「えひめ教育の日」制定記念大会
名誉会長開会あいさつ
平成20年11月1日(土)
ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)
「えひめ教育の日」推進会議 名誉会長 加戸守行愛媛県知事
「えひめ教育の日」が制定されますことは、私にとって大変うれしいことであり、制定に向けて県内各地で機運を盛り上げられるとともに、記念大会の開催に尽力された愛媛県教育会をはじめとする関係団体の皆様方に、厚くお礼を申し上げたいと思います。
さて、戦後約60年を経て、教育基本法が全面改正され、教育の目標・指標が定められました。これに呼応して、「えひめ教育の日」は制定されました。
本日を「えひめ教育の日」としたのは、昭和23年11月1日に教育委員会制度が設けられ、愛媛県教育委員会が発足、4年後の昭和27年11月1日には県内の市町村教育委員会がスタートし、「11月1日」が愛媛県における戦後教育の実質的な始まりの日であることにちなんだものです。
教育に関しては、今から約2300年前、中国の孟子が「飽食煖(ほうしょくだん)衣(い)、逸居(いつきょ)して教え無ければ、則(すなわ)ち禽獣(きんじゅう)に近し」という言葉を残しております。「飽食」とは腹一杯食べること、「煖衣」とは暖かい衣類をまとうこと、「逸居」とは何もせず怠け暮らすこと、「教え」とは、親の教えを中心とする教育を意味します。つまり、腹一杯食べ、暖かな衣服を着て怠け暮らしているだけで、教育がなければ「禽獣に近し」、鳥や獣と変わることはない。人間が人間である所以(ゆえん)は教育にあると述べております。
さらに400年さかのぼり、紀元前2700年頃に中国、春秋時代、斉の名宰相といわれました管(かん)仲(ちゅう)は、「一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くは莫(な)く、十年の計は木を樹うるに如くは莫く、終身の計は人を樹うるに如くは莫し」。一年の計画を立てるのなら、穀物を植えなさい。十年の計画を考えるならば木を植えなさい。そして人間が一生かかって行うべき計画は、人を育てることだと説いております。「教育は国家百年の大計」とよく言われますが、教育の重要性を、今、真剣に認識し、考え、行動しなければならないと思います。
ところで、愛媛県では、昭和48年に県政発足百年を記念して「愛媛の歌」を作りました。その時、歌詞の公募に応じて当選されました作詞者の岩本義孝さんは、八幡浜高校の私の3年後輩で、私の母校である松陰小学校の校長も務められた方でした。この岩本先生の作られた歌詞がとてもすばらしく、この歌をもっと多くの方々に知ってもらいたい。そんな思いを込めて、先日の全国育樹祭ではテーマソングとして使い、新たにCDを作成して配布もしました。特に歌詞の2番にある「愛の心が咲いている」「明るい希望が育ってる」「かがやく文化が咲いている」「若い力が育ってる」。これが、私の目指す教育の姿であり、この理想が愛媛の地で実現することを強く期待いたしております。
どうか皆様方には、本日を契機として、学校、家庭、地域、行政、全ての場面において、県民総ぐるみの愛媛教育創造へ向けて活動を展開されますとともに、これからは毎年、「えひめ教育の日」と11月の「えひめ教育月間」には、改めて教育の重要性について認識し、考え、行動していただきますよう心からお願い申し上げます。
終わりに、これまで御尽力を賜りました関係の皆様方に重ねて厚くお礼を申し上げまして、あいさつといたします。
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