本年度新規事業



いじめSTOP!愛顔あふれる地域フォーラム

 令和元年12月、いじめを防止する活動の充実を図るために、「いじめSTOP!愛顔あふれる地域フォーラム2019」が開催されました。東・中・南予に分かれての開催は、昨年に続いて2回目です。
 中予が7日(土)砥部町文化会館で、続いて東予が14日(土)西条市丹原文化会館で、最後に、南予が21日(土)国立大洲青少年交流の家で地域フォーラムを行いました。県内から参加した児童生徒、教職員、保護者、大学生等、3地域で計1,500人以上が集まりました。
 このフォーラムの目的は、愛媛県の児童生徒の皆さんが自主的にいじめ防止のために行っている活動の充実を図るとともに、いじめのない学校づくりのためのサポート体制を社会総ぐるみで行うことです。

地域フォーラムの概要

【開会行事】

 「これから、いじめSTOP!愛顔(えがお)の地域フォーラムを開会します」という大きな声が会場に響き渡り、フォーラムが始まりました。中予地区の中学校代表として開会挨拶を務めた久万高原町立久万中学校3年生は、「今日学んだことを学校や地域に伝え、いじめなくしていきたい」と語りました。
 続いて、愛媛県教育委員会三好伊佐夫教育長の挨拶では、「誰もがいじめはいけないことだと分かっているにも関わらず、いじめがなくならないのは何故でしょうか。」と参加者に問いかけ、「いじめをなくすための取組の成果や課題を出し合い、いじめをなくすために何ができるのか、何をしなければならないのかについて考えていきましょう」と呼び掛けました。
 次に平成28年のフォーラムで作成された「いじめSTOP愛顔の子ども宣言」を小学校代表児童が声高らかに宣誓しました。南予地区で宣誓した鬼北町立近永小学校6年生の二人は、「この宣言に書かれていることをみんなで守っていこうと思った」と語り、この役割を引き受けた理由を「自分たちが宣言をすることで、みんなのいじめに対する認識が変わってほしいと思ったから」と話しました。東予地区の開会行事の前に、新居浜市立浮島小学校6年生に今回のフォーラムに参加する意気込みを聞きました。「学校の代表として参加しました。いじめの場面を見たときに、どのように行動し、いじめをなくすためにどのようなことをすればよいのかを学んで帰りたい」と抱負を語りました。
 それぞれが、いじめをなくしたい、いじめを止めたいなどの様々な思いをもって参加していることが分かりました。

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開会挨拶(東予)
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教育長挨拶
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宣誓をする小学生代表(南予)

【全体会:パネルディスカッション】

 全体会では、パネルディスカッションが行われました。東・中・南予から、小学生・中学生・高校生・大学生・おとなの代表者がパネリストとなり、取組の成果や課題について報告しました。報告と協議を通して、分散会で話し合うテーマを参加者全員で共有しました。

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パネルディスカッション(中予)
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【分散会→全体会】

 パネルディスカッションで出た課題をもとに設定した「どうすれば行動できるか、何ができるか、~自分の問題として考えよう~」のテーマのもと、地域ごとに約20のグループに分かれ、分散会が行われました。司会進行は、大学生と高校生が行いました。
 分散会の後の全体会では、分散会の話合いを通して考えたことや参考になったことなどを、発表し合いました。

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分散会で発表する参加者

 ≪参加者から出た意見≫

小学生: いじめられている方がはずかしいのではなく、いじめている方がはずかしいんだと思った。いじめられたときは、親や地域の人に相談しようと思う。
中学生: いじめをなくす活動に参加しない人がいるというのは、身近なものと認識していないからだと思う。いじめは身近な問題ということをみんなに伝えていきたい。
高校生: いじめは1対1というより、いじめる側より大勢なことが多いので、傍観している人が助ける側に回り、いじめる側より多くなれば、いじめられている人を助けることができるという意見が心に残った。
保護者: 子どもの困り感を少しでも感じ取りたいと、常に思っている。なかなか子どもから教えてもらえないこともあり、相談したいができない理由を聞きたいと思って参加した。子どもたちは様々な思いがあって、おとなが子どもの期待に応えられていないということを知った。

【閉会行事】

 閉会行事でいじめSTOPソング『愛顔(えがお)のために』〔愛媛県立伯方高等学校(現今治西高等学校伯方分校)の有志によって制作]を参加者全員で合唱しました。その後、高校生の代表が閉会挨拶を行い、地域フォーラムが終了しました。
 東予での閉会挨拶は、県立東予高等学校3年生が務めました。「人権委員長として知識を増やしたいと思い参加した。人によって考え方が違うので、多くの人の意見を聞くことができてよかった」と話していました。
 中予は、県立松山南高等学校砥部分校2年生が務めました。「いじめは起こってはいけないし、止めなくてはいけないという強い意志をもって皆さんに伝えたい。他人と自分との違いを個性だと認められる考え方を一人一人が持つことが大切」と、思いを語りました。
 南予は、県立大洲高等学校1年生が務めました。「いじめ防止のために自分に何ができるか、どう行動すればよいかを考えるため参加した」と開会前に話していました。閉会後にも話を聞くと「普段から挨拶や声掛けなど、自分にできることを見付けて、人間関係を築くことが、相談しやすい環境づくりにつながる」と、学んだ内容について語りました。さらに、「いじめは、された側が嫌だと思ったらいじめ!だからこそ、常に相手の気持ちになって考え、行動することが大切である」と、自分の考えを話しました。

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閉会挨拶をする高校生代表

【参加者の感想】

 いじめについて考え直す良い機会になった。分散会で話し合ったことを、先生や友達、学校全体に広め、新しい活動に取り組みたい。【小学生】
 互いに相談し合える関係を築くために、日頃の関わりを大切にしていくなど、いじめをなくすために、先頭に立って行動していきたい。【中学生】
 様々な立場の人の話を聞くことができた。学校の取組の改善点、地域の方とのコミュニケーションの重要性など、広く考えることができた。先生や友達、家族等と相談できる関係づくりをしていきたい。【高校生】
 子どもたちや地域の方と一緒にいじめについて考えることができた。将来の教職に向けて参考になった。子どもたちがいじめで苦しむことがない学校をつくっていきたい。【大学生】
 子ども、先生、保護者のみんなで、いじめはいけないという意識を高めることが大切。私たちおとなは、子どもが自分の声で発信できる勇気をもつための土台作り、思いを受け止める人的・物的環境づくりを本気でしていく。【保護者】

終わりに

 今年の地域フォーラムでも、参加した小中高校生はもちろんのこと、愛媛大学の学生たちも活躍してくれました。昨年に引き続き、全体会等での司会、会場進行、会場設営や準備、当日の役員等を担い、フォーラム成功の立役者となりました。特に、今年は、大学生も企画段階から打合わせ会に参加し、参加者の意見を聞くためにどうすればよいかなど、フォーラムの内容について協議しました。自分自身の経験や大学での学びをもとに積極的に意見を出し合う大学生の姿に、いじめの解決に本気で向き合う熱意を感じました。
 参加者がフォーラムの学びを各学校、地域に持ち帰り、社会総ぐるみのいじめ防止の取組が推進されることを期待しています。

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打合わせ会

県立学校学習系Wi-Fiシステム(無線LAN)電子黒板機能付きプロジェクタの整備

 県立学校の普通教室等1,507教室を対象に、令和2年3月から、学習系Wi-Fiシステム(無線LAN)が利用できるようになりました。元年度から5年度までで、電子黒板機能付きプロジェクタを整備します。



◆整備の背景
 平成30年3月に公表された新学習指導要領では、次のことが示されています。
 〇情報活用能力を、学習の基盤なる資質・能力と位置付け
 〇主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善
 〇ICTを活用した学習活動の充実に配慮

 つまり、ICT環境整備が重要!!
 そこで、愛媛県教育委員会では県立学校(高等学校、中等教育学校、特別支援学校)に、学習系Wi-Fiシステム(無線LAN)と電子黒板機能付きプロジェクタ(+映写対応ホワイトボード)を整備することとしました。

◆整備の内容
〇学習系Wi-Fiシステム(無線LAN)
 電子黒板との連携以外にも、教員と生徒が授業の中で、様々な学習用途に幅広く汎用的に使用が可能
  ⇒ 整備効果の裾野が広いため元年度に一斉整備
〇電子黒板機能付きプロジェクタ
 ・教員の板書時間が削減できより深く学ばせるための時間に充てることができる
 ・教科等の指導におけるICT及びデジタル教材の活用がしやすくなる
 ・視覚、聴覚効果も生かした生徒の理解が深まる質の高い授業展開が可能
  ⇒ 費用の平準化を考慮し元年度から5年間で整備(各年度10~15校、約280教室)

◆期待される授業効果
 ○全ての教科でアクティブ・ラーニング型授業を実現
 ○生徒の意見・思考を即時に集約・共有
 ○生徒の情報活用能力の育成
 ○教材を瞬時に提示することによる学びの深化
 ○個別学習・グループ別学習の充実 など
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 ★教育の質を高め、教育効果を向上

◆ICT機器の活用方法
 【生徒の意見をネット上で集約】

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 国語の授業で、教師が登場人物の心情について質問をすると、生徒は、直ちに自分のタブレットに意見を書き込み、送信する。タブレットはネットワークにつながっており、送信したデータは、学校が導入しているインターネット上の授業支援ソフトウェア(ロイロノート、Classiなど)内の共通保管場所に保存される。また、全員の意見がスクリーン上に表示されるので、教師は、一人一人の意見を即座に確認し、コメントを加えながら登場人物の心情を解説する。
 教室内にWi-Fi環境があれば、学校が導入しているインターネット上の授業支援ソフトウェアを十分に活用した授業を進めることができるので、授業の効率が上がり、質を高めることができる。授業支援ソフトウェアにはWebアンケート機能もあり、結果を即座に集計し、グラフ化して表示、共有することで、授業の振り返りにも役立つ。
 
 【調べ学習のまとめ、発表が簡単に】

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 生徒が調べ学習を行い、内容をまとめて発表する学習が定着している中、効率よくまとめ、効果的な発表を行うことは重要な課題である。
 学校が導入しているインターネット上の授業支援ソフトウェア(ロイロノート、Classiなど)には、インターネット上に生徒の個人フォルダが用意されているので、インターネットから集めた画像や、自分で作ったファイルは、全てインターネット上にある個人フォルダへ保存することができる。保存したファイル等は、簡単な操作で表示順を決めることができるので、短時間でプレゼンテーション資料が完成する。授業の最後には、作成した資料を見せながら、お互いに発表会を実施する。
 授業支援ソフトウェアの登場により、生徒は、発表することに慣れ、プレゼンテーションの技術を飛躍的に向上させている。

◆電子黒板機能付きプロジェクタ授業活用事例
■「ただ書くだけ」の板書をデータ化することにより授業時間を有効活用

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 一人の先生が、何度も授業を繰り返す。内容によっては、事前板書が必要なものもあり、この時間はできるだけ短時間で済ませたい。
 そこで、事前板書の内容をデジタルデータにして、電子黒板機能付きプロジェクタを使ってホワイトボードに直接投影する。これにより、授業で「教える」時間を増やすことに成功。教える時間に余裕ができたことで、先生から生徒への呼びかけも多くなり、生徒とのコミュニケーションが増えた。
【電子黒板機能付きプロジェクタを使って授業中に投影されていたもの】
 画像(絵巻図、白地図など)、テキスト(英語の長文や漢文など)、数学専門ソフト(GRAPES)、Webサイト(画像検索)

■ホワイトボードに全面貼替することにより投影場所を自由に選択
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 リモコン操作で投影場所を変更可能なため、板書や生徒発表に瞬時に対応でき、デジタルとアナログを効果的に活用した授業を展開できる。