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1 はじめに |
平成27年6月の公職選挙法改正で、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられましたが、若年層の投票率は他の世代より低く、若者の政治参加が依然として重要な課題となっています。また、平成30年6月の民法改正により、令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることになったことに伴い、社会参画に向けた意識の高揚が求められる一方、消費者被害がこれまで以上に若者に拡大することが懸念されています。
そこで、高校在学中に18歳という節目の年齢を迎える高校生に、政治や選挙及び消費者問題に対する関心を持たせ、適切に判断し行動する力を育むため、本事業を実施しています。
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2 各校の取組
研究指定校を3校、それ以外の学校を研究実践校とし、政治・選挙や消費者問題への関心を高めるための取組を進めているところです。今回は、研究実践校3校のこれまでの取組を紹介したいと思います。
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【今治南高等学校】 |
① 外部講師による講演「主権者になるということ」
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7月2日(火)に、愛媛大学教育学部教授鴛原進先生を講師にお招きして、3年生を対象に、「主権者になるということ」について、御講演をいただきました。
先生は、「主権者は選挙だけではない」として、普段の生活の中から、自分たちの主張を見いだし、整理し、発信し、実現を目指していくことの必要性を指摘されました。そのためには、意見の異なる人との議論が重要で、自分たちの意見による社会形成のために必要なことにも言及されました。また、公職選挙法に係る「選挙における様々な規制」についてもクイズ形式で示され、楽しみながら学ぶことができました。生徒の感想としては、「『主権者』とは単純に“選挙で投票ができる人”という意味だけではなく、もっと日頃から様々なことに関心を持ち、自分で考えて選択していかなければいけないことが分かった。私に、それができるかどうか不安だが、まずは、自分の進路についてしっかりと考え、他の人の意見も参考にして選択していきたい。」など、自分の生活を見直し、積極的に関わっていこうとする姿勢がみられるものが多くありました。
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② 外部講師による講演「観光行政と主権者」
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7月18日(木)に、今治市役所産業部観光課から坂本仁先生を講師にお招きし、将来の今治市を担う人材となるよう観光行政の視点から行政について興味・関心を高め、自ら進んで市政に参加する主権者意識の向上を図ることを目的として、2年生を対象に「観光行政と主権者」というテーマで御講話をいただきました。
今治市が取り組んでいるサイクリング事業を例に挙げ、『選挙』は行政に対する意思表示の手段であり、『行政』の仕事は市民の生活のサポート役であることを御教授いただき、選挙と行政が密接に関係していることを指摘していただきました。また、サイクリング事業の他にも今治市が取り組んでいる事業について詳しく御説明いただき、市政に対する興味・関心を高めることもできました。
生徒の感想には、「行政が何かを行うためには議会の決定が必要であり、選挙と行政の取組が関連していることを学ぶことができた。自分たちが生活している町でどのような取組が行われているか興味を持って注目していく必要があると感じた。」など、行政に対する興味が高まり、主権者としての意識の向上も感じられるようなものが多く、一定の成果を収めることができました。
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【松山南高等学校】 |
今年度、消費者教育推進事業研究指定校になっています。これまでも、消費者教育に取り組んでおり、昨年度は、愛媛県消費生活センターの出前授業や、消費者庁作成の「社会への扉」を活用した授業を行いました。今年度は、その成果を更に発展させて、エシカルコンシューマーを目指した学習を推進しています。
1学期はエコクッキングを行いました。野菜の捨てる部分を最小限にしたり、みじん切りにして加熱時間を短くしたり、2年生手作りのアクリルエコたわしやウエスを活用して片付けを行ったりしました。私たちの未来のために、地球環境や社会問題を意識した消費生活を行っていきたいと思っています。
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エコクッキングメニュー:エコボロネーゼご飯、カルピスゼリー |
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【宇和島南中等教育学校】 |
① 選挙制度を理解し主権者意識を高めるための授業(4年生 「現代社会」)
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5月11日(土)(授業公開日)、「選挙について考えよう~若者の投票率を上げるために~」というテーマで授業を実施しました。諸外国の選挙制度を学んだ上で、若者の投票率を上げるための方策をグループで話し合い、その後、各グループの代表者がグループ内でまとまった意見を発表し、それらを共有することを通して、選挙に対する興味・関心を高めることができました。
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② 市選挙管理委員会の協力のもとで実施した生徒会役員選挙(4~6年生)
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6月14日(金)、6・7時限目に生徒会役員選挙を行いました。6時限目は、全校生徒の前で、立候補者と推薦人による演説が行われ、それぞれの、「宇和島南をさらに良くしたい」という熱い思いが、生徒みんなの心に届くものでした。続く7時限目には、前期生徒(1~3年生)は各教室で投票を行い、後期生徒(4~6年生)は主権者教育の一環として、宇和島市選挙管理委員会の方々の御協力のもと、実際の選挙で使用する投票箱や記載台をお借りして投票を行いました。投票前には、選挙に関する講演をしていただき、有権者としてのあるべき姿について学ぶことができました。生徒たちは、自分が投じる一票の重みを感じながら投票をしている様子でした。今後も、世の中の様々な出来事に対する関心を高め、政治的教養や成人としての適切な判断力を培う学校生活を送ってほしいと思います。
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③ 主権者教育講演会(5年生)
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7月12日(金)、NPO法人NEXT CONEXIONの越智大貴氏をお招きし、「これからの、『学び』の話をしよう」をテーマに、主権者教育講演会を行いました。シティズンシップを育むことの意義について、お話を聞くことに加え、話し合いやロールプレイングなどの活動を通して考えることができました。この講演によって生徒たちは、世の中の問題に対して、「自らの問題として捉える」「自ら考え、判断する」「アクションを起こす」ことがシティズンシップの育成につながることを学びました。
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3 おわりに
今後も研究指定校を中心として、高校生の政治や選挙、消費者問題への関心を高める取組を実践していきます。年度末には、研究指定校の研究報告及び実践校の実践報告をまとめたDVDを作成し、事業成果の普及を図るとともに、次年度事業実施の参考とする予定です。
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