学校紹介
~ 地域の愛に包まれて育つ白浜っ子たち ~

八幡浜市立白浜小学校 教諭 田中香代子 


1 はじめに

 本校は、八幡浜市の中心にあり、124年の歴史をもつ伝統ある小学校です。愛媛県歌の「海がある 山がある 空に光があふれてる♪」のフレーズ通りの地域にあります。正門を出て、真っ直ぐ数分歩くと海があり、ロープでつながれた漁船が湾内のやさしい波に揺れています。また、海沿いに広がる段々畑では、東京にも出荷されている日の丸蜜柑が太陽をたっぷり浴びて栽培されています。最近では、港湾開発の進展に伴い、平地部の再開発が進み、道路の拡張、商業施設の整備と、古きよき心意気と新しい時代の活気が共存しています。


2 本校の実態

 本校は、児童数176名の小規模校です。地域に育った白浜っ子は、人なつっこく、カラッと明るく元気です。十年以上続いているハイタッチの朝挨拶は有名です。市内の水泳・陸上記録会や音楽発表会などでも、ものおじしない性格で、毎年よい成績を残しています。
 教育目標を「心豊かで明るく元気に活動する白浜っ子を育てる」とし、校訓【知・徳・体】である、明るい子(知)・たくましい子(体)・やさしい子(徳)を目指し、教職員全員が一丸となって、地域や家庭の教育力を借りながら、一人一人が笑顔で過ごせる日々になるように努めています。その取組の一端をご紹介します。


【 あいさつ運動の様子 】

3 地域に学び愛する心を育む活動

【 蜜柑収穫体験 3年 】

(1) 地域人財による地域学習

  総合的な学習の時間や生活科、社会科の学習等において、欠かせないのが地域の人財です。1、2年生は、毎年、生活科で「秋ランド」や「冬ランド」を開催して長寿会の高齢者の方々と交流をしています。また、2年生は、「町たんけん」、3年生は、「地域たんけん」で地域について学習しています。3年生では、総合的な学習の時間に「蜜柑」について学び、実際に地域で蜜柑収穫を体験させてもらっています。3年生は、その体験を基に蜜柑カルタを制作しました。4年生は、地域の環境や福祉について学びます。5年生では、毎年、魚市場の見学をし、また漁食教室に参加しています。6年生は、地域の老人養護ホームの方々との交流を行っています。

 また、毎月第2火曜日の朝の時間を「浜っ子お話会」として設定し、読み聞かせボランティアの方に各学年の教室に来ていただき、本の読み聞かせを行っており、児童が楽しみとする時間となっています。このように多くの人財に学びながら学習・活動しています。



【 魚食教室 5年生 】


【 浜っ子お話会 】

(2) 地域行事への参加と地域のための活動

 地域の行事や催しに参加することも多いです。代表的なものは、「テヤテヤウェーブ(8月)」と「みなと祭こども踊り競演大会(10月)」です。二つとも八幡浜市の伝統的な「てやてや音頭」をアレンジして市内を練り歩く大きなイベントです。期間中は、PTA・教職員・児童が一体となって練習に取り組みます。今年度は、「テヤテヤウェーブ」、「こども踊り競演大会」、どちらとも優勝しています。白浜っ子の踊りは、例年ダイナミックで、両手を大きく広げ、ひざも深く曲げて踊り切ります。全員の踊りがそろっていて、全員の楽しむ心が一つになります。声も大きく、朝の挨拶や学校に来られた方への挨拶など普段の態度が、ここで発揮されます。
 次に音楽部の活動です。音楽部では、例年、金管パレードを数回行っています。地域をパレードし、交通安全や薬物乱用防止、防火等を呼びかけています。



【 てやてや踊り 】


【 音楽部パレード 】

(3) 仲間意識を高め、愛校心を育む集会

 本校には「白浜小人権宣言」があり、毎朝、各教室で全員が元気に唱えています。その内容は、「1 笑顔と明るいあいさつでみんなの心を元気にします。」「2 友達の気持ちを考えて行動します。」「3 自分がされていやなことはしません。」です。全校児童がこの宣言の下、仲間意識を高めています。

 毎朝の集団登校はもちろんのこと、縦割り班活動としては、清掃活動、なわとび集会での長縄跳び等を行っています。
 また、開校記念集会や人権集会、まごころ集会等、様々な集会を毎年行っています。開校記念集会では、全校で白浜小学校の誕生日を祝います。この集会は、白浜っ子の愛校心を育む活動になっていて、白浜小学校の卒業生に来ていただいてお話をしてもらいますが、今年は、「チーム白浜」で、47年間毎朝、交通指導をしていただいている川本さんの話を聞きました


【 蜜柑収穫体験 3年 】
4 まとめ

 豊かな自然に恵まれ、温かい人々の愛に包まれた地域の学校として、地域を愛し、心豊かで明るく元気に学び、活動する、笑顔あふれる児童の育成を今後も継続していきたいと思います。