小学校英語教育指導者研修事業について
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本県では平成19年度から「小学校英語教育推進事業」を実施し、小学校外国語活動充実のための支援をしています。この事業では、県内全域に小学校外国語活動を推進する拠点校を設置し、ALTや地域人材の効果的な活用及び小学校への本格的な外国語活動導入への基盤作りを進めるなど、拠点校を核とした域内の学校全体のレベルアップに取り組んでいます。特に、平成20年度は、県内の19市町に拠点校を設置し、普及・啓発に努めました。
本年度からは、この事業に加え、小学校外国語活動の指導の核となる人材を育成するため、新たに「小学校英語教育指導者研修事業」を開始いたしました。
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新学習指導要領の移行措置により、既に県内全域の小学校で外国語活動が始まっており、外国語活動の円滑な導入のための指導者養成が急務となっています。
小学校英語教育指導者研修事業は、このような状況の下、県教育委員会が、平成21年度から2年間の計画で、各小学校の外国語活動推進者を対象に、小学校外国語活動の指導方法を確立するための指導者研修を実施するものです。本研修の受講者は、研修成果を基に各校で校内研修を実施することにしています。
(1)研修対象 小学校教員144名
(全小学校の半数から代表者1名、残りの半数は平成22年度に実施)
(2)研修の概要
○ 各教育事務所単位でそれぞれ5日間(全体研修3日間、自校研修2日間)
の研修を実施する。
○ 全体研修では、外国語活動に関する指導力及び基礎的な英会話能力の向上を
目的とした講義や演習を行う。
○ 指導主事、教育センター研究主事が具体的取組の指導を行うとともに、実践力
向上のためのワークショップを行う。
○ 大学講師等の講演により、理論の定着を図る。
○ 小学校英語教育推進事業拠点校の取組を発表し、成果を共有する。
○ 先進校の実践発表大会へ参加し研修する。
(3)事業実施期間 2年
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【指導者養成研修(国)平成19・20年度】
実施: 集合研修(全国5ブロック)
指導者: 文部科学省・大学教授等の有識者・ALT
対象: 都道府県・政令指定都市・中核市の指導主事等
研修期間: 連続5日間
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【小学校英語教育指導者研修(愛媛県教育委員会)平成21・22年度】
実施: 各教育事務所単位(松山市は別に実施)
指導者: 指導者研修(国)の受講者・大学教授等の有識者・ALT
対象: 県内小学校の外国語活動推進者
全小学校の半数から代表者1名・・・144名
(残りの半数は平成22年度に実施)
研修期間: 5日間(全体研修 3日 自校研修 2日)
内容: 1日目 「小学校における外国語活動の在り方」講義及び課題協議 大学教授等による講演)
2日目 英語力及び英語指導力向上のためのワークショップ、
英語教育推進事業拠点校の発表
3日目 学習指導案作成、模擬授業等の演習
※ 外国語活動に関する指導力及び基礎的な英会話能力向上を目的としたテキストを使用
※ 自校研修の2日間は、授業公開による校内研修を実施
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【現職教員研修(各小学校)平成21・22年度】
実施: 自己研修(各自)
校内研修(原則として学校ごと)
指導者: 指導者研修(県)の受講者・ALT等
対象: 各小学校の教諭等
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小学校5・6年生に週1時間の外国語活動を実施
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全体研修(各教育事務所単位でそれぞれ3回実施)と自校研修(全体研修の受講者が勤務する
各小学校で少なくとも2回実施)を行いました。
(1)全体研修
ア 実施日及び会場
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管内
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第1回
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第2回
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第3回
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会 場
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東予
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7月31日(金)
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8月18日(火)
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8月19日(水)
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東予総合福祉センター
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中予
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6月16日(火)
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7月30日(木)
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7月31日(金)
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中予教育事務所
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南予
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7月27日(月)
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7月28日(火)
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8月11日(火)
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南予教育事務所
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イ 研修日程
(第1回)
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日程
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開会行事
オリエンテーション
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講 話
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昼食
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班別研究協議
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講 演
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閉会
行事
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時間
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30分程度
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90分程度
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60分
程度
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60分
程度
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120分程度
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10分
程度
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(第2回)
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日程
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開会
行事
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演習T
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昼食
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事例
発表
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演習U
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閉会
行事
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時間
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10分程度
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120分程度
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60分
程度
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30分
程度
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150分程度
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10分
程度
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(第3回) |
日程
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開会
行事
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演習V
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昼食
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演習W
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閉会
行事
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時間
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10分
程度
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120分程度
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60分
程度
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180分程度
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10分
程度
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ウ 研修内容 |
講 話
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小学校外国語活動の在り方について
〜新学習指導要領と移行措置〜
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研究協議
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各校で取り組んだ外国語活動実践例及びその成果と課題について
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講 演
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小学校外国語活動における様々なコミュニケーション活動
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研修講師の一人
松山大学
金森 強 教授
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演 習 T
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小学校外国語活動の進め方〜英語ノートの効果的な活用法〜
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事例発表
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平成20年度小学校英語教育推進事業拠点校発表
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演 習 U
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TTでのコミュニケーション活動
〜クラスルームイングリッシュ〜
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演 習 V
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学習指導案作成と模擬授業準備
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演 習 W
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模擬授業
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(2)自校研修 |
受講者の勤務する小学校は、次の表を参考に研修を計画し、少なくとも年間2回の研究授業
(うち1回は受講者本人が授業を実施します。受講者が授業をしない回は、受講者は司会・指
導助言等を含め、研究協議の運営を行います。)を実施します。
研修の実施に当たっては、校内で全体研修の成果が共有できる内容となるよう工夫するとともに、
校長は、受講者が自主的・効果的に研修できるよう支援し、校内の研修体制の確立を図っています。
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区分
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研 修 内 容
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実施時期
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第1期
自校研修
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○ 全体研修の成果を生かした研究授業の実施
○ 全体研修の伝達講習
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9月〜11月
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第2期
自校研修
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○ 全体研修及び第1期自校研修の成果を生かし
た研究授業の実施
○ 全体研修の伝達講習
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第1回自校研修終了後〜1月
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ワークショップ(中予) 班別研究協議(東予) |
模擬授業(中予) 模擬授業(南予) |
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(1)受講者アンケート(144名回答)
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【研修の満足度】 【研修の有効性】 |
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(2)受講者の声
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(3)研修の成果と課題
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受講者から、研修内容が具体的で、積極的に取り組むことができたなど、研修の満足度や
有効性について肯定的な意見が数多く寄せられました。
全体研修3日間という限られた日程でしたが、小学校外国語活動の理念や学習指導要領の
周知、実際の授業に役立つ活動の演習、先進校の事例紹介等、幅広いプログラムを実施する
ことができ、小学校外国語活動に積極的に取り組もうという受講者の意識の高まりが感じら
れました。
特に、全国各地で小学校外国語活動についての講演や演習等を展開している松山大学の金
森強教授、鳴門教育大学の兼重昇准教授を講師として招聘し、具体的かつ実践的な研修を進め
たことや、模擬授業を取り入れ、学習指導要領の趣旨に沿った学習指導案作りから授業実践ま
でを班別に実施したことは、大変有意義でした。また、教育事務所別に開催したことにより、
適切な人数で研修を深めるとともに、それぞれの担当指導主事がきめ細かな指導・支援をする
ことができました。
受講者が各校で実施する校内研修については、更に具体例を示すなど、研修内容を再度見直
し、来年度のより充実した研修につなげていきたいと考えています。
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