平成24年11月23日~平成25年1月27日までの間、企画展「愛媛の博物誌」を開催しました。
本企画展では、愛媛県立博物館から総合科学博物館に引き継がれた貝類の標本を中心に、愛媛沿岸で見られる様々な貝のほか、愛媛に漂着したオウムガイなどの貴重な標本、オオジャコガイ、アラフラオオニシなど外国の貝も展示しました。また、愛媛の博物学者を紹介するコーナーでは、県立博物館の開館に尽力した八木繁一氏らゆかりの資料や写真も展示しました。
文部科学省からの官報告示により平成24年12月28日付で、八幡浜市の「日土小学校」が国の重要文化財(建造物)に指定されました。 日土小学校は、八幡浜市の山あいに所在します。八幡浜市職員の松村(まつむら)正恒(まさつね)の設計により、中(なか)校舎は昭和31(1956)年、東(ひがし)校舎は同33(1958)年に竣工しました。 敷地は喜木川の北側を占め、敷地の川寄りに校舎が並んでいます。緩やかな切妻屋根をかけた木造二階建で、要所に鉄骨の梁や筋交いを用いた合理的な構造をもっています。また、窓は柱の外側に枠を取り付け、天井に達する大きな開口部となっています。 東校舎は、クラスター(房)型の教室配置とし、昇降口の南側中庭を設けて採光と通風を確保する特徴的な平面をもっており、川に迫り出す二階ベランダが外観を特徴づけています。 日土小学校は、合理的な構造と平面計画をもち、工業製品と身近な材料を用いた意匠により、豊かな空間をつくり上げており、木造のモダニズム建築の優れた作品として高い価値が認められます。 なお、今回の重要文化財指定により、愛媛県内の国の重要文化財(建造物)の件数は37件となりました。
平成24年12月22日から平成25年1月27日まで、愛媛県美術館で「出光美術館所蔵 文人画名品展」を開催いたしました。出光コレクションの中から、江戸時代の池大雅、与謝蕪村、浦上玉堂や禅僧の仙厓から近代の富岡鉄斎まで、重要文化財を含む日本の文人画の名作61件を展示しました。なかでも、松山・三津浜の風景を描いた田能村竹田の《三津浜図》、伊予松前城出土の重要美術品《青白磁刻花渦文梅瓶》は、愛媛初公開となりました。展覧会に合わせて、コンサート、リレー講座、一日講座「印を彫って、印譜をつくろう」などを実施しました。