平成29年度 「えひめ教育の日」推進大会
県教育長祝辞


                                 日時:平成29年11月5日
                                 場所:エスポワール愛媛文教会館

 

 「えひめ教育の日」が制定10周年の節目を迎え、このように多数の皆様の御参集のもと、推進大会並びに推進フェスティバルが盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。

推進会議の皆様には、日頃より、「えひめ教育の日」の普及・定着はもとより、本県の教育の振興・発展に格別の御尽力を賜っており、この場をお借りして厚くお礼を申し上げますとともに、本大会を共催いただいております「一般社団法人 えひめ若年人材育成推進機構」の皆様、また開催地の松山市教育委員会並びに学校関係者の皆様にも深く感謝申し上げます。

さて、本県では、「知・徳・体」のバランスがとれ、たくましく生きる力を身に付けた児童生徒の育成に努めております。このうち、「知」については、確かな学力の定着・向上を図るため、学力向上推進主任を中心に、児童生徒の理解を深める授業改善などに継続的に取り組んできた結果、今年度の全国学力・学習状況調査では、全国上位の学力水準を維持することができました。併せて、今年度から、これまでに県教育委員会が作成してきた約1,500シートのプリントを、放課後こども教室等で自由に活用してもらえるよう、市町教育委員会を通じて無償配布するなど、学校・家庭・地域の更なる連携強化に努めているところです。

 「体」につきましては、去る9月30日から10月30日にかけて、64年ぶり、初の単独開催となる「愛顔つなぐえひめ国体・えひめ大会」が開催され、高校生を含む県関係選手の溌剌(はつらつ)とした、素晴らしい活躍は、皆様御承知のとおりでございます。子どもたちが国内トップレベルの優れた演技やプレーを間近に見ることができたことは、本県の競技スポーツの振興やジュニア世代の選手の育成に大きな効果があるものと存じます。

また、「徳」におきましても、大会期間中は、多数の児童生徒が、開会式や閉会式、各競技会場での応援や競技の補助などに参加したほか、のぼり旗の製作や花いっぱい運動の展開など、来県者・観覧者の歓迎にも幅広く協力してくれました。こうした経験が、児童生徒の一生の思い出となったことは申し上げるまでもありませんが、スポーツやボランティア活動を通じ、感動する気持ちや他者を思いやる気持ちを養うことにつながり、豊かな人間性を育む上でも貴重な糧になると確信しております。

 現在、子どもたちを取り巻く環境は、人口減少社会の到来、情報化やグローバル化の急速な進展など目まぐるしく変化していますが、「知・徳・体」のバランスの取れた教育を推進し、主体的に考え、行動することのできる力を養うという本県の基本的な教育理念は、一朝一夕に変わることはないと考えております。また、その目標に向け、次代を担い、未来を創造する人づくりに社会全体で取り組んでいくことは、今後ますます重要になるものと存じます。

本日の推進大会・推進フェスティバルが実り多いものとなり、家庭や地域、企業など県民総ぐるみの教育を推進していくため、改めて県民一人ひとりが教育について考え、行動する契機となるよう強く期待いたしますとともに、御出席の皆様方の御健勝と御多幸を心から祈念申し上げまして、お祝いの言葉といたします。

平成29年11月5日        

愛媛県教育委員会教育長 井上 正