特集


 協働で支えるヤングボランティア推進事業
生涯学習課 

 地域ぐるみの青少年防災キャンプ推進事業
生涯学習課 

 近代化えひめ歴史遺産総合調査事業
文化財保護課 

 高校生地域産業担い手育成事業
高校教育課 
 
 文部科学省人権教育研究指定校事業報告1 伊予郡砥部町立宮内小学校
 文部科学省人権教育研究指定校事業報告2 四国中央市立川之江南中学校
人権教育課 

協働で支えるヤングボランティア推進事業

1 はじめに
ヤングボランティアセンター
 ヤングボランティアセンターは愛媛県美術館南館内に設置されており、平成25年1月25日現在県下の高校生等533名が登録し、様々なボランティア活動を企画・実施しています。22年度からはNPOと協働することで活動の一層の充実と広がりを目指しており、学識経験者・学校関係者・ボランティア関係者・NPO関係者などで構成する「ヤングボランティアセンターサポート委員会」がヤングボランティアセンターの運営・成果について評価・検証を行い、支援団体とのコーディネートを行っています。

2 主な活動紹介(23年度末~24年度)
(1) 高校生による愛顔でつながるヤンボラ被災地支援事業
 平成24年8月7日~10日、15名の高校生が宮城県七ヶ浜町を訪問し、仮設住宅の集会所や児童館でのボランティア活動を行い、被災者と交流を深めました。事前に4回の準備ミーティング(6月18日、7月8日、7月28日、8月4日)を重ね、プレゼントに使うミニタオルとクリアファイルのデザインを決めました。7月14日には「被災地支援ボランティア高校生講座」を開催し、現地の状況を学ぶとともに交流プログラムの学習をしました。
準備ミーティングの様子 講座で学ぶ高校生たち
準備ミーティングの様子 講座で学ぶ高校生たち

○ 高校生のアイデアを活かした愛顔のプレゼントづくり
 高校生がデザインしたミニタオルと、クリアファイルを、被災地の方へ届けました。
制作したミニタオルとクリアファイル 児童館で手渡す高校生
制作したミニタオルとクリアファイル 児童館で手渡す高校生

○ 出発式と現地でのボランティア活動
 8月7日、現地へ向かう高校生の出発式が行われ、仙波教育長の「相手の心に寄り添って被災地と愛媛の高校生を結ぶ架け橋になってほしい。」という激励の言葉を胸に宮城へ出発しました。
緊張した面持ちで出発式にのぞむ高校生 七ヶ浜町での朝ミーティング
緊張した面持ちで出発式にのぞむ高校生 七ヶ浜町での朝ミーティング

 20時間かけて七ヶ浜町ボランティアセンターへ到着しました。当日は全国から集まった150人のボランティアが農地の清掃活動などを行っていました。ヤンボラの高校生は仮設住宅の高齢者との交流や、児童クラブでの小学生との交流活動を合計7か所で実施するとともに、被災地の現状を学びました。
児童館でのボランティア交流活動 仮設住宅でのボランティア交流活動
児童館でのボランティア交流活動 仮設住宅でのボランティア交流活動

○ 参加した高校生スタッフの感想
 震災から1年半経った今も多くの問題が残っていることに気付かされました。初日の交流サロンではなかなか人が集まらず、多くの人たちがあまり家から出ないという現状を実感しました。待っているのは不安でしたが、来られた方はみんな楽しんでくれたのでよかったと思います。宿泊先の民宿は海沿いにあり、この地域では家がなくなって門や土台だけの景色が続いていて、現実に直面すると言葉が出ませんでした。2日目は児童館での交流でした。子どもたちはすごく元気で「遊ぼう」と向こうから声をかけてきてくれました。お別れをするときの寂しそうな表情が忘れられません。

 私たちは、今回の活動で被災地の現状を見ました。まだ復興には多くのボランティアや時間が必要だと思います。愛媛に帰ってからも行えるボランティアを通して多くの人を笑顔にしたいと思いました。

松山西中等教育学校 6年 渡部 英里


(2) 堀江公民館通学合宿
 平成24年10月17日~20日の4日間、堀江公民館において堀江小学校の4~6年生合わせて26人が通学合宿にチャレンジし、大学生スタッフ17人が指導、サポートしました。通学合宿に初めて参加する児童も多かったのですが、友達や上級生と下級生とのつながりを通して、様々なことを学んだ充実した4日間となりました。
○ 食事は、材料の買い出しから小学生が行いました。自分たちが購入したものを調理し食べるという「自分たちで全部できた」経験は、普段の何気ない食事や食材に目を向けることにつながるよい機会となりました。
食材を店舗で購入する小学生 全員で調理を行っている様子
食材を店舗で購入する小学生 全員で調理を行っている様子

○ 夕食後は、その日の宿題を時間一杯頑張りました。上級生が下級生に教えるほほえましい姿も見られました。レクリエーションを行うふれあいタイムでは、大学生スタッフが準備したゲームに体を動かして参加すること通して、班の団結力や絆も深まりました。
宿題をする小学生 ふれあいタイムのゲームの様子
宿題をする小学生 ふれあいタイムのゲームの様子

○ 登下校の見守りやバーベキューでの交流を通して、自分たちが地域の大人によって守られていることを実感することができました。
見守り隊のボランティア 地域の方とのバーベキュー
見守り隊のボランティア  地域の方とのバーベキュー

(3) 福音公園づくりボランティア
 福音公園は国道11号線高架下にある松山市の児童公園です。雨の日でも遊べる反面、日中でも暗い場所です。子どもたちが明るく元気に遊べる公園にするために、「大人の目によって守られた全天候型の楽しい公園にする」というコンセプトのもと、福音小学校、地域の皆様、ヤングボランティアセンターとえひめ子どもチャレンジ支援機構が「福音公園づくりを考える会」を構成し、平成22年度から公園づくりにチャレンジしています。平成24年3月31日、壁画アート作品の公開と新施設オープニングイベントが行われました。

○ ワークショップでは、児童一人一人の気持ちのこもった「ありがとう」のメッセージを一つのモニュメントとして制作する「ありがとうの樹」プロジェクトのアイデアと、福音公園で地域の人や子どもを呼ぶイベントを開催するという2つの案が出されました。
意見を出し合う高校生 アート作品制作の様子
意見を出し合う高校生 アート作品制作の様子

○ 松山西中等教育学校美術部の協力で、ありがとうの樹の制作が進められました。また、福音公園は看板がなく分かりづらいため入口に園名板をつくることにしました。ヤングボランティアセンターの高校生が担当した福笑いや綿菓子も大人気でした。3ヶ月かけて準備してきた最後が楽しいイベントになり、参加した高校生スタッフも充実感がありました。
園名板とアート作品 高校生が担当したコーナーの様子
園名板とアート作品 高校生が担当したコーナーの様子

(4) シャッターボランティアと甲冑着付けボランティア
 観光地で観光客と言葉を交わしながら記念撮影のお手伝いをするシャッターボランティアに取り組んでいます。松山城では、ゴールデンウィーク(5月3日、4日)、夏休み(7月29日、8月5日)、秋の観光シーズン(10月28日、11月4日)に実施しました。松山城ではシャッターボランティアとあわせて甲冑着付けの手伝いも実施しています。松山城のほか今治市の来島海峡展望館(7月29日)や、南予いやし博ボランティアの一環として、天赦公園内に設けられた伊達ワールド(4月29日、9月16日、10月14日)でも活動を行いました。
松山城 松山城甲冑着付けコーナー
松山城
松山城甲冑着付けコーナー
来島海峡展望台(今治) 南予いやし博ボランティア
来島海峡展望台(今治) 南予いやし博ボランティア

(5) 読み聞かせボランティア活動
 今年度も継続して読み聞かせボランティア活動に取り組みました。絵本や紙芝居の読み聞かせを学ぶために講習会を行い(7月22日)、県立図書館で実演(8月2日)しました。
読み聞かせ講習会 リハーサル お話し会(県立図書館)
読み聞かせ講習会 リハーサル お話し会(県立図書館)

(6) 献血呼びかけボランティア
 愛媛県赤十字血液センターの協力を得て、城山公園(4月28日)、大街道献血ルーム(6月10日)、イオン今治(5月27日、9月9日)、エミフル松前(1月13日)で、献血呼びかけボランティア活動を行いました。今後も若者の献血率向上と血液不足解消に貢献したいと考えています。
城山公園での献血呼びかけボランティアの様子 イオン今治店での献血呼びかけボランティアの様子 大街道献血ルーム前での献血呼びかけボランティアの様子
城山公園 イオン今治店 大街道献血ルーム前

(7) その他のボランティア活動

障害者ふれあいスポーツ大会○ 「松山市障害者ふれあいスポーツ大会ボランティア」

 スポーツ大会の招集や入場門への誘導の手伝いをするとともに、一緒にいろんな種目にも参加しました。玉入れのかごには視覚障害者の方のために鈴がついていて、ボランティアが一生懸命鳴らすなど障害者のスポーツ大会ならではの工夫も随所に見られました。

ニコニコ広場○ 「みなら特別支援学校ニコニコ広場」

みなら特別支援学校のPTA行事「ニコニコ広場」のボランティア(12月8日)に参加しました。じゃんけんゲーム、クリスマスソングの合唱など、特別支援学校の生徒たちとふれあうことができました。

市駅前での募金活動○ 「ユニセフ ハンド・イン・ハンド募金活動街頭募金ボランティア」

ユニセフが実施する街頭募金活動に参加しました(12月8日)。

余土南払川第一町内会(松山市)クリスマス会の様子○ 余土南払川第一町内会(松山市)クリスマス会

町内会のクリスマス会に、レクリエーション協会のインストラクターの方と共に参加しました(12月15日)。小学生と一緒に楽しみながら、バルーン制作などのレクリエーションを行いました。

3 おわりに

東日本大震災からまもなく2年が経過しようとしています。「復興は進まないが風化は確実に進んでいる。」と言われる状況の中、被災地で役に立ちたい、自分にできることを少しでもやってみたいと考える高校生がヤングボランティアセンターに集まり、「高校生による愛顔でつながるヤンボラ被災地支援事業」が実現しました。
 ヤンボラでのボランティア活動は、学校ではできないことや他校生との交流を経験することで、コミュニケーション能力や企画力を身に付ける機会となります。これからも、専門家や実践者の支援を受けながら、ボランティア活動についての意識を深め、自分たちの手で高校生によるボランィア活動を企画・実施していきたいと思います。そして、愛媛の青少年によるボランティア「ヤンボラ」を、もっと多くの人に知っていただきたいと思います。



地域ぐるみの青少年防災キャンプ推進事業

 愛媛県では、本年度国の委託を受け、東・中・南予の3会場で各地域の特性に応じた体験的な防災教育を推進するため、学校等を避難所として想定した生活体験や、想定される災害・被災時の対応等の理解を図る防災教育プログラムを、地域住民や保護者の協力を得て実践する「青少年防災キャンプ」と、その成果を普及啓発する「青少年防災体験フォーラム」を実施しました。
Ⅰ 東予地域
《青少年防災キャンプ》
1 期  日  平成24年9月7日(金曜日)~9日(日曜日)
2 場  所 今治市立立花小学校
3 参 加 者 総数 132人【延304人】(児童・生徒、保護者、地域住民等)
4 スタッフ  総数   59人【延167人】
(自主防災関係者、学校関係者、消防関係者、社会教育関係者、行政関係者等)
5 日  程
【1日目】 9月7日(金曜日)
【2日目】 9月8日(土曜日)
【3日目】 9月9日(日曜日)

6 活動の様子
避難所生活についての話し合いの様子 ダンボールを使った生活スペースづくりの様子
避難所生活についての話し合い ダンボールを使った生活スペースづくり
霧箱の実験(放射線の観察)の様子 避難経路の危険箇所点検の様子
霧箱の実験(放射線の観察)
避難経路の危険箇所点検
ワークショップ「ひなんリュックをつくろう」 冠水道路体験の様子

ワークショップ「ひなんリュックをつくろう」

冠水道路体験

《青少年防災体験フォーラム》
1 期  日 平成24年11月25日(日曜日)
2 場  所 今治市波方公民館
3 参 加 者 総数 496人(自主防災関係者、学校関係者、行政関係者等)
4 講  演

演題:「これまでの自然災害履歴からみた防災」
講師:愛媛大学防災情報研究センター 副センター長 高橋治郎

5 パネルディスカッション テーマ:学校を避難所とした地域防災のあり方
講演の様子
パネルディスカッションの様子
講演の様子 パネルディスカッションの様子

Ⅱ 中予地域
《青少年防災キャンプ》
1 期  日  平成24年7月27日(金曜日)~29日(日曜日)
2 場  所 松前町立岡田小学校
3 参 加 者 総数  76人【延148人】(児童・生徒、保護者、地域住民等)
4 スタッフ  総数 51人【延78人】
(自主防災関係者、学校関係者、消防関係者、社会教育関係者、行政関係者等)
5 日  程
【1日目】 7月27日(金曜日)
【2日目】 7月28日(土曜日)
  
【3日目】 7月29日(日曜日)
6 活動の様子
班での役割分担の様子 ペットボトルキャンドルづくりの様子
班での役割分担
ペットボトルキャンドルづくり
パーテーションづくりの様子 自衛隊による人命救助教室の様子
パーテーションづくり
自衛隊による人命救助教室
地域の方と高校生による食料の配給準備の様子 消火訓練(バケツリレー)の様子
地域の方と高校生による食料の配給準備
消火訓練(バケツリレー)
《青少年防災体験フォーラム》
1 期  日 平成25年1月19日(土曜日)
2 場  所 松前総合文化センター
3 参 加 者 総数 183人(自主防災関係者、学校関係者、行政関係者等)
4 講  演

演題: 「被災地からの声
講師:岩手県奥州市立梁川小学校長 佐々木道雄

5 パネルディスカッション テーマ: 「命」を守る防災を考える~親子防災キャンプから~
シンポジウムの様子 講演の様子
シンポジウムの様子 講演の様子
Ⅲ 南予地域
《青少年防災キャンプ》
1 期  日  平成24年7月27日(金曜日)~29日(日曜日)
2 場  所 西予市立狩江小学校
3 参 加 者 総数 426人【延486人】(児童・生徒、保護者、地域住民等)
4 スタッフ  総数  48人【延77人】
(自主防災関係者、学校関係者、消防関係者、社会教育関係者、行政関係者等)
5 日  程
【1日目 7月27日(金曜日)】
【2日目 7月28日(土曜日)】
【3日目 7月29日(日曜日)】

6 活動の様子
宿泊訓練の様子 安全マップ検証の様子
宿泊訓練
安全マップ検証
備蓄食 着衣水泳の様子
備蓄食
着衣水泳
地域の災害 放射線を正しく知ろう
地域の災害
放射線を正しく知ろう
《青少年防災体験フォーラム》
1 期  日 平成24年11月22日(木曜日)
2 場  所 愛媛県歴史文化博物館
3 参 加 者 総数 161人(自主防災関係者、学校関係者、行政関係者等)
4 講  演

演題:「大規模自然災害の時代を生きる」
講師:愛媛大学防災情報研究センター長 矢田部龍一

5 パネルディスカッション
テーマ: 地域コミュニティづくりの重要性について
講演の様子 シンポジウムの様子
講演の様子 シンポジウム


近代化えひめ歴史遺産総合調査事業

1 調査事業の概要
①調査の目的

 愛媛県の近代化の歩みを今日に伝える建造物「近代化遺産」については、国・県・市町の指定文化財もしくは国の登録有形文化財となっているものを除き、文化財として保存措置が十分にとられておらず、近年の産業構造の変化もあいまって姿を消しつつあるのが現状です。
 また、本県では、平成13~14年度に県民環境部が近代化遺産総合調査事業(以下「既存調査」という)を実施し、その分布状況や概要を取りまとめ、これにより近代化遺産は県民に親しまれる対象となりましたが、近代化遺産の活用と観光振興に重点を置いたため、文化財としての価値に関する調査が不十分でした。
 このことから、県教育委員会では、既存調査の成果を最大限に活用しながら、改めて文化財としての学術調査を行い、その成果を調査報告書に取りまとめ、今後、文化財指定等によって保存・顕彰するための基礎資料とすることを目的として、本調査を実施しました。

②調査主体

 愛媛県教育委員会
   調査機関 公益財団法人えひめ地域政策研究センター

③調査期間
 平成23年度~平成24年度
④調査対象
 愛媛県内に所在する幕末(1853年)から第二次世界大戦終了時(1945年)までの間に建築され、愛媛の近代化に貢献した産業・交通・土木・生活文化・その他に関わる建造物(土木構造物・その他工作物・設備等を含む)

⑵調査の方法と経過
①調査体制
○近代化えひめ歴史遺産総合調査委員会の設置
 調査方針の決定、掲載物件の選定、報告書の編集等を行う調査委員会を設置しました。

委員名

役 職 等

伊東 孝

日本大学工学部特任教授(委員長)

後藤 治

工学院大学建築学部教授(副委員長)

曲田清維

愛媛大学教育学部教授・副学長

末岡照昭

住友史料館副館長


○調査員の委嘱
 調査委員会の指示に基づき、現地調査の実施、物件の実測・図面の作成等を行う調査員を委嘱しました。

調査員名

役 職 等

岡崎直司

えひめ地域政策研究センター主任調査員

二村 悟

工学院大学建築学部建築デザイン学科客員研究員

花岡直樹

愛媛県建築士会文化財・まちづくり委員会委員長

酒井純孝

同委員

藤縄洲二

同委員

西浦郁子

同委員

白石耕平

同委員

峰岡秀和

同委員

太田陽子

同委員


②調査手法
○事前調査
 「既存調査」のデータを市町教育委員会に照会し、物件の存否・保存状態の確認、図面・古写真等の有無の確認、新たな物件の掘り起こしを行いました。
○基礎調査
 事前調査の結果を受けて、既存調査のデータの加除訂正を行い、「近代化えひめ歴史遺産データベース」を作成しました。

○物件選定

 調査委員会において「近代化えひめ歴史遺産データベース」を基に、報告書で詳説・概説する主要物件400件程度を選考しました。
○詳細調査
 調査委員会において主要物件の中から報告書の中で詳説する物件110件程度を選定し、建築学的な特徴(構造・意匠)の記録、保存状態の確認、歴史的沿革に関する文献調査等を行いました。
 特に、図面がない物件については、愛媛県建築士会文化財・まちづくり委員会のメンバーの協力を得て、実測調査及び図面の作成を行いました。
○報告書作成
 一連の調査を踏まえて、報告書の構成及び掲載物件を調査委員会で決定し、報告書を作成します。報告書の執筆は、調査委員、調査員及び各分野の専門家が分担して行います。

③調査の経過
【平成23年度】
4月 市町文化財保護行政担当者会議
    (事業概要の説明・調査協力依頼)
5月 事前調査の実施
6月~2月 基礎調査の実施
       (近代化えひめ歴史遺産データベースの作成)
7月 調査委員及び調査員の委嘱
8月 第1回調査委員会
    (調査の基本方針の決定、詳細調査物件の選定)
9月~3月 詳細調査の実施
3月 第2回調査委員会
  (平成23年度の調査結果報告、
     報告書の編集方針の検討)
長浜大橋(大洲市)
長浜大橋(大洲市)
【平成24年度】
4月~12月 詳細調査の実施
8月 第3回調査委員会
    (報告書構成案の決定、分野別執筆者の決定)
10月 第4回調査委員会(執筆者会議を兼ねる)
     (報告書掲載物件の決定)
1月 報告書原稿提出
3月 報告書発行
端出場水力発電所(新居浜市)
端出場水力発電所(新居浜市)
愛媛県庁本館(松山市) 宇和島駅転車台・扇形機関庫(宇和島市)

愛媛県庁本館(松山市)   

宇和島駅転車台・扇形機関庫(宇和島市)



高校生地域産業担い手育成事業
 本事業は、平成20年度から3年間、工業科設置校4校8学科で実施した「高校生ものづくり人材育成推進事業」により構築したプログラムを基に、平成23年度から、工業科設置校6校の全ての学科で実施している事業です。
1 事業の目的
 県立高校工業科設置校と地域の産業界が連携を図り、企業が求めている人材の調査などにより企業のニーズを把握するとともに、企業のニーズを踏まえた専門的な技術や知識を習得するための実践的な取組を行い、地域企業への理解を深め、地域企業で活躍できる人材を育成することを目的としています。
2 事業実施校及び学科
新居浜工業高等学校(5学科)     
東予高等学校(工業科3学科)     
今治工業高等学校(7学科)       
松山工業高等学校(8学科)
八幡浜工業高等学校(3学科)
吉田高等学校(工業科3学科)
以上、6校29学科で取り組んでいます。
3 実施内容
○工業教育活性化委員会の開催
 各学校に、連携企業関係者や学校関係者等で構成する委員会を設置し、企業のニーズを把握するとともに、事業の取組について協議します。
○地域を代表する企業の見学、南予2高校による東予地区企業の見学
 ものづくりの技術に接することで、学校における学習の意義を再認識するとともに、地域企業への理解を深めます。
○学科の学習内容と関連させたインターンシップ
 専門的な知識や技能を習得するとともに、コミュニケーション能力や勤労観・職業観を身に付けることを目的として、地元の企業で就業体験を行います。
○専門的な技術・技能の習得を図るデュアルシステム
 各専門分野における、より実践的で高度な技術や技能、知識を習得し、生徒の資質・能力を伸長することを目的として、長期の就業体験を行います。
○地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」
 学校の授業等において、高度熟練者が講師となって実技の指導などを行い、生徒の技術・技能を高め、職業人としての資質・能力の向上を図ります。
○その他の取組
 小・中学生を対象としたものづくり教室や出前授業、全校体制で行う成果発表会、教員や保護者対象の企業見学、教員対象の研修会など、多くの取組を行っています。

4 各学校における取組内容例
(1) 工業教育活性化委員会(新居浜工業高等学校)
・年3回の工業教育活性化委員会を校内で開催しました。委員会では、企業が求める人材の調査や、インターンシップ等の協力企業の依頼、事業の実施状況や成果の報告などが行われたほか、事業の実施内容について検討しました。
・企業関係者からは、企業が求める人材について具体的な話があったほか、事業を実施するに当たり、今後も協力していくという意見などが出されました。
工業教育活性化委員会の様子 工業教育活性化委員会の様子

(2) 南予2高校による東予地区企業の見学(吉田高等学校)
・3年生の生徒が、今治市の造船所や西条市の鋳造所を見学しました。
・企業見学を通して、東予地区の企業への理解を深めるとともに、学校で学習している内容の理解を深めることができました。
東予地区企業の見学の様子 東予地区企業の見学の様子

(3) 学科の学習内容と関連させたインターンシップ(八幡浜工業高等学校)
・生徒の興味・関心や進路に関連した就業体験を行う機会として、2年生の生徒全員が、10日間のインターンシップを、6月と10月の2期に分けて、それぞれ5日間実施しました。
・生徒の感想には「学校ではできない体験ができた。また、進路選択に大変役立った。」などがあり、企業の方からは「大人の中に入り、大変だったと思うが、最後までよく頑張っていた。この経験をこれからの人生に役立ててほしい。」などの意見をいただきました。
学科の学習内容と関連させたインターンシップの様子 学科の学習内容と関連させたインターンシップの様子

(4) 専門的な技術・技能の習得を図るデュアルシステム(松山工業高等学校)
・即戦力となる人材の育成を目的として、3年生の希望者が製作所で14日間のデュアルシステムに取り組みました。
・アンケート項目である「職業や仕事内容への理解」については、参加した全ての生徒が「十分深まった」又は「深まった」と回答しました。
・企業の方からは、「メモを取る習慣ができており、指示を確実に把握し、作業に取り組んでいた。」「インターンシップの経験が生かされており、意欲が感じられた。」などの意見をいただきました。
専門的な技術・技能の習得を図るデュアルシステム 専門的な技術・技能の習得を図るデュアルシステム

(5) 地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」
ア 実技指導(東予高等学校)
・企業の高度熟練技能士の指導を受け、旋盤作業の技能を磨きました。
・刃物の製作から切削の仕上げの工程に至るまで、きめ細かな指導を受け、生徒は高い技能を身に付けることができました。その結果、ものづくりの全国大会で、2年連続優勝するなど、大きな成果を上げることができました。
地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子 地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子

イ 実技指導(松山工業高等学校)
・企業の高度熟練技能士の指導を受け、専門的な知識、技術を学ぶことができました。
・分かりやすい説明と、丁寧な指導により、生徒の技能が大きく向上しました。
地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子 地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子

ウ 講演(吉田高等学校)
・企業の技術者を講師として招き、専門分野について講義を行っていただきました。
・実務に携わっている講師の話には説得力があり、生徒は集中して取り組んでいました。
地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子 地場企業の技術者や技能者などを講師とした「匠の技教室」の様子

(6) その他の取組
ア ロボット教室(今治工業高等学校)
・小学生を対象にしたロボット教室を開催しました。参加した児童は、ロボット・アメリカン・フットボールやラジコンロボットの操縦に、楽しく取り組んでいました。
ロボット教室の様子 ロボット教室の様子

イ 企業との共同研究(新居浜工業高等学校)
・電子機械科で、企業との共同研究を行い、「坂の上の雲」で登場する戦艦三笠の模型と実際に蒸気で動く戦艦三笠の蒸気機関の模型を製作しました。
・完成した模型は「坂の上の雲ミュージアム」に展示され、好評を得ました。
企業との共同研究の様子 企業との共同研究の様子

ウ 大学や企業との共同製作(東予高等学校)
・大学教授の指導を受け、普段は遊具として使用されるが、災害時には幼児が逃げ込める木製のシェルターの製作に取り組みました。完成したシェルターは市内の幼稚園に設置する予定です。
・運送会社からの依頼を受け、企業と共同で研究・開発に取り組み、荷物運搬アシスト車の製作に取り組みました。
大学や企業との共同製作の様子 大学や企業との共同製作の様子

5 平成24年度高校生地域産業担い手育成事業研究成果発表会
 高校生地域産業担い手育成事業の実施校が、研究成果の発表や意見交換を行い、事業の実施による研究成果の普及に努めました。
 主 催
 日 時
 会 場
愛媛県教育委員会
平成25年2月18日(月曜日)13:30~16:00
松山工業高等学校 大会議室
高校生地域産業担い手育成事業研究成果発表会の様子 高校生地域産業担い手育成事業研究成果発表会の様子

6 平成24年度愛媛県総合教育センター調査・研究発表会
 小・中・高等学校等の教員を対象に行われた愛媛県総合教育センター調査・研究発表会において、東予高等学校が本事業の取組内容等について発表しました。
 主 催
 日 時
 会 場
愛媛県教育委員会
平成25年2月14日(木曜日)9:30~16:00
愛媛県生涯学習センター 県民小劇場
愛媛県総合教育センター調査・研究発表会の様子 愛媛県総合教育センター調査・研究発表会の様子

今後は、高校生地域産業担い手育成事業の実施により、地域産業界との連携を更に深め、企業ニーズを把握するとともに、より充実した取組の実践を通して、地域産業で活躍し、産業界の活性化に貢献できる人材の育成に取り組んでいくこととしています。



文部科学省人権教育研究指定校事業報告1

互いに認め合い、高め合う仲間づくり 
伊予郡砥部町立宮内小学校
1 はじめに
 本校は、松山市南部に隣接した砥部町の中心部に位置する児童数379名の中規模校です。本校児童は人権感覚の根幹である自尊感情がやや低いため、友達とうまく関われないという傾向がありました。そこで、言葉の力を育て、言葉を介して互いの考えを伝え合っていく中で自尊感情を育て、互いを高め合う集団を育てたいと考え実践をしてきました。その一部を御紹介いたします。

2 実践
(1)言葉の力を伸ばすための指導過程・指導方法の工夫
 自分の考えと友達の考えを比較し検討するために、二人組や小グループ、学級全体での意見交換の場を適宜設定するようにしました。友達の意見を聞いて納得したり、自分の考えに対する自信が深まったりしました。
(2)地域との連携を図った体験活動の充実
 地域の人や自然、産業と関わることは、生きた言葉を育てます。また、そこで生きる児童が地域に誇りをもつことは、友達を大切に感じて暮らしていこうとする意識を高めると考え、特に力を入れて取り組みました。
 1年生は、生活科でおもちゃ作りを行い、完成したおもちゃを使って地域の幼稚園・保育所の園児を招待し、ルールや約束を園児に合わせながら交流しました。
 2年生は、生活科の町探検で自分たちの生活を支える地域の人々と関わりました。
 3年生は、総合的な学習の時間に「陶街道五十三次」を中心に砥部町の各地域を巡りました。その中で特産物や地域の先人と出会い、梅シロップや砥部焼づくりを体験したり、坂村真民記念館や井上正夫会の人々と交流したりしました。
 4年生は、総合的な学習の時間に、地域の作業療法士の方に体の不自由な方との接し方を教えていただいたり、特別養護老人ホームの方々と交流したりしました。
 5年生は、総合的な学習の時間に、地域の方から川の浄化の方法を教わって実践したり、国語の授業で坂村真民さんの詩を味わったりしました。
6年生は、総合的な学習の時間や道徳の授業「二度とない人生だから(自作資料)」で、坂村真民さんの生き方について深く考えました。

 これらの活動を通して、すばらしい技術や知識をもち、地域の人々のために社会に貢献している人々が身近な地域に大勢いること、お互い支え合って生活していることを再確認でき、児童も教師も砥部町の豊かさ、すばらしさを肌で感じました。また、これらは、学校の取組を地域に知らせる一助にもなりました。

(3)全校ミニエクササイズの時間「かがやきタイム」の実施
 よさを認め合う場として、様々な立場の友達とよりよく関わるための技能を磨く場として、毎月1回全校ミニエクササイズの時間「かがやきタイム」を設け、いろいろなプログラムによって継続的に活動してきました。その結果、自他のよさを認めること、意見の異なる相手と協力することが実際の言動として表れてきつつあります。
(4)交流給食・交流遊び・チャレンジランキングの実施
 交流給食・交流遊びは、縦割り班の2学年で給食を食べ、その日の昼休みに話し合って決めた遊びを一緒に行うもので、多くの学年と親密な交流ができました。チャレンジランキングは、児童会役員がアイデアを出し“協力”をテーマにした種目(「新聞乗り」や「人間知恵の輪」など)を、縦割り班全員で行うものです。高学年が低学年にアドバイスしたり、力を貸したり譲ったりするなど、相手を思いやり、力を合わせて取り組む姿勢が多く見られました。

1学年 幼稚園・保育所との交流 2学年 野菜名人さんとの交流
1学年 幼稚園・保育所との交流 2学年 野菜名人さんとの交流

3学年 砥部焼づくり体験 4学年 特別養護老人ホームとの交流
3学年 砥部焼づくり体験 4学年 特別養護老人ホームとの交流
5学年 川の浄化 6学年 真民記念館見学
5学年 川の浄化 6学年 真民記念館見学

かがやきタイム チャレンジランキング
かがやきタイム チャレンジランキング


3 主な成果と課題
【児童の意識調査(平成23年6月と平成24年6月実施 対象:全校児童)】
 互いの考えを伝え合っていく中で自尊感情を育て、互いを高め合う集団を育てることをねらいとして様々な取組を行ってきた結果、児童の意識調査に見られるように、自分を受け入れ、自分の価値を感じる児童が増え、自尊感情の高まりが見られるようになりました。それに伴い、互いに励まし合う温かい人間関係も育ってきています。しかし、まだ自尊感情や友達関係に課題のある児童が見られます。また、互いのよさを認めながらもよくないことはよくないとはっきり伝え、自他の人権を守ろうとする行動ができている児童も多くはありません。今後も、児童が自分や周りの人の人権を大切にするために行動し、よりよい仲間づくりができるよう、地域の特性を生かしながら活動の充実を図っていきたいと思います。

文部科学省人権教育研究指定校事業報告2 

人間尊重の精神を培い、同和問題をはじめとする
様々な人権問題の解決に主体的に取り組む生徒の育成
四国中央市立川之江南中学校

1 はじめに
 本校では、校内や地域にある人権問題の解決に向けて、全教育活動を通して、人間を尊重できる生徒を育成したいと考えています。そのために、同和問題をはじめとする様々な人権問題を正しく認識させるとともに、身の回りにある不合理に敏感に気付く感性と、いじめや差別の解消を目指す行動力を養うことを目的とした活動に取り組んできました。特に、生徒たちの「思いを伝える力」を育てることが差別解消の重要な鍵と考え、様々な実践を積み重ねてきました。私たちが生徒たちと共に取り組んできた、この2年間の実践の一部を紹介します。

2 研究実践の経過
(1)  仲間づくり部会の取組

仲間づくり部会では、生徒の実態把握に努め、生徒同士のよりよい人間関係を築き、互いを認め、支え合える集団の育成を目指しています。そのためには、誰もが安心して自分の思いを語ることができる雰囲気をつくることが大切であると考え、生徒たちが自己表現できる場の設定に取り組んできました。


生徒総会での学級目標の発表の様子 <生徒総会での学級目標の発表>

各学級では、「こんなクラスにしたい」という一人一人の思いを学級目標に表現します。5月の前期生徒総会では、全学級がそれぞれの学級目標を、工夫を凝らして発表しています。

学級の日の様子 <学級の日>

月に1度、「学級の日」を設定し、終わりの会後の30分間、プログラム委員(学級委員と班長)を中心に、学級の様子についての意見交換や課題の解決に向けての話合い、掲示物の作成等を行っています。この取組が学級を活性化させる母体となっています。

協力学習の様子 <協力学習>

定期テスト前の3日間の放課後は部活動を中止し、各学級での協力学習を30分間、各教科に分かれての学習相談を30分間実施しています。学習プリントを班で協力して解くことで、基礎学力の定着と、支え合い、高め合える仲間づくりを進めています。

<人権を考える会>
人権を考える会 定例会の様子 人権を考える会 座談会の様子 人権を考える会 あいさつ運動の様子
定例会 座談会 あいさつ運動

 有志の生徒による「人権を考える会」は、発足して17年になります。いじめや差別の解消に向けて自分たちの思いを語り合ったり、人権に関する学習をしたり、自分たちの学校を誰もが安心して過ごせる場所にするための様々な活動を行ったりしています。地域の学習会や啓発活動にも参加しています。

<ふれあい集会(全校人権集会)>
ふれあい集会 人権作文の発表の様子 ふれあい集会 人権劇の様子 ふれあい集会 意見交換の様子
人権作文の発表 人権劇 意見交換

 「人権を考える会」のメンバーが中心となって、学期に一度、「ふれあい集会」を実施しています。講師を招いての講演会や人権作文の発表会、人権劇の上演といった内容で、メンバーが全校集会の運営や司会進行を担当しています。人権劇を通して差別解消への思いを訴え、作文発表や人権劇の後には全校生徒で感想発表や意見交換を行い、生徒一人一人の、「いじめや差別をなくしていこう」という思いをつなげていきました。

(2)  学習部会の取組

 学習部会では、道徳、特別活動、各教科等の系統性を踏まえた年間指導計画の改善に取り組み、言語活動を重視した授業展開の工夫と改善や、生徒の心情に迫る道徳教材等の研究を行ってきました。また、人権・同和教育に関する教材の精選と整理、授業で使用した資料やワークシート、指導案等の蓄積も行っています。よりよい人間関係づくりを行うためには、生徒のコミュニケーション能力を高めることが必要です。各教科の学習において、言語活動の充実を図るためには、自分の思いや考えを伝え合うことが大切であると考え、ペア学習や班活動等を取り入れた授業実践を重ねてきました。
 また、道徳等の授業については、各学年会において教材や資料、授業展開等について協議や授業研究を行いました。そして「相手の思いに気付く感性」や「自分の思いを伝える力」を養いながら学習を深めていくために、「聴くこと」「話すこと」「語り合うこと」を重視した授業を行う学級が増えてきました。


<言語活動を重視した各教科の授業実践>
自分の考えを伝え合う国語科の授業の様子 班活動を取り入れた数学科の授業の様子
自分の考えを伝え合う国語科の授業 班活動を取り入れた数学科の授業

<生徒の心情に迫る道徳教材等の研究>
同和問題学習の校内授業研究の様子 書かずに「語り合う」道徳の授業実践の様子
同和問題学習の校内授業研究 書かずに「語り合う」道徳の授業実践

(3)  啓発部会の取組
 人権・同和教育は、生徒たちの確かな学びと家庭や地域の理解と協力で、大きな推進力を得ることができます。本校の啓発部会では、「共に学び、共に行動する人権・同和教育」を目指し、様々な学習機会や活動等を通して、学校・家庭・地域の連携を図っています。

<通信や学習ファイル等を利用した保護者啓発>

 人権について伝えたいことや生徒たちが学習したこと等は「人権・同和教育通信」や「学級通信」、また学習ファイルを利用して保護者にも伝えています。その際、意見を記入する用紙を添付し、家庭で人権について話し合う機会をもつよう、促しています。
PTA人権・同和教育講演会の様子 <PTA人権・同和教育講演会>

 人権・同和教育参観日に講師を招き、PTA人権・同和教育講演会を開きました。平成23年度は「発達障がいとポジティブにつきあう」を、平成24年度は「命・愛・人権を考える」をテーマに、講師ご自身の体験談を交えながら、参加者の心に響く講演をしていただきました。

<人権ポスター掲示活動・「人権の花」運動>
人権ポスター掲示活動・「人権の花」運動の様子 人権ポスター掲示活動・「人権の花」運動の様子
 平成23年度は、生徒の人権標語を貼ったパンジーのプランターを、市内21か所の施設や事業所に設置し、地域への啓発を図りました。同時に、毎年実施している生徒作成の人権ポスターの掲示もこの日にお願いしました。生徒たちは活動を通して、地域の方々との温かいふれあいを体験できました。

<人権啓発街頭ティッシュ配り>

 毎年2月11日に、地域の有志の方々や近隣の中学校高等学校のみなさんと共に、差別解消へのメッセージを込めたポケットティッシュを、地域の商業施設の店頭で配布する活動を実施しています。平成23年度は本校から、生徒109名、保護者4名教員15名が自主的に参加しました。

3 おわりに
 様々な取組を通して、生徒たちの人権意識は徐々に高まってきています。特に、「いじめ・差別はする側の問題である」と考える生徒や、「差別解消に向けて、自分の思いを伝えたい。家族とも話し合いたい」という思いをもち、授業や集会活動で積極的に発言する生徒が増えてきています。「人権啓発ティッシュ配りに参加したい」という声もよく聞くようになりました。
 今後さらに、生徒たちの学びが日常の生活に生かされるように支援していきたいと思います。また、保護者や地域への啓発についても、これまでの取組に工夫と改善を加えながら、一層充実させたいと考えています。そのためにも、まず教師自身が差別の現実に深く学ぶとともに、生徒・保護者・地域とのつながりをより強いものにしながら、力を合わせて差別解消に向けた確かな実践を重ねていきたいと思います。
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