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【高校生ものづくり人材育成推進事業の実施内容】
本事業は、文部科学省と経済産業省の指定を受け、平成20年度から実施している事業であり、今年度が、事業実施の最終年度となっています。
《事業の目的》
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専門高校と地域の産業界が連携をして、インターンシップ、デュアルシステムや熟練技術者による実技指導などに取り組み、これからの地域産業を支える人材の育成を図るとともに、事業に取り組む中で、開発・実証した、ものづくり人材を育成するためのプログラムを、県内へ普及することを目的としています。
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《事業実施校及び学科》
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新居浜工業高等学校 機械科、電子機械科
東予高等学校 機械科、電気システム科
今治工業高等学校 機械科、電子機械科
松山工業高等学校 機械科、電子機械科
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《実施内容》
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企業見学・・・地域の企業で、ものづくり現場の見学などを行い、地域産業への興味・関心を高めます。
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職業人育成インターンシップ・・・5日~10日間の企業での実習に取り組み、専門的知識、技術及び技能の習得に努めるとともに、地元企業への理解を深めます。
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えひめ高校デュアルシステム・・・週1回の企業での実習に長期間取り組み、高度かつ専門的な技術・技能の習得を図り、即戦力となる人材の育成に努めます。 |
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匠の技教室(講演、実技指導)・・・高度熟練技術者から実技指導を受け、職業人としての資質・能力の向上を図ります。
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その他、企業との共同研究、高度熟練技術者による「一日工場長」、スキルアップ研修、ものづくり公開講座や出前授業などがあります。
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【各学校の具体的な実施内容】
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《企業見学》(新居浜工業高等学校)
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1年生で、年間6回(1回につき4社)合計24社の工場見学を実施しました。
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企業見学を通して、生徒・教員ともに地域産業を理解することができ、生徒の勤労観・職業観の向上が見られました。 |
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《職業人育成インターンシップ》(新居浜工業高等学校)
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生徒に選択の幅を持たせ、多くの就業体験ができるよう、10日間のインターンシップを、11月と1月の2期に分けて、それぞれ5日間実施しました。 |
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「職業や仕事内容への理解」についてのアンケートに対し、95%以上の生徒が「十分深まった・深まった」と回答しました。 |
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《スキルアップ研修(教員の高度技術習得)》(東予高等学校)
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地元企業の高度熟練技術者を講師として招き、鋳造作業の研修として、鋳型製作実技講習やキュポラ溶解実技講習を行いました。
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今後の専門科目における指導で生かすことができる、有意義な研修となりました。 |
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《企業との共同研究》(今治工業高等学校)
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協力企業に指導をいただきながら、約1年間、蒸気機関車模型の製作に取り組みました。 |
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JR今治駅における、蒸気機関車模型の公開実演では、実際に蒸気で走らせて、大きな反響を呼びました。 |
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《えひめ高校デュアルシステム》(松山工業高等学校)
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地元の企業において、5月から毎週水曜日、合計15日間の実習に取り組みました。
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企業の方からは、「言葉遣いもよく、社員とも良好な関係が持てており、業務への責任感、熱意が感じられた。」という感想をいただきました。
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【平成22年度高校生ものづくり人材育成推進事業成果普及発表会】 |
3年間取り組んできた高校生ものづくり人材育成推進事業の成果を、県下の工業高校に普及させることを目的に開催されました。
○主 催 愛媛県教育委員会、愛媛県中小企業団体中央会
○日 時 平成23年1月21日 金曜日 13:00~15:15
○会 場 にぎたつ会館 芙蓉の間
○開会行事
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愛媛県教育委員会あいさつ |
ものづくり人材育成推進委員会
委員長あいさつ |
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○各校発表
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○閉会行事
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指導・講評 |
ものづくり人材育成推進委員会
副委員長あいさつ |
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1 はじめに
本校は、西予市宇和町の西部、宇和盆地の中心に位置し、静かな田園地帯にあります。
恵まれた自然や社会環境のもと、地域の方々とのつながりを大切にしながら人権教育を進めてきました。平成21・22年度に文部科学省より研究指定を受け、実践力の向上を目指して研究を進めてきました。その実践の一部を紹介します。
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2 一人一人が大切にされ、ふれあいの輪が広がる環境づくり
人権教育を進めるために、まず、土台づくりから見直そうと考えました。毎月のアンケートをもとにした教育相談、悩みボックスの設置、学級担任以外と話す時間「あのねタイム」の実施など、様々な機会を捉えて全職員で児童の思いに応えることができるような支援体制づくりに努めました。
また、全職員で多方面から見出した児童のよさを累積して共有し、言葉にして児童に返すことを心がけました。この資料をもとに、認められる体験の少ない児童への支援の在り方についても話し合ってきました。温かい言葉が広がる言語環境づくりや友達とのかかわりを広げ、深める遊び環境づくりにも力を入れてきました。
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3 全員参加の「わかる・できる授業づくり」を目指して
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サークルタイム |
次に大切にしようと考えたことは、日々の授業づくりです。
ペアやグループでの助け合い学習を様々な教科で取り入れることにより、クラスの全員がわかる、できる喜びを実感できる授業を目指してきました。音読や役割演技、意見・感想交流、問題解決的学習等、様々な形態で学び合いや助け合いを取り入れることにより、自分や友達のよさにも気付き、自己表現にも自信のもてる児童が増えてきました。
また、楽しみながら、話すこと、聞くことに慣れ親しむことを目的として、輪になって自分の思いを話したり、友達の考えを聞いたりする活動(サークルタイム)も行いました。
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4 人とのかかわりを大切にした総合単元的な人権教育の取組
「人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ]」において示されている人権教育を通じて育てたい資質・能力の3つの側面「知識的側面」「価値・態度的側面」「技能的側面」を本校教育のどの分野で生かしたらよいかを考え、年間計画を見直しました。特に、生活科や総合的な学習の時間の中に人とのかかわり体験を位置づけ、教科、道徳、特別活動等を関連付けることにより、児童への意識付けと意欲化を図りました。
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○特別支援学校の友達とのかかわり
4年生は、総合的な学習の時間において、小学部高学年の友達と年3回、6年生は、訪問教育の友達と年2回の交流活動を行っています。この活動は、20年以上にわたり続けている本校の特色ある活動です。初めは、どう行動してよいか戸惑うことの多い子どもたちも、ねらいを達成するための調べ学習を充実させたり、共に楽しむ活動を自分たちの手で作り上げる体験を繰り返したりする中で、しだいに相手の立場に立って考え、行動することができるようになってきました。道徳の授業との関連を大切にして児童の心情面を高めたり、振り返りを大切にして次の活動に生かす工夫を続けたりしてきたことが児童の意欲の向上につながっていきました。
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○地域の人々とのかかわり
1、2年生は、地域の高齢者の方々との昔遊びやお祭りへのご招待、3年生は、石城安心の家の高齢者の方々との交流、5年生は、昔ながらの米づくりやもちつき、赤飯、おはぎ作り、しめ縄作り等を通して農家の方々や老人クラブ、更生保護婦人会の方々、一人暮らしの高齢者の方々と交流を深めてきました。今年度は、児童会の主催により、全校児童とお世話になった地域の方々とのふれあいを楽しむ会も行いました。地域を愛し、地域の文化を守り、地域の子どもたちに愛情を注いでくださる方々との出会いは、児童にとって忘れられないものとなり、将来よりよいふるさとづくりにかかわろうとする力の源になるのではないかと考えています。
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特別支援学校の友達との交流 |
更生保護婦人会の方々と赤飯づくり |
菊とふれあいを
楽しむ会 |
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5 児童が主体の仲間づくり活動
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宝取りゲーム |
本校では、児童会が主体となって、年3回の集会活動を行っています。縦割り班で競い合うぞうきんがけレース大会、ドッジボール大会、宝取りゲーム等、毎年工夫をこらした活動を行ってきました。事前準備から本番まで児童が主体となって生き生きと活動する姿が見られ、異学年間の交流を深めることができています。
青少年赤十字週間には、毎週火曜日をなかよし給食の日とし全校児童がくじを引き、各教室に分かれて会食をしています。全校遊びや縦割り班でのボランティア活動など、気付き、考え、実行しようと工夫を重ねています。
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6 家庭・地域・関係諸機関との連携
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保護者と地域の方々で
話し合い |
「石城地区人権のつどい」において、講演後、保護者と地域の方々が輪になり、身近な人権問題について話し合いました。
この気持ちを地域全体に広げていこうと、PTA人権研修部長が、「みんなでつなごういわき宣言=いっぱい話して(聴いて)わを広げ、みんなのきもちをつなげよう」を呼びかけました。
公民館便りや学級通信、学校通信等でも継続して呼びかけを行っています。
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7 主な成果と課題
自尊感情を高めることをねらいとして様々な取組を行ってきた結果、「自分のよいと ころを知っている」と答える児童が増えてきました。また、自分の気持ちを家族や友達、教師に話す児童も増え、人の心の温かさを感じ、自分や他の人の人権を大切にして行動しようと思う児童も増えてきました。
しかし、まだ、このように感じることができない児童がいることも事実です。すべての児童が自分も他の人も大切に思うことができ、さらに確かな実践力の育成へとつないでいくことができるよう、今後も実践を重ねていきたいと思います。そのためには、これまで通り、日々の授業のさらなる充実と、児童との心のふれあいを大切にし、着実な歩みを続けていかねばならないと感じています。
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人権教育研究指定校事業報告2 |
思いを伝え合い認め合い、進んで行動する生徒の育成
-地域に根ざした人権教育の取組を通して-
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伊予市立中山中学校
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1 はじめに
本校は平成21・22年度に文部科学省より「人権教育研究指定校」の指定を受けました。知識として人権を学ばせるだけでなく、自他を大切にし、人権問題解決のために自ら行動できる生徒を育てたいと考え、「思いを伝え合い認め合い、進んで行動する生徒の育成」を主題として、研究実践を行いました。これまでの取組みを紹介します。
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2 研究の実際
(1)学習活動の充実
各教科における人権・同和教育のねらいを明確にし、全ての教科で授業研究を行いました。
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1年国語
討論ゲームをしよう
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2年理科
生物の変遷と進化 |
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(2)道徳の時間を中心とした人権教育の推進
道徳の時間を中心として、学級活動や各教科で、人権について学ぶ授業を充実させることで、人権の概念や人権尊重の考え方を正しく身に付けられるようにしました。
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(3)認め合い支え合う集団づくりの推進
総合的な学習の時間の取組を中心として、生徒の表現力育成や・発表の場を設定したり、生徒会を中心として、生徒主体の活動の活性化にも努めました。また、保護者や地域の方々に協力していただき、様々な人々とふれ合う体験活動の充実も図りました。
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ア 総合的な学習の時間の取組 |
子どもの人権コース |
高齢者の人権コース |
人権劇コース |
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イ 生徒会活動の活性化
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3 おわりに
本校が力を入れて取り組んできた「自分の思いや考えを自分の言葉で伝えるコミュニケー ション能力」を育成することは、「言語活動の充実」であるとともに、「生きる力」の育成そのものであると考えます。
山間の小規模校という特性を生かしながら、生徒の「生きる力」を育てるために、地域に 根ざした人権教育を模索してきましたが、まだまだ道半ばです。「差別をなくす主体者」となる生徒を育てるために、これからも教職員一致団結して人権教育に取り組んでいきたいと思います。
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1 はじめに
内子町は平成17年1月1日、喜多郡内子町、喜多郡五十崎町、上浮穴郡小田町の3町が合併して「新内子町」が誕生しました。
町内には保育園6、幼稚園5、小学校10、中学校4、県立高等学校2の学校施設と、5カ所の自治センター、2福祉館及び41の自治会館等の社会教育施設があり充実しています。合併時には「内子町人権尊重のまちづくり条例」を制定し、人と自然にやさしいエコロジータウンを目指しながら、全ての人の人権を尊重しながら住民の人権意識の高揚を図り、差別のない町づくりに努めています。
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2 人権教育総合推進地域事業研究発表会
平成20年度からの3年間、文部科学省の人権教育総合推進地域事業の指定を受け、研究主題 を「一人一人の人権が尊重される心豊かな町づくり・人づくり」と設定して、町ぐるみの人権 教育を推進してきました。特に学校・地域・各種団体との連携を密にし、町民全てを対象とした教育活動において人権教育に取り組み、思いやりとぬくもりのある町づくり・人づくりを進めてまいりました。
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人権劇の様子 |
3年にわたって取り組んできた人権教育の成果を報告する研究発表会を平成22年12月3日に開催しました。県内各地から400名をこえる参加をいただきました。
内子町共生館で開かれた全体会では、内子町立大瀬中学校3年生が、同和問題をテーマとした手作りの人権劇を上演し、その後、就学前、小・中学校、高校、社会教育部会ごとに活動内容を報告しました。
研究発表会がゴールではなく、これを機会にさらに人権教育を推進していくことを誓いました。
次に、取組みの一部を紹介します。
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3 地域ぐるみの人権・同和教育
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あけぼの人権学習会の様子
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社会教育の取組では、5館の自治センター(自治公民館)と2館の福祉館を中心に、地域ぐるみで人権・同和教育を進めました。そのうち、五十崎自治センターとあけぼの集会所においては、年8回「あけぼの人権学習会」を実施しました。
同和問題をはじめとする様々な人権問題について、講師を招いて学習しました。
人権について考え、協議するよい機会となっています。
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4 啓発活動
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人権標語がプリントされた公用車 |
○うちこ福祉館との連携
うちこ福祉館で行われた「わくわく福祉館まつり」の作品募集においては、本校4年生の人権標語「思いやりの花さかせて君にとどけよう」と、1年生の人権ポスターが最優秀になりました。人権標語については、標語をプリントした公用車が町を走っています。また、人権ポスターは、クリアファイルに印刷され、各学校の全ての児童生徒に配布されました。子どもたちの心温まる作品は、町の人権・同和教育の啓発活動に大いに役立っています。
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5 まとめ
この事業の成果として次のようなことが挙げられます。
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今後も、互いに認め合い育ち合う仲間づくり・地域づくりを行いながら、町全体で根気強く人権尊重のメッセージを発信し続け、感じ、考え、身に付けた「心」を、地域に広げていく「行動できる人権教育」を更に進めていきたいと思います。 |
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県立特別支援学校では、障害のある子どもの能力と可能性を最大限に伸ばし、自立と社会参加に必要な力を培うために、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育の充実に努めています。
平成22年度には、すべての県立特別支援学校で、日々の授業の改善・充実を図るため、「県立特別支援学校における授業改善プロジェクト」に取り組みました。
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*各学校の研究テーマ・講師* |
学校名 |
研究テーマ |
講師(敬称略) |
松山盲学校 |
よりよく「みえる、分かる、できる」
授業の創造
~児童生徒の「表出する、表現する」活動を大切にした授業改善への取組~
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筑波大学
人間総合科学研究科
特任教授 鳥山 由子
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松山聾学校 |
一人ひとりが分かる授業を目指して
~聴覚障害教育の専門性を生かした授業づくり~
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筑波技術大学
障害者高等教育研究支援センター 障害者支援研究部
准教授 長南 浩人
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しげのぶ
特別支援学校
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授業計画の工夫・改善と授業展開 |
植草学園大学
発達教育学部
教授 渡邉 章
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みなら
特別支援学校 |
一人ひとりが主体的に取り組む授業を目指して
(小学部)子どもが分かって活動する授業づくり
(中学部)生徒が考えて活動する授業づくり
(高等部)意欲的に取り組む作業学習の授業づくり
(訪問教育)子どもが生き生きと取り組む授業づくり
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静岡県障害者就労研究会 副代表 村松 智惠子
(元静岡県立袋井特別支援学校長)
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今治
特別支援学校
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一人ひとりが生き生きと活動する授業づくり
~個別の支援とティーム・ティーチングのあり方~
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愛媛大学 教育学部
准教授 苅田 知則
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今治特別支援学校
新居浜分校
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一人ひとりが生き生きと活動する授業づくり
~子どもに分かる伝え方の工夫~
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愛媛大学 教育学部
教授 花熊 曉
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宇和特別支援学校
(聴覚障害部門) |
子どもの生きる力を伸ばす授業改善
~見る、聴く、感じるを通して~
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国立特別支援教育総合研究所 企画部
総括研究員 藤本 裕人
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宇和特別支援学校
(知的障害部門) |
子どもの生きる力を伸ばす授業改善
~見る、聴く、感じるを通して~
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愛媛大学 教育学部
教授 上岡 一世
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*公開授業研究会・講演会の様子* |
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*1「自立活動」:
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障害による学習上又は生活上の困難を、幼児児童生徒が主体的に改善・克服することをねらいとする、特別支援学校独自の指導領域です。 |
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生活に結び付いた具体的、実際的な活動を学習の中心に据え、各教科、道徳、特別活動等を合わせて指導する授業の形態です。ほかに「日常生活の指導」「遊びの指導」などがあります。 |
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この1年間、「県立特別支援学校における授業改善プロジェクト」に取り組んだ成果の一部を紹介します。
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このほかにも様々な成果が得られ、それぞれの学校において、授業改善を図る方法や研修体制が整いつつあります。何よりも、よりよい授業づくりに向けた教師一人ひとりの目的意識や研究意欲が高まっています。
今回の取組みを生かし、これからも日々の授業研究を充実させ、教師の専門性や実践力の向上を図っていきたいと考えています。
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なお、本県の県立特別支援学校の詳細は、愛媛県教育委員会 特別支援教育課のホームページに掲載しています。それぞれの学校の教育活動を紹介するパンフレット「えひめの特別支援教育」も御覧いただけます。各学校のホームページともリンクしていますので、御活用ください。
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