学2年生は若         干数を選考する予定です。

 【愛顔のジュニアスポーツアカデミー生認定式】
   
 
 セカンドトライアル

認定された愛顔のジュニアスポーツアカデミー生を対象として、本県独自のテストにより、今年度は各学年20~30名、 合計110名を選考しました。
  28年度以降は、小学4年生は20~30人、他学年は若干数を選考する予定です。

 【バックボールテスト】  【全身反応】
   
 【パイプバランス】  【マルチステップ】
   
 
 最終確認
 セカンドトライアルの通過者に対して、スポーツドクターによる健康チェック、意思確認と測定会を実施しました。また、保護者を対象に公認スポーツ栄養士による栄養相談も行いました。
 【健康チェック】  【意思確認】
   
 【測定会】  【栄養相談】
   
 
認定式
 ファーストトライアルから始まった選考を経て、合計110名を1期生として「愛顔のジュニアアスリート」に認定しました。また、バルセロナオリンピック シンクロナイズドスイミング銅メダリストの奥野史子氏をお迎えして、記念講演も行いました。
 【認定証授与】 【実行委員会会長あいさつ】 
   
【愛顔のジュニアアスリート代表者あいさつ】  【記念講演】 
   
 
 将来、トップアスリートとなる可能性のある児童生徒を「見つける(発掘)」ために、 テレビ番組やラジオ放送、広報紙を利用した広報活動や、 学校関係者、競技団体関係者を対象とした事業説明会を実施するなど、 事業の周知活動を幅広く行っています。
 なお、専用のホームページ(http://www.ehime-jr.jp/) も開設していますので、事業の最新情報、詳しい内容や選考会の様子等を、ぜひ御覧ください。
 
【育て、伸ばす(育成)】 
 認定した愛顔のジュニアアスリートや愛顔のジュニアスポーツアカデミー生を、28年度から次のようなプログラムにより、中学校卒業まで継続して育成していく予定です。
 
 ≪愛顔のジュニアアスリート対象のプログラム≫(月2~3回程度実施)
 
身体能力開発プログラム ○ コオーディネーショントレーニング(身体をコントロールする神経系の発達を促し、その機能を高めるためのトレーニング) トップアスリートに必要な運動能力を身に付けるために、発達段階に応じた神経系トレーニングを受けます。
○ クロストレーニング(小学5・6年生、中学1年生) 各競技団体の協力の下、様々な競技を横断的に体験します。
知的能力開発プログラム  ○ トップ選手に必要な知識や態度を身に付けるために、メンタルトレーニング、コミュニケーション能力、栄養・医科学などの講義を受講します。
保護者サポートプログラム  ○ より効果的・効率的にトップ選手を育成するために、保護者が栄養・医科学などの知識の学習や、日常の生活やスポーツ活動において子どもたちをサポートする環境づくりの学習をします。
専門プログラム
(中学2・3年生を対象) 
○ 各競技団体の協力を得て、競技特有の専門的な動きに対し、自らの身体をコントロールする能力を向上させるとともに、初歩的な技術を習得します。
特別プログラム  ○ 専門的な施設でしか行えない競技や、特定の時季しか実施できない競技等を、集中的に1日体験します。
測定会  ○ トレーニングの成果を年2回以上測定し、成長過程を確認するとともに、今後の方向性を確認します。
 
 ≪愛顔のジュニアスポーツアカデミー生(各学年約80名)対象≫
リーダー養成プログラム  ○ 知的能力開発プログラム、保護者サポートプログラムを共同受講します。
○ 身体能力開発プログラムの一部を年4回程度受講します。
○ 参加可能な特別プログラムを受講します。
測定会  ○ トレーニングの成果を年2回以上測定し、成長過程を確認するとともに、今後の方向性を確認します。
○ 測定記録によっては、「愛顔のジュニアアスリート」に認定します。
 
【決める(パスウェイ)】
 28年度から、小学6年生と中学2・3年生の愛顔のジュニアアスリートを対象に、 適性のある競技種目を見つけるためのオーディションを実施する予定です。 中学3年生の愛顔のジュニアスポーツアカデミー生も希望により、オーディションに参加できます。
※オーディション・・・各競技団体が適性を見極めるために必要な能力を測定し、競技 独特の動き(運動)を実際に観察して適性を評価するものです。
 
オーディションで得られる各競技団体専門家の目利き(見立て)の評価 測定会で得られた科学的データ 専門プログラムでの評価
 これらを総合的に判断して
 

小学6年生に対しては、「中学校入学後に入部する運動部を選択するため」
中学2・3年生に対しては、「高校入学後の競技を選択するため」
一人ひとりに対して、適性のある競技の情報提供を行います。

 
3 今年度の選考を終えて 
 今年度は、本事業を周知することと「見つける(発掘)」ため の選考を行うことが事業の中心でした。応募総数3,262名は事務局の予想をはるかに超える人数であり、体力を 向上させたり、可能性を広げたりしたいと考えている子どもたちが想像以上に多いことに驚きました。  
 また、セカンドトライアルに積極的に挑戦する子どもたちの姿を目の当たりにした保護者からは、本事業への期待や感 謝の声が寄せられ、責任の重さを実感しました。
 
4 未来へ向かって
  4月からは、いよいよ「見つけた(発掘)」子どもたちを対 象に「育て、伸ばす(育成)」と「決める(パスウェイ)」ためのプログラムを始めます。子どもたちや保護者のニーズに応 えられるプログラムの提供や、子どもたちの心に寄り添った支援が大切になります。「えひめから世界へ」を合言葉にして、近 い将来、本事業の目的を達成することができるよう取り組んでいきますので、今後も御支援・御協力をお願い します。
 
    
インクルーシブ教育システム構築事業

ESD環境教育プロジェクト事業

本事業は、高校生が、現代的、社会的な課題に対して地球的な視野で自らの問題として捉え 、身近なところから取り組むことのできる、持続可能な社会づくりの担い手として必要な 能力・態度を育成するための教育である、ESD( Education for Sustainable Development )環境教育を実践するための推進事業です。
 地域の環境に関する諸課題への取組を通して、生徒に自ら考え、判断し、他者と協力しながら解決に向け て行動する能力を身に付けさせ、持続可能な地域づくりを担う人材の育成を図ることを目的としています。
 実施にあたっては、「環境教育推進校」9校(東・中・南予各3校)が各地域のESDアドバイザー (大学・研究機関等)の指導・助言に基づいて活動を行います。 また、推進校は、研究成果中間報告会を東・中・南予の各地域で実施した上で、 随時、研究成果を自校のホームページに掲載、成果をとりまとめて冊子にしたり、 県内の高等学校等に配布したりするなどして、研究報告を行っています。

〈推進校〉
新居浜東高校  新居浜南高校     新居浜工業高校
東温高校     上浮穴高校      長浜高校
野村高校     宇和島水産高校   三間高校
新居浜東高校
(1)研究主題
Think Globally, Act Locally from 東校(ひがしこう)
-地域社会と日常社会に密着した、環境意識を高める試みについての実践-
(2)主題設定の理由
 生活意識やライフスタイルの在り方について高校生の目線で身近な事項を取り上げ、他者とつながり、 問題解決を繰り返すことが、多様な今日的課題の解決につながることを実感させる。
(3)実施内容
ア 家庭科の各科目や家庭クラブ活動における、年間を通して環境意識を醸成する取組の工   夫
イ ダンボールコンポストの紹介・普及活動による生ごみの削減
ウ かぼちゃとゴーヤを使用したスイーツの研究(カンボジア支援、保育所との交流)
エ 地域の諸団体(市役所・保育所・作業所等)との連携
(4)活動の様子
 
ダンボールコンポストについての
新居浜市役所ごみ減量課の指導
地域・国際研究部による
かぼちゃスイーツの販売 
(5)生徒の感想
○どんな活動も継続することが大切だと思う。一つ一つの取組は小さくても継続することで活動の輪を広げたい。
(6)今後の取組
○普通科高校としてできる、日常生活に密着した等身大の活動を今後も工夫していきたい。
新居浜南高校
(1)研究主題
 ESDあかがねプロジェクト
~別子銅山・環境問題と戦った先人たちの知恵に学び行動する~
(2)主題設定の理由
 別子銅山は世界に誇る環境対策を行い、新居浜を自然と産業が調和した四国屈指の工業都市へと発展させてきた。 環境問題をはじめとする、先人たちの様々な困難との闘いの足跡を学び、行動を起こすことによって、 持続発展可能な地域社会を担う人材の育成を図るとともに、地域の活性化にもつなげたい。
(3)実施内容
ア 中学高校連携事業「別子銅山を学ぼう!」
イ 産業観光「あかがねの道スタディーツアー」
ウ 図書館学習会「別子銅山を学ぼう!」
エ 産業社会と人間「別子銅山近代化産業遺産フィールドワークin旧広瀬邸訪問」
オ ライフスタディⅠ「別子銅山 近代化産業遺産フィールドワークin山根エリア」
カ 地域での活動報告会やパネル展
キ ESDパスポート(ボランティア記録手帳)説明会など
(4)活動の様子
 
中学校の出前授業 フィールドワーク 
 
スタディーツアーでのガイド  ESDパスポート説明会
(5)生徒の感想
○自分たちも、きれいな新居浜や別子を大切にして残していきたいと思った。
○先人が問題を克服するためにあきらめずに挑戦した姿勢はすばらしいと思った。
○「上下円融」の気持ちで、利益だけでなく、人のことを第一に考えていてすごいと思った。
(6)今後の取組
○オーラルヒストリー活動の充実
○小・中・高校の更なる連携
○産学官を巻き込んだ企画・運営による情報発信の多様化
新居浜工業高校
(1)研究主題
  微生物を利用した環境保全教育に関する研究
 
(2)主題設定の理由 
 これまでの微生物研究成果を基礎にして、環境保全教育を発展させる。 
 
(3)実施内容 
ア シイタケ廃菌床を活用した染料脱色教材の開発
生徒の研究成果をもとに、実際に協力会社で生徒が研修を受けながら教材開発を進めた。協力会社からの発売を予定している。
イ ペットボトルラベルを活用した栞作りの普及活動
本校の理科の授業や工業科のリサイクル実習で実施し、科学の祭典で普及活動を行った。
 
(4)活動の様子
   
 シイタケ製造会社での教材開発  科学の祭典での栞作り普及活動
 
(5)生徒の感想
○自分たちの研究結果が、環境教育教材として世の中で活用できるかもしれないということに、充実感を得られた。
○廃棄物を利用したものづくりに、多くの方が没頭する姿が嬉しかった。ものづくりの面白さを伝えられただけでなく 、リサイクルの楽しみも、感じ取ってもらえたのではないか。
 
(6)今後の課題
 環境化学科と理科が中心となり研究を進めていく中で、他の教科との関連も見いだすことができた。 今後は、より多くの教科、生徒たちと協力しながらプロジェクトを進めていきたいと考えている。
 
 東温高等学校
(1)研究主題
 学校内のくぬぎ林を活用した環境教育の実践 -くぬぎ活用術-
 
(2)主題設定の理由 
 身の回りの環境や環境問題に関心を持ち、環境の保全に配慮した望ましい働きかけのできる技能や思考力・判断力を身に付け、 環境の創造活動に自主的に参加し、地域や環境への責任ある行動がとれる態度を育成する。
 
(3)実施内容
 ア くぬぎの葉を材料に入れた「東温石けん」の製造協力及び販売 集めたくぬぎの葉を地域 の企業(遠赤青汁)へ持参し、「東温石けん」の製造に協力を依頼し、 各種イベント(産業ま  つり等)で販売した。
イ どんぐり拾いに来る幼稚園児等との交流 学校内のくぬぎ林のどんぐりを拾いに来る幼稚  園児(約1100人)や特別支援学校の生徒と、 拾ったどんぐりで写真立てやおもちゃなどを作 る交流を行った。
ウ 丹原高校の協力による腐葉土・椎茸の原木の作成
エ パンジーやビオラのプランターの最寄りの駅等への寄贈 本校生徒も利用している最寄り  の駅や幼稚園等に、 くぬぎの葉で作った腐葉土で育てたパンジーやビオラをプランターに植 え、寄贈した。
 
(4)活動の様子
     
 東温せっけん どんぐり拾い交流      プランターの寄贈
 
(5)生徒の感想
○これまで「ごみ」になっていた落ち葉や枝が腐葉土や椎茸の原木の材料となってよかった。
○「東温石けん」の販売活動を通して、コミュニケーション能力の向上につながった。
 
(6)今後の課題
  「東温石けん」の販売やどんぐり拾いでの幼稚園児等との交流は、持続可能な開発のための 教育(ESD)として、定着してきた。今後は、丹原高校との交流やプランターの寄贈など の地域への還元について、継続していきたい。
 
上浮穴高等学校
(1)研究主題
 持続可能な森林資源の活用と森林環境保全を目指して
 
(2)主題設定の理由 
 地域と連携した活動を通して、身近な森林を活用し、持続可能な森林の実現のために必要な知識と技術を身に付けさせる。
 
(3)実施内容
ア ケヤキのさし木苗生産に向けた取組
イ カホン(打楽器)を活用し、小学生を対象にした森林環境教育の実践
ウ 地元産木材(ヒノキ)を利用したコースター製作と交通茶屋での配布
 
(4)活動の様子
   
 ケヤキの挿し木苗生産  交通茶屋でのコースター配布
   
 小学校を対象とした環境教育の実施  地域イベントでの演奏
 
(5)生徒の感想
○私たちの活動を通して、小学生が森林について知り、 カホン作りを楽しむことができ、自分にとっても良い経験になった。
○コースターを作って配布することで、自分たちが学習したことが地域貢献に繋がっていることが実感できた。
 
(6)今後の課題 
○ケヤキ苗増殖技術の確立と地域への普及
○さらなる木材利用の推進と環境教育の実践
 
長浜高等学校
(1)研究主題 
  「長高水族館」を基盤とした環境教育活動の実践
 
(2)主題設定の理由 
 大洲市長浜町には昭和60年まで町のシンボルとして、 町立長浜水族館が存在し、その意志を引き継ぐように、 「長高水族館」を長浜高校の生徒が管理・運営している。 長高水族館は毎月第3土曜日に一般公開し、他にも小学校などの環境教育の場として提供している。 開館して16年間、長高水族館で生き物と触れ合う活動を行うことにより、 自然環境の保護や命の大切さを啓発することができた。 今回、「長高水族館」の活動を通して、環境についての研究をさらに深め、 地域と深く連携した体験型環境教育を充実させることで、本校生徒だけでなく、 より多くの人々の環境意識を高めたいと考え、このテーマを設定した。
 
(3)実施内容
○毎月第3土曜日の長高水族館一般公開における環境啓発活動
 長高水族館一般公開日には、多くのお客様に来ていただき、今年度は、1日に777名の新記録を達成した。 一般公開日以外にも保育園、幼稚園、小学校などに環境学習の場を提供している。
 
(4)活動の様子
   
 長高水族館一般公開日の様子
 
(5)生徒の感想 
○長高水族館の活動を通して命の大切さを学ぶことができた。
○水族館の一般公開で、多くの方々に自然環境について興味を持っていただいた。
 
(6)今後の課題
○地域と連携した活動をより深め、環境学習の場を更に広げていきたい。 
 
野村高校 
(1)研究主題
 地域環境改善プログラム~イノシシ捕獲及びAIぼかしを用いた農場保全対策~
 
(2)主題設定の理由
 県下でも有名な畜産の町である西予市野村町は、 イノシシによる自然破壊と耕作地被害、畜産業の廃棄物悪臭などの課題を抱えている。 そこで地域団体と協力し地域の環境改善に取り組むことにした。
 
(3)実施内容
ア イノシシの捕獲
 地域の方の協力のもと、イノシシ捕獲に取り組んだ。捕獲には失敗したが、イノシシが残した形跡を複数発見し生育状況を確認できた。
イ 畜舎の防臭対策
 えひめAI開発者の方のアドバイスをもとに、防臭対策に取り組み、アンモニア臭を2ppm程度まで低下させることができた。
 
(4)活動の様子
   
 箱罠設置  イノシシ生態調査分析
   
 臭い測定  えひめAI散布
 
(5)生徒の感想
○ 今年度の捕獲に失敗して残念だった。しかし、イノシシの成育状況や捕獲方法について知ることができて良かった。
○ 豚舎の臭いは、「愛ぼかし」を餌と一緒に与えるとある程度抑えることができた。えひめAIの作り方が分かり、 発表会で他校と交流でき、勉強になった。
 
宇和島水産高等学校
(1)研究主題
 ESDの観点による宇和海の環境保全活動 
 
(2)主題設定の理由 
 宇和海における環境保全活動とともに、小学生などを対象に環境啓発活動を実施し、「海」「環境」、「魚食」、そして「命の大切さ」について伝え、教えることにより学びを深めることを目的とする。また、地域と連携し、森・海・里を連関した環境保全を実践し、 高校生から次世代につなげていくことが ESDの観点であると考えている。
 
(3)実施内容
 以下の七つの取組を実践している。
①宇和海における海洋観測     ②森里海連環プロジェクト
③水高ブルーカーボンプロジェクト ④研究活動
⑤環境の啓発活動          ⑥生物調査による環境の評価
⑦海の奉仕活動
 森里海連環プロジェクトでは、NPO等と連携し、水域の環境保全について学校、家庭、地域等との連携を図り、森・里・海、そして人と人とのつながりの大切さを学び、水産業や環境保全分野に貢献できる力を養う活動を行った。
 
(4)活動の様子
   
 宇和海における海洋観測  高校生による環境学習プログラム
 
(5)生徒の感想
 様々な活動を通して、森・海・里はつながっていることが理解できた。人と人とのつながりとその想いを大切にしたい。 
 
(6)今後の課題 
  高校生や様々な年代に環境保全に対する意識を高揚させることができた。 活動を通して、環境に対する興味・関心を喚起させ、更には、豊かな自然は、 地域の財産であるということを再認識させることができた。 今後は、水産業や環境分野に寄与できる次世代の人材を育成するために、幅広い視野で継続的に実践していきたい。 そして、森・里・海・食、人と人とのつながりを大切にしながら、その想いと共に、ESDの観点から次世代に継承していきたい。
 
三間高校
(1)研究主題
 「環境保全活動・地域文化活動・農業生産活動」によるESD環境教育
 
(2)主題設定の理由 
  本校では、以前からもみがらを有効利用した環境にやさしいトマトのベンチ栽培や、 無農薬のトマト栽培等についての研究を行ってきた。 これらの研究に加え、放置竹林を有効活用し、絶滅危惧種とされているアサザを栽培することで、 地域に目を向け、地域に学ぶ生徒を育成することを目的として、主題を設定した。
 
(3)研究内容 
○環境保全活動「絶滅危惧種アサザ保護活動」
  「県レッドデータブック」で絶滅種とされているアサザを水槽で苗を増殖させ、河川に定植した。 また、この取組を基に愛媛県自然科学教室を実施した。
○地域文化活動「竹の有効利用の研究」
  近年問題となっている、放置竹林対策として、竹を有効活用した地域文化の発信に向けて研究に取り組んだ。 竹の活用をPRするための竹灯籠の制作、幼稚園夕涼み会、納涼大会、中山池自然公園イルミネーション、 龍光寺での初詣ライトアップでの活用などを行った。
○農業栽培活動「無農薬トマト栽培の研究」
 無農薬トマトの栽培において、マイエンザをかん水することで連作障害の防止、病気の予防に非常に効果があると考えられ、マイエンザの有効利用の研究を計画中である。
 
(4)生徒の様子
   
 アサザの河川への定植  竹灯籠の設置
 
 無農薬トマトへのマイエンザの散布
 
 竹灯籠の設置をすることで、多くの人に喜んでいただき、これからの活動への励みとなった。 また、無農薬のトマトの栽培にマイエンザを利用することで、安心な食品をみんなに食べていただくために、研究への意欲が高まった。
 
(5)今後の課題
  今年度実施してきた、三つの柱で取り組んだESD環境プログラムを地域活性化に貢献できるものとしてこれからも継続していきたい。
 
 
いじめSTOP愛顔(えがお)の子どもフォーラム

 12月19日に砥部町文化会館において「いじめSTOP愛顔(えがお)の子どもフォーラム」 を開催しました。 このフォーラムの目的は、愛媛県の児童生徒が主体的に行っている、いじめを防止する活動の充実を図るものです。 「かかわりあい つながりあい いじめSTOP」を合い言葉に、 県内の児童生徒の代表者、教職員・保護者等800人以上が集まり、 いじめをなくしていこうと取り組む県内最大の行事となりました。
 
子どもフォーラムの概要
【開会行事】
 開会行事では、本フォーラムの実行委員長、愛媛県立松山北高等学校2年、 上市輝(かみいちきらり)さんが「このフォーラムを契機として、愛媛県全体の小中高校生が力を合わせ、 いじめのない、誰もが気持ちよく過ごせる学校をつくることで 『愛顔(えがお)のえひめ』の実現を目指します」という力強い開会宣言を行いスタートしました。
 また、井上正教育長の挨拶で、ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章さんを例に挙げ、「思いを共有する先輩後輩の強い絆があったからこそ、偉業が成し遂げられた、高校生をリーダーとして学校を越えた絆を深め、いじめをなくす大きな力を生み出していってほしい」、さらに、「かけがえのない宝物である友達を、互いに守りあう強い絆で結ばれた学校づくり・地域づくりを進めてほしい」というメッセージをいただきました。
   
【分科会:ポスターセッション】
 今年度、県内20市町全てで児童生徒が主体となった子ども会議が開催されました。
フォーラムでは会場を20のブースに分け、それぞれの市町の代表者が子ども会議の取組や、 会議の成果を生かした学校での実践などを報告しました。
  司会進行は高校生が務め、自身の体験を交えながら小中学生から上手に意見を引き出していました。 参加者からは「小学生と中学生の関わりが大切である」「自分たちから行動していきたい」といった声が聞かれました。
 
【全体会:プレイバックシアター】
 全体会では、劇団プレイバッカーズによるプレイバックシアターが行われました。 参加者がいじめの経験について振り返りを行った後、希望者の中から3人の児童生徒がステージに上がり自身の経験を語りました。 その話を受けて、劇団が台本なしの即興劇を行いました。
   

○プレイバックシアターの感想
・ 自分には今まで止められないいじめがあって、今思えばあの時止めていたらと思った。 これからいじめを見つけたら、見て見ぬふりをせずすぐに止めたい。
・ ぼくは、いじめる方になったことが数回ある。 いじめられている人の気持ちを劇団の方が演じてくださって、なぜいじめをしてしまったんだろうという気持ちになった。
・ 即興劇を観ていると、私もその場にいたかのようだった。遊びのつもりでやっていても、 いつの間にか相手を傷付けていることがあることに気付いた。
・ 私も絶対に傍観者になりたくないと思った。見ているのはいじめを許すことだ。 いじめを見付けたときは、必ず止める勇気をもてるようになりたいと思った。

 
【閉会行事】
 閉会行事では、まず愛媛県立三島高等学校書道部による書道パフォーマンスが行われました。
 「勇気 思い通りにいかなくて 泣きたいときもある 何度だって迷って大丈夫 まっすぐ前に進んでる  自分を信じて一歩踏み出そう」と小中学生に熱いメッセージを送りました。
 続いて副委員長の愛媛県立松山南高等学校2年の木曽詩織(きそしおり)さんが閉会宣言を自身の体験を交えて行い、 最後に『今日のフォーラムに集まってくれたみんなの勇気を一つに束ね、その強い勇気を持ち帰り、私たち自身の力で、 互いに支え合う「いじめ」に負けない愛媛の学校をつくることを誓って閉会宣言といたします』と堂々と宣言し、 会場は参加者の愛顔(えがお)と拍手であふれました。
 
終わりに
 今回のフォーラムは、小中学生に加え高校生が司会進行など運営に関わる形で 行われました。小中学生はいじめ撲滅に向けて校種を越えた連携の大切さを感じ るとともに、いじめを乗り越えたり、勇気を出して立ちあがったりした高校生の 姿に感動し、憧れをもって見ている姿が印象的でした。
 参加した児童生徒にとって貴重な体験になったと思います。この取組の成果が 学校や市町のいじめ防止の取組につながることを期待します。