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1 はじめに |
愛媛県総合科学博物館では、平成25年7月13日~9月16日までの間、夏の特別展「南極の自然~観測活動とその成果~」を開催しています。この特別展では、当館自然研究科川又専門学芸員が参加した第54次南極観測隊(夏隊)での観測活動の詳細や、近年の南極観測の研究成果等について、貴重な写真や装備品、実物標本で紹介しています。 |
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2 主な展示 |
(1)学芸員の観測活動 |
自然研究科川又専門学芸員の観測活動の成果として、11点の地衣類を展示するほか、実際に南極で使用された装備品や調査道具等を展示しています。また、昭和基地から約20km離れたラングホブデ地区の雪鳥沢河口にある観測小屋の内部を展示室内に再現しています。 |
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(2)氷床深層ドリル |
数十万年前の地球環境を調べるため、南極ドームふじ基地では、深層掘削機を使って3,000mの深さまで氷を掘削し、“氷床コア”と呼ばれる氷を採集しています。本展では、実際に南極ドームふじ基地で使用された全長12mの氷床深層ドリルを展示しています。 |
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(3)南極の岩石・鉱物・隕石 |
約25億年前の岩石や南極で発見された新鉱物「マグネシオヘグボマイト」、月隕石・火星隕石等の貴重な実物標本を展示しています。 |
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(4)南極の生きもの |
アデリーペンギンやナンキョクオオトウゾクカモメなど、南極にすむ生きものたちを展示しています。 |
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(5)近年の観測成果 |
熱水掘削やペンギンカメラ映像、南極湖沼(コケボウズ)の映像を展示し、近年の南極観測の成果を紹介しています。 |
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(6)南極の氷に触れるコーナー |
南極の氷は、降り積もった雪が何万年もの時間をかけて少しずつ固まったもので、氷の中には数万年前の空気が気泡となって閉じ込められています。このコーナーでは、実際に本物の南極の氷に触れて、南極を肌で体感することができます。 |
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3 関連イベント「マイナス15℃ ヒンヤリ体験!」 |
冷凍車に乗ってマイナス15℃の南極の寒さを体験できます。夏の暑い日にピッタリのこのイベントは、特別展開催期間中の日曜・祝日のみ実施します(体験には特別展観覧券が必要です)。朝9時から整理券を配布し、30分ごとに30名の先着順となりますので、寒さ体験をされたい方は、お早めに博物館へお越しください。 |
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4 おわりに |
今回の特別展では、南極観測の成果とともに、実際に使用された氷床掘削ドリルや当館学芸員が観測隊員として採集した地衣類等を展示するほか、セールロンダーネ山地地学調査隊が使用したテント、ラングホブデ生物観測小屋を再現し観測隊員の活動を体験できるように工夫しています。この機会に多くの方々に南極の自然に親しんでいただき、南極および地球環境問題への理解を深めて頂ければ幸いです。 |
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Ⅰ スーパーサイエンスハイスクール事業について |
文部科学省では、将来の国際的な科学技術人材を育成することを目指し、理数系教育に重点を置いた研究開発を行う「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」事業を平成14年度から実施しています。 |
SSH指定校では、大学や研究機関等と連携して |
○ 科学技術、理科数学に重点を置いたカリキュラムの開発と実施
○ 創造性、独立性を高める指導方法、教材等の開発
○ 体験的学習、課題研究の推進
○ 国際性を育てるために必要な英語での理科授業、プレゼンテーション演習
○ 研究成果の評価への取組
などの研究開発を行います。 |
大学や研究施設の研究者の方々との交流、最先端の研究施設での研究など、様々な体験活動を通じて、科学技術に夢と希望を持つ、創造性豊かな人材の育成に取り組んでいます。
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(SSH事業概念図) |
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Ⅱ 宇和島東スーパーサイエンスハイスクール事業について |
宇和島東高校は、今年度、文部科学省からSSH校の指定を受けました。同校では研究課題名を、「リージョナルサイエンス~地域からの挑戦~」とし、平成25年度から5年間にわたり、豊かな自然環境に恵まれた地域の特性を生かした活動を通して自然科学に目を向け、国際社会における科学技術の発展に貢献できる人材を育成するカリキュラム開発を行います。
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1 宇和島東高校スーパーサイエンスハイスクールのコンセプト |
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2 活動紹介 |
(1)リージョナルサイエンス(RS)Ⅰ 対象生徒 普通科理数科1年生 |
自然環境、文化・歴史・産業、医療・福祉などの分野について、地域の特色を生かした研究テーマを設定し、資料学習や現地実習などを通して、より深く探究します。
具体的には、初めに全員が、地域環境講座、地域科学史講座、地域産業講座、地域医療・福祉講座の4講座の内容について、その概要を出張講義等により学習します。その後、興味・関心のある講座を選択し、研究テーマを設定した上で探究活動を行います。研究成果についてはホームページ等を利用して地域へ発信します。
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① 地域環境講座 |
西予市ジオパーク構想担当者による「愛媛の自然と文化」に関する講義 |
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② 地域科学史講座 |
伊達博物館研究員による「強靱な城郭や武具のつくり方」に関する講義 |
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③ 地域産業講座 |
ア 愛媛県農林水産研究所(水産研究センター)所員による「これからの栽培漁業の在り方」に関する講義 |
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イ 愛媛県農林水産研究所(果樹センター)所員による「品種改良と柑橘類」に関する講義 |
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④ 生徒の感想 |
○ これまで自分が知らなかった南予地域のことを知ることができ、研究を通じてもっと深く学びたいと思った。
○ 地域産業に関しての専門的な話を聞くことができ、知識が身に付いた。地元をもっと知りたいと思った。
○ 詳しい説明で分かりやすかった。地元でありながら、知らないことが多すぎると感じた。研究を通じて地元南予を全国にアピールしていきたい。 |
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(2)リージョナルサイエンス(RS)Ⅱ 対象生徒 普通科理系・理数科2年生 |
1学期後半に「科学実験入門」を行い、物理・化学・生物・地学に関する実験の基本操作や図・表の使い方について、愛媛大学の先生方による出張講義等を通して学習します。その後、物理講座、化学講座、生物講座、地学講座、数学情報講座、総合講座の6講座に分かれて、地域に根ざした課題研究に取り組みます。
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① 科学実験入門 |
ア 器具の使い方・試薬の調整 |
イ 原形質流動の観察 |
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② 物理講座(薄い紙カップの落下運動) |
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③ 生物講座(生物の画像データの取り扱い) |
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④ 地学講座(岩石鉱物の観察実験) |
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3 その他 |
最新の活動状況等は宇和島東高校ホームページにて随時更新され掲載されますので、御覧ください。 |
〈URL〉http://uwajimahigashi-h.esnet.ed.jp/ |
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