新規事業

愛媛県部活動指導員配置促進事業
保健体育課
SDGs推進人材育成事業
高校教育課
いじめSTOP!がおあふれる地域フォーラム2018
人権教育課
愛媛県部活動指導員配置促進事業
1 はじめに
 本県の市町立中学校・県立学校の運動部活動においては、競技経験のない教員が顧問となる場合が5割程度あるなど、運動部活動における教員の負担感や競技力向上に向けた指導に課題が見受けられます。
 こうした中で、教員の負担軽減はもとより、生徒の活動意欲や技能を向上させるとともに、えひめ国体のレガシーを活用し、ジュニア世代の競技力の維持、向上を図るため、平成30年度から、競技の高度な専門家を単独での指導や引率が可能な部活動指導員として学校に配置しています。
2 今年度の取組


 今年度は、中学校に28名、県立学校に5名の合計33名の部活動指導員を配置しました。配置した学校からは、次のような声が寄せられています。
<顧問が競技の専門家である部>
「放課後にクラスの生徒との面談等の時間が確保できるようになった」
「チーム全体の意欲が高まり、競技力の向上にもつながり、成績が向上した」など

<顧問が競技の専門家でない部>
「専門的な指導力不足に対する心身的な負担が軽減された」
「指導法について学ぶことができ、指導力が向上した」など

<学校全体における効果>
「顧問が放課後に生徒対応や校務分掌の業務を行えるため、他の教員の負担も軽減された」
「他の部の顧問に対しても、部活動における生徒指導面のお手本となっている」など。
3 おわりに
 競技経験のない部活動を担当している教員も多数存在し、現在は地域のボランティアの支援を受けているケースが多くあります。
 財政面から、すべての部に配置することは難しく、同じ学校内でも、ボランティアの方との不公平感が生じる恐れがあるとの懸念もあります。
 これからも、様々な制約の中で、部活動指導員と顧問がお互いに補完し合える体制づくりを目指して取り組んでいきます。
SDGs推進人材育成事業
 SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標で、持続可能な世界を実現するための17の目標(ゴール)と169の具体目標(ターゲット)で構成されています。我が国においては、2016年5月、内閣にSDGs推進本部を設置し、SDGsを達成するための施策の実施を進めているところです。
SDGsの17の目標
分 野 目 標 ( ゴ ー ル )
社会福祉 ①貧困をなくそう  ②飢餓をゼロ  ③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに   ⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑧働きがいも経済成長も      ⑨産業と技術革命の基礎をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう   ⑪住み続けられるまちづくりを
⑯平和と公正をすべての人に  ⑰パートナーシップで目標を達成しよう
環境保全 ⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑫つくる責任 つかう責任
自然保護 ⑬気候変動に具体的な対策を  ⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさを守ろう
 本事業では、東予・中予・南予の各地域から「SDGs推進リーダー校」を各1校指定します。指定校は、学校の特色や地域性を考慮して選択した目標を達成するための推進プログラムを作成し、研究活動を行います。さらに、研究成果を学校ホームページに掲載、パンフレット等の成果物を作成し配布するなどの普及活動を行っています。
<SDGs推進リーダー校>
今治西高等学校 上浮穴高等学校 宇和高等学校
今治西高等学校
(1) 研究主題
 SDGs目標12「持続可能な生産と消費」の理解と実践
(2) 目指すゴール
 ⑫ つくる責任、つかう責任
 ① 貧困をなくそう
 ④ 質の高い教育をみんなに
 ⑥ 安全な水とトイレを世界中に
(3) 主題設定の理由
 「総合的な学習の時間」において、講演を聞いたり、ワークショップに参加したりすることで「持続可能な開発目標」達成の意義を学ぶ。次にフェアトレードの仕組みと、今治市におけるフェアトレードの普及状況を調査・研究し、フェアトレード・スクール認定に向けた活動計画を立て、課題解決を図る。
(4) 実施内容
ア 倫理的消費意識の醸成
 「親子チョコレート教室」の実施
 「The True Cost(ファスト・ファッション真の代償)」上映会の開催
 「原ゆかりさんを囲む座談会」の開催
イ フェアトレードタウン運動
 「NGO×企業等 四国フェアトレード商品開発の研修」への参加
 「デュカリの夢」上映会の開催
 「地球人まつりin まつやま・えひめ 2019」(EPIC・MIC共催)への参加
 「次世代エシカル・フェス」(徳島県教育委員会主催)への参加
 「フェアトレード・ニュース今治」4、5、6号発行
 「フェアトレード・スクール基準」策定
ウ SDGs理解
 「SDGs講演会」の開催
 「SDGs学生フォト・コンテスト2018」のワークショップ実施と応募
 「SDGs課題研究」
 「SDGs教本」の設置
(5) 活動の様子
ア 倫理的消費意識の醸成
 今治市内の親子を対象に、「親子チョコレート教室」を、今治市みなと交流センター「はーばりー」で実施した。フェアトレードのエクアドル産カカオ豆を焙煎、すり潰し、チョコレートを作る体験を通して、カカオを、どこで、だれが、どのように生産しているかを学んだ。また、生カカオの発酵臭をかぎ、ローストカカオを味わい、チョコレートを食すことで、グローバルな食育を体験した。
 「親子チョコレート教室」は4回で22組57名の親子を集め、次のような感想があった。
・生カカオが臭かった。
・ローストすると、香ばしいにおいがしたが食べると苦かった。
・カカオ豆に触ったことがなかったので、チョコレートになるとは信じられない。

親子教室①

親子教室②

原さん座談会
 また、本校OB原ゆかりさんを囲む座談会では、ガーナの現状を聞き、フェアトレードの恩恵を得られない生産者もいることを知った。生徒は、様々な立場の意見があることを知り、フェアトレードだけでなく、個別支援や国際機関の活動を含めて、広く統合的な支援の必要性を理解した。
イ フェアトレードタウン運動
 海外研究部は県内NGOや地元企業と協力して、フェアトレード原材料を使用した商品開発に取り組んだ。フェアトレードタウン運動は地域社会に活性化につながり、様々な人々とのパートナーシップを築いている。タウン運動を通して、シビック・プライドの育成やグローバルな食育が達成できるように継続した活動に取り組ませたい。
ウ SDGs理解
 1年生の「総合的な学習の時間」では、「SDGs講演会」を開きSDGsの基本を学んだうえで、「SDGs学生フォト・コンテスト2018」に参加するためのワークショップで学習した。生徒は関心のある目標を選び、それを表現するための写真の構図を考え、何を訴えたいのか文章で表現した。実際に35名の生徒が応募した。コンテスト終了後は、優秀作品から一つを選び、訴えたいことを読み解く「フォト・ランゲージ活動」に取り組んだ。
 これらの活動を通して、SDGsを身近に感じ、課題意識を持つことができたと考える。

ZESTⅡ

絵コンテ作成

エントリー作品
 また、2年生のZESTⅡでは、課題研究においてSDGsやフェアトレードの研究・発表に取り組み、認知度の向上に貢献した。
(6) 成果と今後の課題
 今年度の取組は、SDGsをフェアトレードを通して具体的に理解することにつながったが、17の目標すべてに理解を広めることはできていない。しかし、SDGsフォト・コンテストのワークショップを通して、SDGs地球規模の解決課題であるだけなく、身近な問題として捉える必要があることがわかった。今後、様々な教科や課外活動の中でSDGs視点を養っていくことが必要である。

上浮穴高等学校
(1) 研究主題
 持続可能な社会をつくる
(2) 目指すゴール
 ⑧ 働きがいも経済成長も
 ⑪ 住み続けられるまちづくりを
 ⑮ 陸の豊かさを守ろう
(3) 主題設定の理由
 森に囲まれた地域で、地元の人たちやこの地に集まる人たちとともに活動し、生涯にわたって郷土や自然を愛する心を持ち続ける人材を育成することが、ふるさとを愛する心を育み、コミュニティを維持・存続させることにつながると考え、この主題を設定した。
(4) 実施内容
 SDGsの17の視点で社会を見つめ、未来を創るアイデアの実現に久万高原町で取り組む。
ア 住み続けられるまちづくりについて学ぶ
イ 住み続けられるまちの現場で考える
ウ 持続可能な社会をつくる
(5) 活動の様子
ア 「住み続けられる地域づくりをカンボジアで考える」
 講師:認定NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会代表 高山良二さん
[活動内容]
 地域づくりや平和の尊さ、社会貢献について学び、高山さんのお話しを通して、SDGsについて理解を深めよう。
イ 「久万高原町の移住促進への取組」協力:久万高原町ふるさと創生課移住促進班
[活動内容]
 人口減少の実態、空き家の現状を学び、久万高原町が取り組んでいる移住政策を通して、移住について考えよう。
ウ 「SDGsを自分ごと化しよう」協力:愛媛ユニセフ協会
[活動内容]
 グループワークを通して、自分だけのオリジナルなSDGsを考えよう。
エ 久万高原町中津地区での体験学習「SDGs in 中津」
 協力:久万高原町公民館中津分館、中津地区地域おこし協力隊、中津地区への移住者
 [活動内容]
 中津地区を歩き、自然の豊かさを実感し、移住者の方のお話しから、中津の魅力やさらに移住者を増やすためにできることを考えよう。

中津を五感で感じよう!

移住者を増やす提案をしよう!

中津をSDGsで考えよう!
オ 「プロジェクトin久万高原町」協力:久万高原町地域おこし協力隊
 「今はこうだけど、こうなってほしい」「これからもずっと、こうあってほしい」という思いをもとに、久万高原町で、久万高原町に、久万高原町からやってみたいプロジェクトに取り組む。

町の声を聞く

プロジェクトの発表会
[プロジェクトテーマの一覧]
・上高生による久万高原町民・観光客・移住者のためのパンフレット作成
・New Sight ~久万高原町に安らげる場所を~
・SNSを利用して景色を広め、久万の良さを知ってもらい、観光客や移住者を増やそう
・自然を守る生活と職業
・元気な高齢者を目指そう ~若い人のストレスを改善しよう~
・久万高原町の景観を守る ~よりよい町にするために~
・知ってもらう 住んでもらう ~住居、仕事の観点から~
(6) 成果と今後の課題
 SDGsの視点で未来を考えることで、身のまわりに存在する問題に気付き、社会をよりよくするための課題を設定することができるようになった。環境保護と経済発展のバランスを考えながら、粘り強く社会を創り続けることの意義にも気づいたようだ。今後は実現可能な社会の仕組みづくりに取り組むことで、創造的に社会の課題を解決する力を育んでいきたい。

宇和高等学校
(1) 研修主題
 「地域や産業界と連携した環境教育の実践」農業科の特性を生かした環境人材育成
(2) 目指すゴール
 ② 飢餓をゼロ
 ④ 質の高い教育をみんなに
 ⑮ 陸の豊かさを守ろう
 ⑰ パートナーシップで目標を達成しよう
(3) 主題設定の理由
 生物工学科の生徒が地域や産業界と連携した環境保全活動に取り組むことで、地域の一員として必要な豊かな人間性を育み、より良い地域環境の創造のために主体的に行動する実践的な態度や資質、能力を育成する。また、地域の自然や身近な環境の中で自然に対する豊かな感受性や環境に対する関心を培うことを目的として、本主題を設定した。
(4) 実施内容
ア 目標②「飢餓をゼロ」に関する活動
〇 立間分教場柑橘栽培施設の愛媛県GAP認証の取得
〇 古代米の継代育種
〇 校内水田圃場での土壌改良試験の実施と収量分析
イ 目標④「質の高い教育をみんなに」に関する活動
〇 宇和島市、西予市小・中学校へのトマト苗配布と栽培管理法の普及
〇 宇和島市、西予市小学校でのシクラメン交流学習と栽培管理の普及
〇 西予市内幼稚園との野菜栽培・収穫交流活動
ウ 目標⑮「陸の豊かさを守ろう」に関する活動
〇 ワラグロづくりを通した地域稲作文化の継承
〇 学校林での森林環境学習会の実施
〇 グリーンアースプロジェクトへの参加
エ 目標⑰「パートナーシップで目標達成」に関する活動
〇 JICA地球ひろば・ユニセフハウスにおけるリーダー研修会の実施
〇 外部講師によるSDGsに関する学習会の実施
〇 中川地区「花で結ぶ地域の絆」プロジェクトの技術支援
(5) 活動の様子
ア 目標②「飢餓をゼロ」に関する活動

GAP審査会(本校)

古代米の播種

イネの生育調査(本校)
 本校立間分教場では、愛媛県農林水産部や愛媛県みかん研究所と連携し、その指導の下、興津早生やネーブル、甘平など16種類の柑橘栽培に関する愛媛県GAP認証を取得した。また、地域の古代米保存会と連携し、19種類の古代米の継代育種に取り組み、19種類全ての種もみを収獲することができた。さらに、地元JAや肥料メーカーと連携し、校内圃場を利用して3種類の土壌改良材(肥料)によるイネの栽培試験と収量分析を実施した。
イ 目標④「質の高い教育をみんなに」に関する活動

トマト交流学習

シクラメン交流学習

ダイコン収獲体験交流
 小・中学校に本校生が接ぎ木処理したトマト苗約1200本を無料配布し、栽培マニュアルの配布を行った。また、宇和島市と西予市の6小学校を訪問し、計260名の児童とシクラメンの栽培交流学習を実施し、植物と触れ合う魅力を感じさせた。さらに、卯之町幼稚園の園児40名と野菜の収穫体験交流活動を本校農場で実施し、農業高校の良さを地域に発信した。
ウ 目標⑮「陸の豊かさを守ろう」に関する活動

設置したワラグロ

森林環境学習会(学校林)

森林環境学習会(本校農場)
 西予市ワラグロ保存会と連携し、科目「作物」で校内に2基のワラグロを設置するとともに、ワラグロ作りの目的と歴史について学んだ。また、西予市森林組合や南予地方局森林林業課と連携し学校林と学校農場を会場に52名の生徒が森林環境学習を体験した。
エ 目標⑰「パートナーシップで目標達成」に関する活動

SDGs学習会(東京)

SDGs学習会(宇和高校)

開花したフジバカマと
アサギマダラ
 「JICA地球ひろば」と「ユニセフハウス」が所有するSDGsに関する学習プログラムに生徒の代表5名を参加させ、持続可能な開発に向け、校内リーダーとして活動できる人材の育成に取り組んだ。また、愛媛大学の小林准教授やえひめグローバルネットワークの竹内代表を講師に計5回のSDGs学習会を実施した。中川地区との連携活動「花で結ぶ地域の絆」プロジェクトでは、130本のフジバカマの苗を提供し、栽培技術の普及に取り組んだ。
(6) 成果と今後の課題
 生徒と関係職員が、SDGsとその目的について理解を深めることができた。
 これまで実施してきた様々な地域活動を、SDGs視点で見直す機会となり、活動の意義や地域における農業科としての役割をより深く理解することができた。
 SDGsで交流した関係機関との連携の強化とその継続を検討したい。


いじめSTOP!がおあふれる地域フォーラム2018
世代を越え、フォーラム白熱
 平成30年12月に、東中南予各会場において「いじめSTOP!愛顔あふれる地域フォーラム」が開催されました。東中南予に分かれての開催は今回が初めてです。最初は東予で、1日(土)に西条市丹原文化会館で開催されました。次に、8日(土)南予の国立大洲青少年交流の家、最後は、15日(土)に中予の砥部町文化会館で開催されました。県内の小中高校生、教職員・保護者、大学生等、3地域で、計1,500人以上の人が集まりました。
 このフォーラムの目的は、愛媛県の児童生徒の皆さんが自主的にいじめ防止のために行っている活動の充実を図るとともに、いじめのない学校づくりのためのサポート体制を社会総ぐるみで行うことです。

地域フォーラムの概要
【開会行事】

開会あいさつ(南予地区)
 まず、各地区とも代表児童による開会あいさつが行われました。東予地区では、新居浜市立惣開小学校6年生2名、南予地区では、愛南町立一本松小学校・柏小学校6年生各1名、中予地区では東温市立南吉井小学校6年生2名が代表で行い、「フォーラムで話し合ったことが、私たち一人ひとりの心に残り、明日からのいじめを起こさない勇気ある一歩につながるよう、みんなで一緒に考えていきましょう」と力強くみんなに呼びかけました。

教育長挨拶
 次に、三好伊佐夫教育長の挨拶では、地域全体で子どもたちをサポートする体制を築くことが、いじめ問題において重要な鍵を握るものと考え、今年度から「地域フォーラム」という形で開催することが紹介されました。また様々な人たちと意見を交わし、自分を振り返ることが、それぞれの立場において必ずや、いじめをなくす行動につながるものとも呼びかけられました。

【県内のいじめの現状報告】

県内のいじめの現状報告
 平成29年度の調査の中から、「いじめ発見のきっかけ」を取り上げました。結果によると「学校の取組(アンケート調査等)」が46.5%と一番多く、次に「いじめられた本人の保護者の訴え」が20.6%、「いじめられた本人の訴え」が17.8%となっており、この3つで約85%となっています。そこで、地域住民や関係機関からの情報が少ないことを取り上げ、参加者で話し合うことにしました。

実践発表(中予地区)
【中学校の取組報告】
 続いて、各中学校の代表生徒による、各校のいじめをなくすための取組が紹介されました。
 東予:三島西中学校「いじめ根絶宣言~生徒主体の人権集会より~」
 南予:新谷中学校「いじめをなくすための行動宣言」
 中予:港南中学校「人権フェスタ KTP活動」
 それぞれ特徴のある活動の発表であり、分科会での話合いの参考となりました。

【君たちはどう生きるか(大学生の寸劇動画)を見て】

寸劇動画を鑑賞
 中学校の報告の次に、吉野源三郎原作の小説「君たちはどう生きるか」をもとに、愛媛大学教職大学院1回生のみなさんが寸劇をして動画にまとめました。参加者はこの劇を鑑賞して、自分だったらどうするかについて、各自の意見や考えを深めました。
 (あらすじ)
 先輩が後輩をいじめていた時、友達の一人がいじめられた子を守った。主人公を含めた仲間が先輩からの仕返しがあるのではと考え、「何かあったら、友達を守る」と約束した。しかし、いざ友達が先輩にいじめられそうになると、主人公は助けることができず、約束を守れなかったのだが…

【分科会→全体会】

分科会での話し合い(南予地区)
 劇を鑑賞したのち、小学生から地域の大人たちが18~20の分科会に分かれ、話合いが行われました。分科会では、小中学校の先生たちが司会進行を務め、大学生の寸劇から「いじめを目の前にして、自分だったらどうするか」を自分のこととして考え、次に「地域の役割と、今後いじめ問題についてどのように連携していくか」という2つのテーマで話し合いました。
 そして、全体会では分科会で話し合った内容を発表し、分科会で出てきた意見を共有しました。分科会、全体会とも、参加者が世代を越えて、堂々と意見を発表する姿が多く見られました。

分科会での話し合い(東予地区)

全体会での意見の共有(中予地区)

【閉会行事】
 閉会行事では、平成28年度に伯方高校の生徒と先生が制作したいじめSTOPソング「愛顔(えがお)のために」を全員で歌いました。そして、閉会あいさつは高校生が担当しました。東予は西条高校、南予は野村高校、中予は松山工業高校の2年生が、代表で行いました。3人とも共通して「分科会での皆さんの熱意に後押しされ、しっかりと自分の思いを伝えることができました。」と語っていました。参加者が皆、充実した表情で「いじめをなくすため、まず自ら行動していこう」と堂々と決意を述べ合い、地域フォーラム2018は幕を閉じました。

閉会挨拶(東予地区)

全員合唱(中予地区)

【参加者の感想】
〇 普段は聞けない大人の人など幅広い年齢の方から意見が聞けて、自分の考えをより広げることができました。分科会での話合いの内容を今後の学校生活でも集会を行うなどし、全校に広めていきたいです。【小学生】
〇 いじめをしてはいけないという法律があるのにも関わらず、無くなっていないので、今後自分がどうしていけばよいのか、深く考え、行動したいと思いました。【中学生】
〇 分科会では一人ひとりが自分の意見を発表できる雰囲気が作られていて、他の人の意見を尊重し、受け止めると言うことができていました。自分も周りの人の意見を聞き、より広い視野で、人権について考える事ができたと思う。【高校生】
〇 こういったフォーラムに参加することで、いじめに対して考えるという事が大切なのではないかと思いました。いじめ問題はとても難しく、たとえ答えが見つからなくても、皆でいじめを減らす活動をすることが大事だと思いました。【PTA】

 終わりに

総合司会の大学生
 今年の地域フォーラムは、参加した小中高校生はもちろんのこと、愛媛大学の学生たちも活躍してくれました。全体会等での司会、会場進行、劇の制作、会場設営や準備、当日の役員等を担い、フォーラム成功の立役者となりました。多くの参加者よりも、「大学生の意見が聞けて、よかった。」「大人と子どもの架け橋となってくれた。」等の意見をいただきました。また、参加した大学生も「子どもたちの思いや保護者の願いを知ることができました。教員になった際、ここで学んだことを生かしたい。」と感想を述べてくれました。次年度、さらにより良いフォーラムの開催に向け、企画の段階から、大学生に参加してもらう予定にしております。
 今後は、参加者がフォーラムの学びを各学校、地域に持ち帰り、社会総ぐるみのいじめ防止の取組が推進されるよう期待しています。